FUJI ROCK FESTIVAL '00
3日目
7.30.Sun

GREEN STAGE


ZEBRAHEAD 12:30 START

ニューアルバムが大ヒット中の陽気でちょっと太めのフレンドリーな兄ちゃん達。その実ストイックな芸人根性に支えられたライヴを演ってくれた。「見に来たからには楽しませるぜい!」とばかりな演出に、アメリカ人てアーティストの前に芸人なんだなぁと思った。(BECKもそうだったし。)それで音もかっこ良いという所がスゴイ。【矢野】

ミクスチャーロック系の人ってなんで小太りなんだろう?骨太のエンターテイメントをするには脂肪がいるのか?身体も芸の一つか?とか関係ないこと思いながら、飛び出すエンターメントショウを楽しんだ。「スパイスガールズ!」「オジー!」とか叫びながら真似したり(これがウマイ!)、3日目にして物販に届いたTシャツを投げまくったりとサービス満点。ライヴなんて所詮楽しんだもの勝ちでしょ、と言わんばかりの楽しめ攻撃。いやいや十分楽しんだよ。演奏力の確かさも、ファッションセンスの悪さもアメリカ〜ン。こういうバカどもは大好きだ。【浦山】

A PERFECT CIRCLEfeaturing Maynard James Keenan from TOOL 15:30 START

やっぱりメイナードの姿を見たい人は多かったようで、事前の盛り上がりは大したものだった。しかし僕はこのバンド、レコードの段階ではあまりいい印象は持てなくて、ライブに期待するところが多かった。明らかに「ヘン」なメイナードの存在感は圧倒的だった。声もやっぱりいい声だし。しかしバックバンドの存在感の薄さと言ったら……。おまけにベースとギターの音が全然出てないし、全体的な印象としては「そもそもリハーサル不足なんじゃない?」と言った感じ。バンド側も客のノリの悪さに落ち込んだらしく曲数減らしたりしていたし、正直肩透かし。て言うか素直にTOOLやろうよぉ、と言いたい。【たくま】

モービーからダッシュで戻って来ると、そこには長い金髪のズラと海パン一枚でギコチなく唄うおっちゃン1名。はぁ!?と爆笑しながらも独特な味わいに目が離せなくなる。TOOLを期待するとズッコケるけど、まったくの別物としてみれば面白いバンドだと思う。サウンドに重い迫力はあったし。真っ昼間の野外でこんな音を聞くのも、また乙なもの。フェス以外じゃ絶対見ないもん。【浦山】

IAN BROWN 19:10 START

生楽器はほとんど使用せずに、演奏のほぼ半分をコンピューターが占めると言う編成。なのでライブ序盤でシステムがダウンしてしまったのは痛かった。その間を埋めるイアンのパフォーマンスもなんだかなぁ、と思ったし。声は出ていたし、音程もイアンにしてはよく取れていたと思う。しかしやはりどうも乗り切れない。アルバムは凄く好きだし、イアンの事も嫌いではないけど日本のオーディエンスに甘え過ぎてないだろうか?イアンが何をやっても拍手を送ってくれる優しいオーディエンスだけを相手にしていてはダメだ。きちんとしたリハーサルをして、しっかりとしたバンドと共にライブを見せて欲しかった。【たくま】

ソロになってからはどうなのかとは思うけど、やはり人気はある。そういう私もローゼス好きなので見ておきたい。そしてやっぱり相変わらず音を外しつつ唄っていた。最後はなぜかM・ジャクソンのカバーで閉めた。その独特な個性は伝わってきたかな。【矢野】

いつもの調子いいんだか、悪いんだか判らないテンポでくり出されるイアンワールド。でも今回はグッと伝わって来るモノが希薄だった。まぁ、こんなモノでしょうと言ってしまえばミモフタモナイんだけどさぁ。ダラ〜した個性とパワーのないライヴは違うからねぇ。それでも楽曲の良さや、立ってるだけで栄えるスター性は再認識したけど。ファンとしてはちょっとフクザツな気分だった。【浦山】

PRIMAL SCREAM 21:30 START
アルバム『XTRMNTR』は完成度の高い傑作。そして今回のライヴも完璧でカッコイイものだった。しかし、私としては前々回のフジで見たライヴの方が楽しかった。やはり彼等はどこか欠けている所がある方がいいと思うのだけど。念願の“ロックス”が生で聞けたのはうれしかった。【矢野】

 

WHITE STAGE



MOBY 16:45 START

やたらと面白いライヴだった。ナイナイの岡村隆史がミュージシャンだったらこんな風なのでは?と思わす身軽なちびっ子。ステージ駆け巡ってギターをギュンギュン、キーボートをバンバン弾く姿は、オシャレなアルバムの印象とは違って忙しなかった。歌が以外と下手だったのも親しみをおぼえた。【矢野】

フェスは新しい音との出合いを作ってくれる幸せな場所だ。今回の1番の収穫はこのモービーと出会えたことかもしれない。プロモーションビデオ等の凝って作りこんだイメージがあったので、こ難しいアプローチをするのかと思いきや、ぜ〜んぜん違った人間臭いスタイル。いやはや、この人エネルギッシュだわ。坊主頭で縦横無尽に駆け回る姿は、孫悟空のようであり、軽やかな楽器の操作は上海雑技団か?と思わせる。そして繰り出される音はポップで楽しく、大きくて優しい。1曲1曲説明してはじまる楽曲はCDとはまったく別物の生物になっていたけど、アーティスト自身が大切に大切に演奏しているのが凄くよくわかる。愛のある音楽がある場所には、自然と人が集まり踊りの輪が広がるのは当然だ。【浦山】

LEFTFIELD 20:15 START

個人的に今年のフジで最も楽しみにしていたのは、初来日となるLeftfield。そして初めて生で観た彼らのライブは、その期待を全く裏切らない、とてもとても素晴らしいものだった。暗くシンプルなステージには、ドラムセットと最小限のシンセ類とミキサーのみ、というケミブラとは対極を成す様なセットしかなかった。地を這う様な重いリズム、抑えられた上もの、引っ張って引っ張って引っ張りまくる展開は、上へ上へ、と上昇して行く様なケミブラやUnderworldとは違い、下へ下へ、と落ちていくようなDUB的な音世界であった。"Africa Shocks"や"Open Up"といったヒット曲も入れず、ロック的盛り上がりを一切排したのは、さすがはオリジナルパンク世代のおっさんども、と思わせた。だが、最後の最後の凄ざましいファンクビートの唸りには、今年のフジの最大の(個人的)クライマックスであった。【竹内知司】

最近の流行っているトランスも嫌いじゃないけど僕にはちょっと脳天気過ぎる。そういう人は多分僕だけじゃないのだろう、結構な人数のオーディエンスが集まっていた。そうしたダンス・ミュージックとの違いはダブ/レゲエの感覚を思いっきり前に出しているところが違うのだ。実際これは日本ではなかなか馴染みの薄いダンス・ミュージックだと思う。ただそんな馴染みの薄いはずの感覚のサウンドが実にいい。暗さ、怪しさ、何もかも新鮮な感覚だった。レコードより更にそう言った部分が出ていたので乗り切れなかった人も多かったかもしれないが僕は断然ライブの方がいいと思った。【たくま】

DENKI GROOVE 22:10 START
実はもっといろいろと仕掛けをしてくることを予想してたし期待してた。プライマルを捨てて電気に走ったのは、破壊的な攻撃力よりフレンドリーでマジカルな昇華を望んだからだ。しかし、そんな期待はいともあっさりと裏切られた。奴らがへそ曲がりなこと忘れてたよ。「こんにちわ、電気クルーヴです!」をスタート合図にヒートアップするオーディエンスをしり目に、淡々と打ち付けられるビートと淡々とした送りだすアーティスト。次はなにをやるんだ?とステージを見つめつつ踊っていると反復するリズムに頭も身体も支配され、ただ踊っているだけで気持ち良くなる。まんまと術中にハマた。そしてドドメの“虹”だ。美しいメロディー、見上げると満点の星空。3日間の疲労が洗い流され清清しい気分になってくる。今年もフジロックに来て良かったなぁ、としみじみ感じた瞬間だった。【浦山】

 

 FIELD OF HEAVEN



AOA 18:10 START
会場で一際違う異空間であったFiled of Heaven。実験的に始まった去年とは違い、今年は充実していた。正直、僕はあのゴア/ヒッピーな空気には引きまくってしまうのだが、ライブは良かった。OOIOO, ROVO, AOAと今年はBOREDOMSのメンバーが参加しているバンドが三日にバラけて、ここのステージに出ていたのだが、特に良かったのは三日目のAOA。このバンドは特に決まったメンバーも曲も持たないのだが、ダラダラと始まった演奏は、時にヒートアップし、時に落ち着き、と40分間を切れ目なく一つのグルーヴで押し通していった。みんなで合唱する為でも、暴れる為でも、踊る為でも、BGMでもないその「音楽」は、正に「音を楽しむ」為にある「音楽」であった。【竹内知司】
KINOCOSMO 21:40 START
どひゃーーー!これこれ!!これは凄い!としか言えなくなるぞ本当に。トランスのリズムにダブ/ジャズが乗せられていて気持ちいい事この上無し。こんな凄いモンは初めてだ!!ロック・バンドの進化の仕方なんてそれこそ木の枝だ以上に別れていると思うけどこのバンドは現代のロックの一つの究極の進化形態だと思う。【たくま】

 

 RED MARQUEE



RAMMSTEIN 14:40 START

ついに来てしまいました、ドイツの変態メタル。音はNINE INCH NAILSとMINISTRYの美味しいところ取り、やっているパフォーマンスは80年代から受け継がれているマンガチックなジャーマンメタルそのもの。噂のチンポ・パフォーマンスにゴムボートでのクラウド・サーフィン、どれも芸人根性が溢れて出ていて、笑えた。【たくま】

まさに芸人。ロック芸人。笑わせてくれました。1曲目から「ラムシュタイン〜♪」と自己紹介してくれる親切さ(笑)。曲なんか1曲も知らなかったけど十分に楽しめた。思いっきりコスプレしてお笑いSMショウ(?)やったらしいけど。その前に出てしまって見てないのです。再来日望む。【矢野】

チンコ見れなかったぁぁぁぁ!チンコ放尿プレイ。ゴムボートプレイも見れなかったし、炎プレイも見れなかった。これが今回のフジの後悔の一つ。見た人たちから自慢気にそれらの面白さを聞いた時には悔しさメラメラでしたわ。だってブンブン見たかったし、3曲聞いたら満足だったんだもん。あぁ〜でもチンコがぁぁ。【浦山】

AIR 20:10 START
ネット等の洋楽ファンにはかなり評判悪いAIR。私は好き。パクりと言われようともカッコイイ音と佇まいはミーハー心をくすぐる。で、フジロックのステージはどうなんだろう?と覗いてみたら、大盛り上がりしてました。テンション高めのロックキッズの嵐。聞いてて気持ちよければ、なんでもアリなんだよね。アンコールに出てきた時の車谷くんの嬉しそうな顔をみたら、たまらなくなって前に駆け出していった。【浦山】

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