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α遮断薬(降圧剤としての位置付け)

昭和63年11月1日号 NO.32

   降圧薬の第1選択としては、利尿薬またはβ遮断薬が広く用いられていましたが、最近ではアンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)やカルシウム拮抗剤など様々な新薬が登場して来ています。

 α1遮断薬は、今のところ従来、利尿薬やβ遮断薬の使用が困難な場合(糖尿病、気管支喘息、心不全、通風など)の第2選択薬としての使用が勧められています。

 α遮断薬は、軽・中等症はもとより、利尿薬、β遮断薬、ACE阻害薬との併用により重症高血圧症にも使用可能で、幅広い適応があります。

 α遮断薬は、その作用から典型的な血管拡張薬として位置付けられます。交感神経系の調節下にある動脈系のα1受容体を競合的に遮断して、その収縮作用を抑制します。心機能は抑制されないため、心拍出量は不変ないし軽度に上昇し、諸臓器の血流量は減少せずむしろ増加傾向を示します。これらの利点からα1遮断薬は腎機能障害や心不全を合併した高血圧患者に適しています。

 第2の利点としては、資質代謝に対する積極的な改善作用、特に低比重リポ蛋白分画や中世脂肪の低下作用があげられます。
高脂質、糖尿病、高尿酸血症などを合併症する症例に適しています。

 第3の利点は、呼吸器系に対する効果で、β遮断薬やACE阻害剤でみられる気道抵抗の上昇や咳(せき)などの副作用がありません。閉塞性肺疾患の合併例に対しても適応があります。

<α遮断薬の副作用>

 めまい、たちくらみ、ふらつき、動悸、頻脈、頭痛、頭重感、倦怠感、脱力感、顔のほてり(浮腫感)、眠気など

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β遮断剤では添付文書に下記のように記載されています。


 未治療の褐色細胞腫(単独投与では急激に血圧が上昇、α遮断剤で初期治療を行った後に、本剤を使用し、常にα遮断剤を併用すること)


DIC

Disseminated intravascular coagulation

播種性血管内凝固症候群

 何らかの原因により、極端な血液凝固性亢進状態を生じ、主として全身の細小血管内に血栓の多発を来たし、このため消費性凝固障害を呈する症候群

 常位胎盤早期剥離、羊水塞栓などの産科的疾患、転移を有する悪性腫瘍、急性白血病、重症感染症(特にグラム陰性菌による敗血症)、劇症肝炎、肝硬変症、膵疾患、熱傷、手術、ショック、巨大血管腫、心臓瘤、大動脈瘤などで生じることが多い。
 
 臨床的には、出血性素因、DICの原因疾患による症状のほか、血栓による循環障害に基づく様々の臓器障害が見られることがあります。

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DICの定義

DIC is qn acquired syndrome characterized by the intravascular activation of coagulation with loss of localization arising from different causes. It can originate from and cause damage to the microvasculature ,which if sufficiently severe,can produce organ dysfunction.

出典:医薬ジャーナル 2001.4 等

overt-DIC
            overt:明白な

 DICに対する考え方は、専門分野や地域ならびに医療レベルにより様々で、DICの定義を一つにまとめるのは非常に困難です。一時期、ドイツを中心にした北欧系の研究者により「DICは血管内に播種性にフィブリンが形成される状態」と定義されかかった事もありますが、国際血栓止血学会(ISTH)の化学的標準化委員会(SSC)を中心にして、DICの診断や定義が延々と議論されてきました。

 DICは古典的な病理学的概念から出発し、臨床検査成績を基にした考え方に移行し、さらに現在では動物実験から得られた血管内皮細胞障害ならびに炎症性反応を主体にした考え方に移行しつつあると考えられます。

 2001年ISTH/SSCは、DICをovert-DICとnon-overt-DICに分け、overt-DIC診断基準を提示するとともに、non-overt-DIC診断基準のための雛形を示しました。
  現在、ISTH/SSCはovert-DICのプロスペクテイブスタデイを行いながら、non-overt-DIC診断基準案を作成中である。日本では日本DIC研究会、日本血栓止血学会学術委員会のDIC検討部会ができるなど、DIC診断基準の改定活動が盛んになった。2002年には日本救急学会が日本血栓止血学会と合同の委員会を作り、救急領域のDIC診断基準作成のための活動を開始しました。

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DIC score


 迅速に診断・治療を行う必要のあるDICを臨床像・検査値より的確に診断する目的で作られた厚生省研究班の基準

基礎疾患・出血症状・臓器症状の有無(おのおの 有り=1点、無し=0点)

血清FDPg/ml     (40以上3点、20≦2点<40、10≦1点<20、10以下0点)
血漿フィブリノーゲンmg/dl(150以上2点、、150≧1点>100、100以下0点)
血小板数×10/mm (50以下3点、80以下2点、、120≧1点、>80、120以上0点)
プロトロンビン時間sec(20以上2点、15≦1点<20、15以下0点)

(注意:手打ちですので入力間違いがあるかもしれません!!)

  上記よりスコアを算出し、原則として7点以上をDIC、6点をDICの疑い、5点以下をDICの可能性の少ないものと判断します。

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CCE
コレステロール結晶塞栓症

 コレステロール結晶塞栓症(CCE)は、大動脈内に存在する粥状硬化巣が崩壊・流失し、微細なコレステロール結晶が全身臓器の塞栓を起こすことによって発症するとされているおり、その主な原因は血管内カテーテル操作であるとされているが、ヘパリン等の抗凝固療法が誘因となり発症することも報告されている。

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<2001年追記>

DIC診断基準

項  目 検査成績 得点
I.基礎疾患 あり 1
II.臨床症状
 1)出血症状 あり 2
 2)臓器病状 あり 1
III.検査成績
 1)血清FDP値(μg/ml) 40≦ 3
20≦〜<40 2
10≦〜<20 1
 2)血小板(×103μl/ml) 50≧ 3
80≧〜>50 2
120≧〜80> 1
 3)血漿フィブリノゲン濃度(mg/dl) 100≧ 2
150≧一>100 1
 4)プロトロンビン時間時間比(正常対照値で割った値) 1.67≦ 2
IV.判定
 1)
 7点以上 - DlC
 6点 - DlCの疑い
 5点以下 - DICの可能性少ない

 2)白血病その他に該当する疾患
 4点以上 - DlC
 3点 - DlCの疑い
 2点以下 - DICの可能性少ない

V.診断のための補助的検査成績,所見
 1)可溶性フィプリンモノマー陽性
 2)D−Dダイマーの高値
 3)トロンピン・アンチトロンビンIII複合体の高値
 4)プラスミン・α2プラスミンインヒビター複合体の高値
 5)病態の進展に伴う得点の増加傾向の出現。とくに数日内での血小板数あるいは
 フィブリノゲンの急激な減少傾向ないしFDPの急激な増加傾向の出現
 6)抗凝固療法による改善s

起立性調節障害(O.D.)とリズミック錠

 リズミックの小児に対する与薬の目的は、起立性調節障害(O.D.)の改善にあります。
O.D.は身体的発育が著しく、生体内のホメオスターシスが不安定な思春期前後に発祥することが多く、器質的な障害なしに起立時の立ちくらみ、めまいなどの循環器症状や頭痛、倦怠感、食欲不振などの不定愁訴を呈する自律神経失調症の一つと考えられ、症状が強いときには、学業成績に影響するほか、集団生活に適応できない場合も多く、学校保険上でも問題となる疾患である。O.D.の諸症状が、起床時から午前中にかけて特に多いことを考慮し、原則として、5mgを1日1回起床時に服用させます。

 2週間以上服用し効果が認められない、または効果が少ない場合には、10mgに増量しますが、実験結果より、10mgを朝1回ですと諸症状の改善(特に午前中)が多く現れると報告されています。

 症状が類似し、混同されるものに登校拒否があります。O.D.が身体面に原因があるために症状が現れるのに対し、登校拒否は精神面に原因があるために症状が現れます。O.D.の場合、ある程度の服薬により、起立直後の血圧低下及び頻脈の改善がみられると思われますので、適切に計測を行い、O.D.でないと判断した場合には、心理的な療法を加えるべきだと考えられます。


【起立性調節障害】

 起立性調節障害(OD)は、身体発育が著しく、生体内のホメオスターシスが不安定な思春期前後に発症することが多く、器質的な障害なしに起立時の立ちくらみ、めまいなどの循環器症状や頭痛、倦怠感、食欲不振などの不定愁訴を呈する自律神経失調症の1つと考えられています。


【起立性調節障害の診断基準】

<大症状>

A.立ちくらみ、あるいはめまいをおこしやすい。
B.立っていると気持ちが悪くなる。ひどくなるとたおれる。
C.入浴時あるいはいやなことを見聞きすると気持ちが悪くなる。
D.少し動くと動悸あるいは息切れがする。
E.朝なかなか起きられず、午前中調子が悪い。

<小症状>

a.顔色が青白い。
b.食欲不振。
c.臍疝痛(強い腹痛)をときどき訴える。
d.倦怠あるいは疲れやすい。
e.頭痛をしばしば訴える。
f.乗り物に酔いやすい。
g.起立試験で脈圧狭小16mmHg以上。
h.起立試験で縮小期血圧低下21mmHg以上。
i.起立試験で脈拍数増加1分21以上。
j.起立試験で立位心電図のT1,2の0.2mV以上の減高、その他の変化。

<判定>

大1、小3以上あるいは、大2,小1以上あるいは、大3以上の場合をODとする。
(器質性疾患を除外する)


【リズミック】

 リズミックは、既存の昇圧剤とは作用機序を異にするものであり、各種低血圧治療薬として市販され、それに伴う不定愁訴に対し高い改善率を示しすことがすでに知られています。

 OD症状のうち、立ちくらみ、めまい、脳貧血などの症状は末梢静脈系の反射機構の欠如、つまりは静脈収縮反射失調により引き起こされる下肢の血液貯留によると推測されており、このような血管運動神経反射の失調は、自律神経末梢におけるnoradrenalineの分泌不足やα-receptorの感受性の低下も原因の1つと考えられています。このことから、交感神経末端でのMAO阻害作用、交感神経末端より放出されたnoradrenalineのre-uptake抑制作用および交感神経末端からのnoradrenaline放出作用を作用機序とするリズミックは、OD治療薬として有効な薬剤であると考えられます。


【臨床試験】

 臨床成績では、大症状はいずれもかなり高い改善率(57.1〜94.7%)を示し、大症状Bの改善率は94.7%と非常に高い数値を示しました。

 ODの治療薬としてすでに、ジヒデルゴットが臨床の場に広く用いられており、またミドドリンも臨床試用され、ともに優れた治療成績をあげています。両薬剤ともに頭痛などの自律神経症状が強い症例に著効を示します。したがって、治療の際には症状を分析し自律神経症状が強い場合にはジヒデルゴットやミドドリンを選択し、起立時の循環不全症状が著名な場合にはリズミックを選択するのが良いと思われます。


【ODにおけるリズミックの与薬方法】

 本剤の至適用法、用量は5mg1日朝1回から開始し、症状に応じて午前中のみ症状が認められる患者には10mgを起床時に1回、また午後まで症状が残存する患者には5mgを起床時と昼に各1回ずつ1日2回へと増量する方法が適しています。

 副作用については「33例中1例に動悸が認められたが、その程度は普段の生活に支障をきたすようなものではなかった。」とされています。

<備考>

リズミック錠(メチル硫酸アメジニウム)は、交感神経内に取り込まれた後、交感神経末端でのモノアミンオキシダーゼ阻害作用、交感神経末端より放出されたノルアドレナリンの再取り込み抑制作用、及び交感神経末端より放出されたノルアドレナリン放出作用が一体となり作用が発現する間接作用型交感神経作用薬に分類される経口昇圧剤であり、経口昇圧アミン、麦角アルカロイドなど従来の昇圧剤とは全く作用機序を異にしています。

 本来、リズミックは本態性低血圧、起立性低血圧、及び透析施行時の血圧低下の改善のために用いられる薬剤であり、小児に対しては安全性が確立されていません。


めまい
vertigoとdizziness

出典:医薬ジャーナル 2000.10

 従来、めまいは回転性(真性めまい)と非回転性(仮性めまい)に分けられてきました。

 Vertigoは回転性めまいを意味し、自己あるいは周囲が回転あるいは移動する感覚を指します。
これが一般に、突発性片側性の末梢前庭系の障害によって起こる事が多いとされています。しかし、中枢性疾患であっても、急激に発症する脳血管障害などではvertigoをきたすことがある。

 一方、非回転性めまいは、動揺感、浮動感を主とする動揺性めまい(dizziness)と、眼前暗黒感を主とする失神型めまい(faintness)に分類されます。

 dizzinessは緩やかな発症の疾患や、両側の前庭系の障害が原因となり、faintnessは脳血流の減少が原因の事が多いとされています。

<治療>

* 急性期治療

 対症療法の前提として、中枢前庭系の器質的疾患を除外しておくことが必要です。
めまいの急性期の対症療法は、内服が困難なことが多いので、注射薬を主に使用します。

症状に合わせて下記の処方を併用します。

a.めまい:メイロン注40mL静注または250mL点滴

b.悪心、嘔吐:プリンペラン注(筋注、静注)、ナウゼリン坐薬

c.不安感:ホリゾン筋注

内服が可能なら、独歩や頭位変換が可能になるまで、3〜4日継続

鎮暈剤:メリスロン錠、セファドール錠

抗不安剤:ジアゼパム錠、レスミット錠


* 疾患別治療

・末梢性前庭系めまい

 メニエール病では、治療の目的はめまい発作の頻度を減らし、難聴の進行をくい止める事が大切です。
〜イソバイド70〜90mL/日

 内服で発作が抑えられない症例には、鼓室内ステロイド注入が有効なことがあります。
 手術療法としては、内リンパ嚢解放術、内耳の部分破壊や完全破壊などがあります。

 前庭神経炎では一般的な急性期治療を行い、その後は中枢性代償を促すために早期に平衡訓練を行います。

 突発性難聴では一般的な急性期治療に加えて、ステロイド(プレドニン錠40mgから)漸減します。

 良性発作性頭位性めまいでは、急性期が過ぎたら、理学療法として積極的に“めまい頭位”をとることが勧められています。これには浮遊性耳石置換法が有効なことがあります。

・中枢性前庭系めまい

 椎骨脳底動脈循環不全では、その病態から低分子デキストランLやセロクールを用います。
椎骨脳底動脈系に一過性脳虚血発作を生じた症例は、その後の5年間で約25〜30%が脳梗塞を発症しています。

 慢性期にはバファリン81mg錠やパナルジン錠を用います。
高齢者の椎骨脳底動脈循環不全患者では高血圧を伴い、降圧剤を服用していますが、必要以上の降圧はめまいを誘発させるため注意が必要です。(150/90mmHg前後にコントロールするとよいでしょう。)

 脳底動脈片頭痛では、カフェルゴット、ミグシス(Ca拮抗剤)などが有効です。

・非前庭性めまい

 起立性低血圧によるめまいには、仰臥時の血圧上昇に注意しながらリズミック錠、またはメトリジンにより末梢血管の収縮を図ります。また、ドプスも有効です。

 全身疾患、心・血管系疾患については、原疾患に対する治療を行います。

関連項目 O.D.

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抗ウイルス剤によるめまいの治療

    出典:治療 2001.6  七戸満雄 (しちのへ内科医院)


 耳鼻科領域でのウイルス感染症であるRamsay-Hunt症候群は外耳道や耳介の帯状疱疹で、顔面神経麻痺を伴い耳鳴り、難聴、めまいなど内耳症状を合併することは古くから知られています。すなわち潜伏感染していた水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が遺伝子の形からウイルス粒子に変化し、第8脳神経と第7脳神経(顔面神経)を下降しその支配領域に病変を起こします。

 αヘルペス亜型はHSV1型、2型、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)に分類され、HSV1型は口疹ヘルペス、口内炎をはじめ全身に水痘を作りますが、主に上半身に、2型は主に下半身に水疱を作り性器ヘルペスを発症させます。 幼児期及び思春期に感染したこれらのヘルペスウイルスは、1型は主に三叉神経節、2型は仙骨神経節の神経細胞にウイルス粒子としてではなく、遺伝子の形で潜伏していることが知られています。

 またHSV型再活性化し第5脳神経(三叉神経)や第7脳神経を下降しその支配領域に水痘や麻痺(Bell麻痺)を起こすことは常識とされています。

 原因不明のめまい、耳鳴りは皮膚領域まで病変が及んでいない不全型のウイルス感染と考えることも可能です。

 しちのへ内科医院では、1990年〜1997年に301例の患者に抗ウイルス薬(アシクロビル)を用い、著効(めまい、耳鳴り消失)、有効(めまい消失、耳鳴り軽快)合わせて82%でした。

 原因不明の回転性めまいの多くはメニエール病と診断されますが、難治性です。これを第8脳神経へのHSVウイルス感染と疑い、アシクロビルを用いて治療を行う方法は一考の予知があると思われます。

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ハント症候群

 水痘帯状疱疹ウィルスの感染もしくはその再活性化により、(1)耳介、外耳道や鼓膜に疱疹が出現し、(2)末梢性顔面神経麻痺、(3)耳鳴・難聴やめまいの3主徴を呈したもの。

 必ずしもこれら3つの症状が揃わないものもあります。障害の程度にもよりますが、一般に、健側向きの水平ないし水平回旋混合性眼振を有し、急性期には吐気などの自律神経症状が伴います。蝸牛症状の程度もさまざまです。

 治療は、ステロイド・抗ウィルス療法と、障害を受けた第Z・[脳神経の機能回復と疱疹の処置、二次感染予防に向けられます。

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BPPV

 良性発作性頭位めまい症(Benign Paroxysmal Positional VertigoBPPV)は末梢性めまいのなかで最も頻度の高い疾患です。病態は耳石器から耳石が剥がれ、半規管に入り込んでめまいを起こすcanalolithiasis(半規管結石症)と、クプラに耳石が付着してめまいを起こすcupulolithiasis(クプラ結石症)と考えられています。

 耳石器から耳石が剥がれる原因はその大半が不明で、一部が頭部外傷、睡眠頭位、突発性難聴などほかの内耳疾患に続発して現れることが知られています。さらに、本症はメニエール病や中耳炎の経過中にも現れ、最近はBPPVの理学療法普及の一方、理学療法に抵抗する難治性BPPVも報告されています。

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メニエール病の生活指導

 メニエール病では健常者と異なる行動特性が認められているため、それにあわせた生活指導が重要です。報酬の少ない事象を減らすこと、ストレスを発散すること、他人の評価を期待せず、まず自分の満足できるライフスタイルを確立することです。

 具体的には、長時間労働者では、週のうち2日は早い帰宅、介護者では週1日は他人に代わってもらうことなどを実践してもらます。ストレス発散には、運動が最もよく、とくに汗を流すもので、水泳、歩行運動、エアロビクスなどが薦められています。これらの肉体運動は、熟睡を促すためにも有効で、仕事以外に、個人の自由時間を充実する工夫をさせることも重要であす。これらの生活指導により、めまい発作の消失が期待できるとされています。

 

 



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