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副作用についての考え方

1989年4月1日号 No.40

 

 

 

 副作用という言葉は、広く一般に知られており、社会問題としても話題になっています。
しかし一口に副作用といっても、患者側から見た副作用と我々医療に従事するものとでは
微妙な違いがあるようです。

 患者側から見れば、病を治す以外はすべて副作用と表現されますが、薬理学的に見れば、
その薬の持つ主作用とどうしても切り離して考えることのできない作用もあります。

 すなわち、主作用に対する別の作用(side effect)、好ましくない作用(adverse reaction)、量が多いことにより生じる作用(中毒)、与薬量と関係なく生じるアレルギーな
どもすべて副作用と表現されてきています。

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 薬理学での副作用の定義としては、「臨床上、人体に薬用量(添付文書に記載されている用法・用量)で使用した場合に起こる治療上好ましくない作用」とされています。

 したがって、添付文書に記載された以外の、用量や用法で使用された場合に現れる有害作用は、「事故」ということになります。

*添付文書の記載事項の重要性が示唆されます。

 また、患者が薬による副作用だと思いこんでいても、原疾患や様々な医薬品以外の原因の中から、被疑薬を特定することはかなり困難な作業といえます。

因果関係に基づく副作用の分類

*FDAでは次の4つに因果関係を定め、1と2を副作用としています。

1.Definite:時間的に明白な相関関係があり、再実験で陽性であり、検査所見で確認できるもの。
2.Probable
:時間的に明白な相関関係があり、中止により改善されるもの。
因果関係が50%以上とみられる。
3.Possible
:時間的な関係がそれほど明確でなく、他の原因も考えられるもの。
因果関係が50%以下とみられる。
4.Doubtful
:他の原因の可能性が大きいと考えられるもの。

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2000年追加記事

Karch,Lasagnaの分類)

1.Definite:highly probable
 a.与薬後、納得できる時間経過後に生じる反応
 b.疑わしい薬物の既知の反応パターンを示す。
 c.薬物の与薬中止で確認される。(与薬一時中止)
 d.薬物の再与薬で再現される。

2.Probable
 a.与薬後、納得できる時間経過後に生じる反応。または、体液あるいは組織中に薬物濃度が定着しているとき起こる反応
 b.疑わしい薬物の既知の反応パターンを示す。
 c.薬物の与薬中止で確認される。(与薬一時中止)
 d.患者の臨床状態の既知の特性によって合理的に説明できない。

3.Possible
 a.与薬後、納得できる時間経過後に生じる反応。または、体液あるいは組織中に薬物濃度が定着しているとき起こる反応
 b.疑わしい薬物の既知の反応パターンを示す。
 c.患者の臨床状態のまたは患者に施された他の治療法により起こり得る。

4.Conditional(
条件付,暫定的,仮定的)
 a.与薬後、納得できる時間経過後に生じる反応。または、体液あるいは組織中に薬物濃度が定着しているとき起こる反応
 b.疑わしい薬物の既知の反応パターンを示さない。
 c.患者の臨床状態の既知の特性によって合理的に説明できない。。

.Doubtful:上記の基準に適合しない反応

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<副作用の分類>

W.Modellによる

1.毒作用:用量依存性
2.薬物依存:精神依存、肉体依存(禁断症状)
3.耐性:酵素誘導
4.抗菌剤による二次的作用
  herxheimer反応:死滅した微生物から遊離した毒素による
  免疫低下作用
  菌交代現象
  ビタミン欠乏症
5.特異体質反応
6.Drug induced diseases:催奇形作用等
7.薬剤アレルギー

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2011.12
 追記

off-target副作用、on-target副作用

例えばドパミンD2受容体を遮断することで出現する副作用には、錐体外路症状、悪性症候群、誤嚥性肺炎などがあります。D2以外の受容体には抗精神病薬が作用することで惹起される副作用には、肥満などの代謝障害があります。

これをイメージで考えると、まず副作用は「コインの表と裏」といえます。コインの裏と表は切り離して分けることはできない表裏一体です。

抗精神病薬では表はD2遮断による抗精神病作用ですが、裏返すとD2遮断に伴う錐体外路症状があらわれます。

このような主たる薬理作用による副作用をon-targetといい、薬理作用が関与しない副作用をoff-target副作用といいます。


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有害事象と副作用の考え方

2007年10月1日号  No.461

 有害事象とは、医薬品が用いられた患者に生じたあらゆる好ましくない医療上の出来事で、必ずしも当該医薬品の使用との因果関係があるものだけをさすわけではありません。副作用は、医薬品に対する有害で意図しない反応をさします。

 初産婦と経産婦で胎動の自覚時期が異なるように、起こりえる副作用を認知しているか否かで因果関係の判断に違いが生じ得ます。

 副作用は発症時期、発症機序によって下記のように分類されます。

*発症時間
 急性 :服用 60分以内
 
亜急性:〃  124時間
 
潜在性:〃  2日目以降

*発症機序
 TypeA:薬理作用の延長、多くは予測可能で用量依存性。有害事象の2/3を占める。
  例:β遮断剤による伝導ブロック、抗コリン作用を持つ薬による口渇

 TypeB:特異体質あるいは免疫学的反応によるもの。稀だが、予測不可能
  例:クロラムフェニコールによる心毒性

 TypeC:薬剤の長期使用。蓄積性が関係
  例:アドリアマイシンによる心毒性

 TypeD:服用量に関係しない遅発性効果。発癌作用、催奇形性
  例:免疫抑制剤(発癌作用)、アマンタジン(催奇形性)

※ 副作用(有害事象)の頻度〜高齢者

 添付文書の副作用の項目に記載されている頻度は治験や臨床試験の結果に基づいていますが、残念ながらあまり副作用予測の参考になりません。実際に医療現場で遭遇する副作用は、薬剤の使用頻度と副作用の起こりやすさの積と考えられます。

 米国の外来高齢者患者で予防可能な副作用を起こした薬剤は、心血管系薬(24.5%)、利尿薬(22.1%)、NSAIDs15.4%)が挙げられており、副作用の種類では、電解質・腎機能(26.6%)、胃腸障害(5.9%)が多く認められています。

 長期介護施設ではワーファリン錠(15%)、非定型抗精神病薬(11%)、ループ利尿剤(8%)、麻薬系鎮痛剤(6%)、抗血小板剤6%などとなっています。

 わが国の大学病院のデータによれば、入院患者の9.2%に薬物有害反応がみられ、有害作用の関連因子は、疾患数、老年症候群の累積、服用薬剤数、入院日数、緊急入院、抑うつ、意欲低下でした。


<
副作用が多い医薬品>

・抗癌剤、心血管系薬、中枢神経系薬 *致死性有害事象の69

抗菌薬、抗凝固薬、降圧薬、NSAIDs・抗炎症剤、造影剤


因果関係の判断の仕方

因果関係の判断については、公式はありませんが下記のNaranjo有害事象因果関係判定スケールが有用です。


Naranjo
有害事象因果関係判定スケール                        点数
                                                        はい  いいえ    不明

1.この有害事象は副作用として報告されているか             +1   0    0

2.有害事象は被疑薬の服用後に発現しているか               +2   −1   0

3.有害事象は被疑薬の中断後に軽快あるいは拮抗薬           +1   0    0
  によって改善しているか

4.有害事象は再投与によって再現されるか                   +2   −1   0

5.有害事象を引き起こす可能性のある                       −1   +1   0
   (薬剤以外)の他の原因があるか

6.有害事象がプラセボによって引き起こされるか             −1   +1   0

7.血液(体液)中に中毒域濃度で薬剤が検出されるか         +1   0    0

8.薬剤の用量が増えた時に有害反応が増悪あるいは           +1   0    0
 減量時に軽減したか

9.当該患者は、以前に同じあるいは同種の薬剤で             +1   0    0
 同様の反応をしめしたか

10
.有害反応は客観的根拠によって確認されているか           +1   0    0


             合計点 因果関係の判定基準 (合計点)

               9  :可能性高い
               5〜8:可能性あり
               1〜4:可能性小
                0 :疑わしい

                         
{参考文献} クリニカルプラクティス 2007.8


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副作用の分類

2008年9月15日号 No.483

 医薬品の用量と発現までの時間の関係をもとにした副作用の分類については、古くは1920年代に、提案されており、現在は1970年代に提唱されたタイプA、Bに続いて、タイプC,Dがあります。
 全ての事象がどれか1つのカテゴリーに分類できるかというと、実際には非常に困難で、分類のみに頼ることはその後の評価や安全対策を誤る原因にもなりかねません。
 しかし、分類の考え方を知ることは、“副作用”の全体像を把握するのに有用であると思われます。


タイプA(薬理学的な副作用)Augmenyed pharmacological raction

 医薬品が本来持つ毒性や副次的な作用によるADR(注*副作用:下記参照)で、通常、用量に依存し予測可能です。原疾患や合併症、併用医薬品、食品などとの相互作用や、患者の遺伝特性により薬物の感受性が高い場合に起こる副作用もタイプAに該当します。

 タイプAの副作用のほとんどは致死的ではありませんが、タイプBなどに比べて発現頻度は高く副作用全体の8割を占めるといわれています。

 原因薬物の血中(もしくは組織中)濃度が下がるとたいてい副作用が消失するので、使用量の漸減や使用を控える、併用薬物を見直すことにより対応が可能です。

(例) 腎障害がある場合のジゴキシン中毒、SSRIによるセロトニン症候群、β遮断剤による徐脈、 三環系抗うつ剤による口渇、便秘、排尿障害など(抗コリン作用)、CYP2D6欠損の場合のノルトリプチリンによる錯乱など。

タイプB(特異的副作用)Bizarre reaction,idosyncratic reaction

 タイプAほど一般的でなく、発現予測できず重篤化することも多い。医薬品そのものの毒性よりも、個々の生体の感受性に依存します。タイプBが発現した場合には、使用を中止し、以後、当該医薬品を避けるべきです。

 タイプBの場合、多くは発現機序が不明ですがいくつかの機序が示唆されています。多くはP450酵素による代謝を通じて形成されたchemically reactive metabolites(CRMs)により媒介されていると考えられています。

 CRMsは生体内でハプテンとして、体液性または細胞性、あるいはその両方の免疫反応を引き起こします。またウイルスの存在が得的副作用を引き起こしやすくしているという報告があり、免疫が関与しているほか、最近のヒトゲノム研究によると、HMC(主要組織適合遺伝子複合体)が遺伝的に医薬品に対する過敏症を起こしやすくする要因ではないかと考えられています。

(例)アンピシリンを服用したEpstein-Barrウイルス感染患者の95%での発疹、過敏症症候群とHHV6、カルバマゼピン(テグレトール)による過敏症症候群など

<タイプB反応機序>

・薬剤変化〜トリプトファンによる好酸球増多
・受容体異常〜全身麻酔による悪性高熱
・薬物代謝異常〜イソニアジドによる末梢性ニューロパシー
・免疫系〜ペニシリンによるアナフィラキシー
・薬物相互作用〜リファンピシンとの併用によるイソニアジドによる肝炎の発現増加
・複合要因〜ハロタン肝炎

※タイプB:特異的副作用により影響を受ける器管

・ペニシリン:アナフィラキシー〜全身反応
      :間質性腎炎〜腎臓
・NSAIDs:中毒性表皮壊死症〜皮膚
・タクロリスム:心筋ミオパチー〜心臓
・エチレチナート:胎児の異常〜生殖毒性

タイプC Chronic reaction

 医薬品が体内に蓄積されたことに関連しているとされています。発現した場合、用量を漸減するか使用を控えます。

(
)NSAIDs(解熱・消炎鎮痛剤)の長期使用による腎障害、コルチコステロイドによる視床下部- 下垂体-副腎の抑制、ベンゾジアゼピン依存、鎮痛薬腎症など。

タイプD Delayed reaction

 通常、用量に依存し、医薬品服用後しばらくしてから症状が発現、または所見として確認されます。
発癌および催奇形性の作用もタイプDですが、変異原性試験や発癌性試験を承認前に行っているため、市販後にこれらの反応が確認されることは極めて稀です。

(例)ジエチルスチルベシトロールによる腟癌、発癌、遅発性ジスキネジーなど

その他(タイプA〜D以外)

タイプE End-of-treatment reaction
     Withdrawal reaction

タイプF Unexpected failure of therapy


 通常、副作用をADR(注*:adverse drug reaction)としてしますが、実際の英語“adverse drug reaction”は「医薬品に対する予期しない(望ましくない)(生体)反応」という意味でっそのためタイプEやタイプFのような分類がadverse drug reactionの1つとしてとらえられていると考えられます。

{参考文献}薬事 2008.7

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2011.4
 追加

タイプA:Augmented;増強された
  薬理学的反応に関連するとともに日常的に見られ、予測可能でかつ死亡率は低い。

タイプB:Bizarre;奇妙な
  薬理学的反応とは無関係に稀にしか起こらず、予測不能であるとともに死亡率が高い。
  使用中止すべき

タイプC:Chronic;慢性
  蓄積用量に関連して稀に発生し、対処法としては減量や使用中止を行うべきもの。

タイプD:Delayed;遅発性の
  通常は、用量に関連して、稀に発生し、催奇形性など時として対処が困難なもの。

タイプE:End of Use;使用中止
  薬からの離脱反応として稀に発生し、対処法としては再投与時に徐々に離脱させる。

タイプF:Failure;失敗
  用量に関連して稀に発生し、対処法としては薬を増量するなど。

 これらのタイプ分けは、未知の副作用の発見や、診断、予防への貢献、対処法の明確化など意義がありますが、全ての副作用がタイプA〜Fに明確に区別されるわけではなく、互いに重複する場合もある。

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DoTS:dose-time-susceptibility;用量-時間-感受性 モデルという新しい評価法が提唱されています。

 集積された症例を検討したうえで、副作用ごとに薬使用からイベント発現までの時間、薬の用量、感受性に注目し、時間をX軸、用量をY軸、発生割合をZ軸にそれぞれ割り付けて3次元モデルを構築するものです。

 その3次元モデルを感受性が異なる年齢、性別、疾患などの因子のレベルごとに作成することで、副作用の種類や頻度をより精細に可視化することが出来ます。

 このDoTSモデルの意義として、従来のタイプ分けと同様に未知の副作用の発見や診断、予防への有用性、対処法の明確化とともにPVP(医薬品安全性監視計画)策定にあたっても有用で、さらに医薬品開発や規制、モニタリング、リスクマネジメントなど、広範囲にわたって適応できると考えられています。


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ヘパリンロック

2003年1月15日号 No.352

 ヘパリンロックは、ヘパリンNaと生食を混合し調整したもの(ヘパリン生食液)のことで、シリンジで留置針および留置カテーテル内に注入し、内部をヘパリン生食液で満たす作業です。

 高カロリー輸液や末梢液の間歇使用時に、血管に留置された針と留置カテーテル内の血液凝固を防止する手技として、現在の医療に欠かせないものと言えます。しかし、その一方で、明確な注入量や至適濃度が示されていないのが現状です。

 血液の逆流がほとんどないデバイス(クローズドシステムで陽圧ロックできる場合)では、生食のみのロックでよいとする報告が増えています。逆に、採血目的で故意に逆流させた後のロックは、ヘパリンが低濃度であっても必要とされています。

 国内では三方活栓に延長チューブを連結させた器具の使用が多く、1回のロック中に、体動などによる頻回の血液逆流が発生しているものと考えられます。この場合、かなりの濃度のヘパリンが必要と判断されますが、全国的な調査では10〜100単位/mlのヘパリン生食液が使用されています。

 体内では血漿濃度として0.3単位/mLがヘパリンの有効濃度とされ、さらに輸血・採血では5単位/mLになるように添付されています。血液逆流後の留置カテーテル内へのヘパリンもこのレベルの濃度が必要と考えられます。

 しかし、留置カテーテル素材や逆流の血液動態(特に赤血球の移動の有無)、さらに希釈された血液の凝固能などの因子が複雑に影響を及ぼすものと考えられ、正確な必要量を算出するのは困難です。

 あらゆる血液の逆流に対してロックの開存性を高めるには、ある程度高濃度ヘパリン(100単位/mL)必要とされています。

 10100単位/mL程度のロックに使用されているヘパリンでは、本来の薬効による出血傾向を心配する必要はありませんが、まれに血小板減少症が発現することがあります。

 <ヘパリン生食液の注入量>

 10単位/mlのヘパリン生食液を使用する場合、事前の生食フラッシュの有無に関わらず、この製剤を留置カテーテルと付属デバイス全体の容積の2倍(2Vo)注入すればよいでしょう。留置カテーテルが20G以上の細さになるときは、100単位/ml製剤の使用が奨められています。

 注入量は留置カテーテルと付属デバイス全体の容積の2倍、あるいは体内流入ヘパリン量を勘案して留置カテーテルと付属デバイス全体の陽性と同量のどちらかを選択すべきと考えられています。

 100単位/mlを留置カテーテルと付属デバイス全体の容積と同量(1Vo)注入したとき、留置カテーテル内のヘパリン濃度は約50〜80単位/mlです。

 注入量は留置カテーテルと付属デバイス全体の2倍(2Vo)、あるいは体内流入ヘパリン量を勘案して留置カテーテルと付属デバイス全体の容積と同量(1Vo)のどちらかを選択すればよいでしょう。

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 ヘパリンの使用量を減らしたい場合は、ヘパリンの濃度を下げるのではなく、付属デバイスの容積がより小さい器具と太めの留置カテーテルを選択し、100単位/mL程度のヘパリン生食液を少量注入することが提案されています。

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 カテーテル内への血液逆流の起こるのは、外圧による延長チューブの変形が主たる原因です。

 チューブが押しつぶされ、中のロック液が血管内への流出の後、形状を回復したチューブ内が陰圧になるため、血液が逆流します。留置カテーテルの細さ、チューブの大きさや柔らかさは、ともにロックの開存を妨げる方向に働きます。

{参考文献} テルモ資料     水谷義勝(中部労災病院薬剤部長)


2003年1月15日号 No.352

医学・薬学用語解説(ツ)  ツベルクリンの種類はこちらです。

 

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