FUJI ROCK FESTIVAL '00
2日目
7.29.Sta

GREEN STAGE


ROLLINS BAND 12:30 START

かっての「暗黒大王」も太陽の下でウエストバッキング(?)。激しいけどコミカルなおっさんに見える。タトゥーだらけで坊主なのだけど恐くなく可愛らしくもあった。音はシンプルなハードコア。迫力あった。【矢野】

爆笑に次ぐ爆笑!!もう笑わせてもらいました。「見事な人になりましょう♪」なんてパフィーの“とくするからだ”なんか唄いたくなるような鍛え上げられた筋肉。顔を真っ赤にして唄うヘンリーの姿は赤鬼みたいなんだけど、背筋を伸ばして腰を振る姿は規則正しい振り子を見てるような気もする。でも、ヘンリー可愛いンだよ。一挙手一投足可愛いい。動く度にみんなニコニコと笑ってました。一新したバンドの音も整っていて、ヘンリー親父を際立たせる。友人が「上司にしたい」って言ってたけど。ちょっと納得。【浦山】

THE ANIMAL HOUSE 14:00 START
元ライドということで見に行ってみたけど、UKバンド色が濃く悪くない。けど、(UKファン以外には)訴えるものがあまりない気がした。やはりバンドは自分達の個性を確立してなんぼ、ではないだろうか。【矢野】
SONIC YOUTH 17:10 START

ライヴを見るのは3回目。、今回は眠らなくすんだ(笑)。長〜い長いインストでオーディエンスを集団催眠状態に落とし入れた前々回のフェスとは違い、サーストンも動き回り、曲の良さを生かしたソリッドな演奏。20年のキャリアを誇る彼等だけど、本当に若々しくかっこいい。現役バリバリ。好きなことしかせず、あんまりバカ売れしないから長続きするのかな。死ぬまでこのままでいて欲しい人たちだ。【矢野】

開始前に私にとって大事件があったので(おまけ「くされミーハー外道がゆく」参照)、正直ライヴに没頭はできなかったのだが、今回は音がストレートで飛んで来たように思う。好きな時に好きなように演る、マスターベーションライヴではなく、音楽を大切に発するライヴだった。演じるアーティスト、受け止めるオーディエンスの形式が上手くハマッていたように感じた。選曲も良かったし。ソニックスの曲って素直に聞いても良い曲なんだよねぇ。【浦山】

JOHNNY MARR'S HEALERS 19:10 START
高校時代はスミスの切り抜きを持ち歩き、ザ・ザも見に行ったりした、ジュニーマーファンだけど・・・う〜ん、ジョニーは自分がフロントに立つより、強烈なフロントを支えるスタイルが1番似合ってるのでは?そうなると残るはスミス再結成か?しないだろうけど。【矢野】
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT 19:10 START

本人たちも見る私たちも「ここまできたか」と、昨日のBJCと全く違う感慨をおぼえるグリーン2日目トリのステージ。「日本のロックが・・・」なんて安っぽいこという時代じゃないことは判っていても、このステージであの「いつものライヴ」を演るだろう彼等に期待は高まった。そして、この日のライヴにいつもの一気に駆け抜けるドライヴ感はなかった。ダメだったわけじゃない。良かった。一曲一曲、大切な宝物のように演奏される楽曲。オーディエンスを見据えてぶつかっていくパフォーマンス。チバがちょっと空回り気味なところ初めて見たよ。どこかの雑誌がミッシェルはアメリカンなライヴをするって書いてたけど、私もそう思う。無意識かも知れないけど、彼等は自己満足・完結ではなく、共有し背負っていくことを選んでる。「今日の風は俺に泣いてるのだろうか、明日の風は俺に吹いてるのだろうか」こんな青臭い言葉も違和感なく背負い、多少のムリも当たり前だと突き進む。
「音楽を愛してたらここまで来た」そんな大した物語も持たない奴らが素手一本でここまで辿り着き、アンコールに“世界の終わり”を鳴らす。感慨深くなるなという方が無理な話だ。降り出してきた小雨の演出の中、一心不乱にギターをかき鳴らし、無言で去っていくチバの後ろ姿を見てると、ある一つのロックの完成型を見た気がして鼻の頭がツンときた。“Get up Lucy”で「憧れの森の中、歩いてるけど目は閉じたまま」と唄っていた彼等は、今、ガツンと目を開け前を見据えている。楽しいだけじゃないその状況で次になにがでてくるのか・・・。【浦山】

ミッシェルやブランキーは私にとっては基本的にカッコイイけど取っつきにくいバンドだが、今回のミッシェルからは開放感や熱気がわかりやすく伝わってきた。遠くから見てたけど、ライヴの中に入っていけた。自分達のスタイルを確立しながらもそこに留まらず、成長して行くことができる数少ないバンドだと思う。【矢野】

 とうとうここまで来たなぁ、そんな印象。多くの人が期待していたのだろうし、本人達の気合いも入っているのだろう。『CASANOVA SNAKE』からの曲を中心に、全体としてはベスト的な選曲。あらゆる曲がアッパーにプレイされて「強引」と言う言葉が似合ってしまう程オーディエンスを引っ張っていく。もちろんみんなそれに付いていくし、悪いライブではなかったのだ。しかしこの寂しさはなんだろう。僕はTMGEのあの「明日、死んでもおかしくない」くらいの切羽詰まった、息苦しさが大好きだった。昨年の『RISING SUN ROCK FESTIVAL』でのライブを見た時、「あ、こいつらもう死ぬんだ」と思わずにはいられなかった。だからこそあそこで“世界の終わり”が鳴らされた時に感動に飲み込まれずにはいられなかったのだ。この日のチバはよく喋った。だからだろうか、どこか貫禄と余裕すら感じさせた。でも僕はでっかい顔して玉座に座っているTMGEに距離を感じずにいられない。別にアリーナ・バンドになることが悪いわけじゃない。でかいところでプレイしてもいいバンドはたくさんいる。逆に小さいハコを回っていてもゴミみたいなバンドだっている。でも何かが違うのだ、この日のTMGEは。 アンコールでお約束の様にプレイされた“世界の終わり”。多分、彼等はこれからツアーをやった際の節目に必ずこの曲をやるだろう。理由は簡単、この曲を聴きたがっているオーディエンスが多いからだ。そして僕はTMGEを見て、RSRの時程の感動はもうしないだろう、そんな寂しい気持ちになるのだ。【たくま】

 

WHITE STAGE



THA BLUE HERB 13:50 START
 日本のヒップホップはなんだかとんでもないことになっている(らしい)。その「とんでもないこと」の核になっている(らしい)THA BLUE HERB。 トラックはひたすらにドラッギー。ダークで重たく、でもなぜかそれが心地よい浮遊感を生む。そこに乗せられるBOSS THE MCの圧倒的なコトバ。よくもまあここまでポンポンと絶妙にコトバを吐き出せるモノだ。正直、ライブはちょっと散漫なところがあったのも否めないけれども彼らの可能性には胸を躍らさずにいられない。改めてコトバの力に魅せられるし、日本語を他国言語と比べてコンプレックスに感じる事なんて一切ないのだ。「日本語のヒップホップってださい」とか言っている連中はTHA BLUE HERBを見てもまだそんな事が言えるのか?【たくま】
BUDDHA BRAND 16:45 START
 こちらは日本のヒップホップ界のドン(でいいのかな)。自らのレーベルのアーティストを引き連れての登場。 先のTHA BLUE HERBとは違い、こっちはトラックの音の一つ一つがはっきりとしたサウンドに典型的なライムが乗る。しかしみんな日本語をよくもこんなに上手にトラックに乗せられるな。残念なことにこちらもやはり散漫な部分ができてしまった。ちょっとアーティストが多すぎたし、それぞれ3〜4曲と言うのはやはり厳しい。 ただ最後に出てきたBUDDHA BRANDの存在感はやはり圧倒的。こういうアーティストが先に立ってシーンを変えていくのだろうし、僕は絶対に支持する。【たくま】

 

 FIELD OF HEAVEN



奥田民生 19:50 START

予想していたことだけど、人の山、山。隙間をぬって前に進んだ時にはもうヤバい状況は見えていた。そして民生登場。前に押し寄せる人波、悲鳴をあげるギャル達。私も息が出来なくなって急いで外に逃げた。しかし逃げれないギャル達は押しつぶされ演奏は中断。こういう状況は民生がここに出演が決まった時から予想は出来たことだから、事前に対策考えなれなかったのかなぁ?まぁ、どっちが悪いって事でもないと思うけど。とはいえ、再度登場した民生が「じゃ、何事もなかったかのように」とサラリと言った途端にピリピリした空気は一気になごみモードに。こういう場の持って行き方は天才的だ。絶対に似合うと思っていた、このフィールド・オブ・ヘブンのステージでも、ロックテンション持ちつつ、なごみムードでほぐす。民生は誰にも凌駕できない独創性を持ちながら、順応性のあるアーティストだ。どこにいても居心地わるそうなのに、どこにいてもしっくりハマル。絶対聞きたいと思っていた“コーヒー”で昇天。【浦山】

実は見てない。炊きたてのパエリアに目が眩んで移動が遅れ、着いた時には入場制限されて入れず、音も聞こえなかった。今回のフェスで1番の心残り。のんびり、小じんまりとしたフィールドオブヘブンもいいけど、やはり民生にはメインでガーンとやって欲しい。また来てね。【矢野】

 

 RED MARQUEE



YO LA TENGO 14:40 START
新しい音との幸せな出合いは今回のフェスでもたくさんあった。私の今回のフェスのベストアクトは、今まで触れたとこがなかった彼等のライヴ。昼間のテントなんて勿体ねぇとばかりに集まったオーディエンスにもみくちゃにされながら待っている所に現われたメンバー、きゃぁブサイク。。意味もなくそれだけで嬉しくなってくるのは何故かなぁ。ファンタジックな音の世界で浮遊するような気分のあとに飛び出した、夢見ポップソング。手をヒラヒラとさせながら踊られた時にゃぁ、鼻血でそうになったよ。もう反則。ポップワールドの歪みに引きづり込まれカラフルキャンデーで脳味噌ヤラた子供みたいにヘラヘラしてたよ。無条件に幸せな気分。最後にゃぁ泣きそうになっちまった。【浦山】
MOGWAI 18:10 START

今年一番楽しみにしていたバンド。実際に期待していた人も多かったのではないだろうか。結果から言うと、彼等は今年のフジで一番強烈なステージを見せた。最小限のアンサンブルで鳴らされるノイズの大洪水、そこに宿った信じられないような殺気。緊張感と静寂、あらゆるものがあのステージにはあった。僕は彼等のライブの最中、ステージに誰がいるのか、今が何時なのか、そしてここが一体どう言うところなのか、そんな事を全て忘れてしまっていた。ここがフジロックの会場であることすらも忘れかけていた。昨年10月の来日公演がなんだったのかと言いたくなってしまうステージであった。つくづくレッド・マーキーじゃなくてもっと大きなステージで見たかったし、見せたかった。【たくま】

これまたザラザラ荒めな轟音バンド。でも、好みの音。自分達の音の世界を完璧に表現して、その音にオーディエンスを引き込んでいく。この人たちって誰もいなくても同じように演られるんじゃないかな、なんて浮かんできた。最後の方は耳が疲れたけど。【矢野】

自分達の渾沌の世界にその場に居た人・物、総てを引き込んでしまう負のパワーは凄まじいものがあった。オーディエンスの期待も高かったのだろう、テント内は満員御礼。固唾をのんでステージを見つめていた。見つめられる視線の先は彼等は何を考えてるのだろう?ズンズンと下腹に響く爆音を感じながらそんな事を考えていた。イギリスって時にこんなどうしようもない負の音を出すバンドを産出する。イギリスってやっぱりどうしようもなく曇った未来に包まれてるのか?かという日本はどうなんだ?平和か?ところで、私は幸せなのか?もしかしたら不幸なんじゃないの?身体の疲労も手伝ってどんどんとネガティヴな妄想に駆られる。終盤には辛くなってしまって、後ろに下がり地面にへたり込んだ。フッと周りをみると、同じように座り込み無言でモニターを見つめる人多数。一点を見つめる彼等は何を考えていたのか私にはわからないけど、強烈な個性の中で動けなくなってしまっていたこのライヴは忘れないと思う。私は心に大きな青痣が出来た気分だったよ。【浦山】

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