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シャーリ、ドイツへの道 (近いうちに見やすくページ変更します!)
「シャーリも連れてドイツ行こうかな。」そんなことを考え始めたのは4月の後半でした。
2004年の法改正により、日本への犬の輸入に関する検疫制度が変わり、これまで帰国時に2週間空港で係留されていたのが、事前の準備を行えば省略されるという扱いに変わりました。
(詳細は、動物検疫所のホームページの「犬等の新しい検疫制度」で確認できます)
5月に入って、準備をしてみよう、と思い立ち、それから2ヶ月間は、必死の手探りで準備を行いました。
なにしろ先例がほとんどないのです。誰に何を聞いてよいかも分かりません。やっと見つけたコンタクト先からも細心でない情報が提供されることがありますます混乱したときもありました。
ドイツへの道の詳細はこちらからどうぞ⇒ドイツへの道−準備編.
法改正後の検疫制度は、厚生労働省が指定した指定地域(狂犬病の発生のない国・地域)から犬を連れてくる場合と、指定地域以外から犬を連れてくる場合に区別されています。
指定地域からの犬の輸入の場合、マイクロチップによる個体識別などの必要事項が記載された輸出国政府機関発行の証明書があれば、12時間以内の係留期間となる一方で、指定地域以外から犬を連れてくるときは、輸出国政府機関発行の証明書で輸出国でマイクロチップによる個体識別、狂犬病予防注射と狂犬病の抗体価の確認、輸出国での180日間の待機を行ったことが確認できる場合は、12時間以内の係留期間となり、 それ以外の場合は180日間の係留期間となります。
法改正によって犬との旅行が簡単になったとか、外国から犬が輸入しづらくなったとか、色々な情報、うわさが飛び交い、よく分からなくなって、シャーリかかりつけの成城の獣医さんに相談したところ、動物検疫所に直接問い合わせることを薦められ、同時に獣医さんの方からも動物検疫所に確認をしてくださいました。
【シャーリがドイツに行って日本に帰ってくるには】
なにしろまだ法改正後間もないので、先例も少ないのです。動物検疫所に質問をするときには、できるだけ、具体的に。シャーリの場合、行き先はドイツ。滞在期間は1〜2週間。渡航日程は、今年の夏。この条件で聞きました。
シャーリが一緒にドイツに行って一緒に日本に帰ってくるには、
@マイクロチップの注入
A2回の狂犬病予防接種(但し、1回目と2回目は30日以上間をあけること)
B厚生労働省の指定する機関における抗体価検査において一定の数値(0.5IU/ml)をクリアすること
C帰国日の40日前までに検疫所に帰国日について連絡をすること
D帰国前に、ドイツでマイクロチップによる個体識別等の必要事項が記載された輸出国政府機関発行の証明書を取得すること
という手続きを踏めばよいことが分かりました。
でも・・・動物検疫所のホームページでは、前述の通り、「指定地域以外から犬を連れてくるときは、・・・(中略)・・・輸出国での180日間の待機」が必要なはず。それって、ドイツへの180日以内の旅行には犬連れで行くと、帰国時に12時間以内の係留機関の恩恵にあずかれないってことでは?????不安になって、直接動物検疫所に問い合わせたところ、日本から犬を連れ出して、また日本に戻る場合180日の待機期間は必要ないとのこと。
その後ホームページを隅々まで探して見つけました!
日本から海外への犬、猫の持ち出しについて
http://www.maff-aqs.go.jp/ryoko/newquarantine/systemqa/dogcatqaex.htm#ryoko
=====以下動物検疫所のHPの「よくある質問Q&A 日本から海外への犬、猫の持出しについて」から抜粋====
3.短期間の旅行
Q:短期間の海外旅行に犬(猫)を連れていきたいのですが、出入国時に検疫を受けなければならないのですか。
A:短期間の旅行であっても、海外に犬(猫)を連れていくときは輸出検疫を、日本に帰国するときは輸入検疫を受けなければなりません。
旅行先が指定地域(狂犬病の発生のない国・地域)以外の場合(注:←シャーリのケース!)
帰国予定日の40日前までに到着予定空港の動物検疫所への届出が必要です。なお、輸出検査時に国内で実施した
@マイクロチップによる個体識別
Aマイクロチップ装着後の2回以上の狂犬病予防注射
B2回目の狂犬病予防注射後に採血した血液について測定した狂犬病抗体価(0.5IU/ml以上
についての証明を提示していただければ、その内容を輸出検疫証明書に記載します。中和抗体価測定のために採血した日から2年以内の帰国であって、この輸出検疫証明書のほか、輸出国政府機関発行の健康証明書を取得されていて、記載内容に問題がなければ、帰国時の係留期間が12時間以内となります。犬(猫)を連れて海外旅行を計画される場合には、事前に余裕を持って動物検疫所にご相談ください。
=====抜粋おわり====
とにかくこれで手続きは分かりました。
【なにはともあれマイクロチップから】
なにはともあれ、マイクロチップを注入しないと始まりません。
というわけで、シャーリは2005年5月14日、マイクロチップを入れてもらいに行きました。
いつもお世話になっている成城の獣医さんのところで、前に聞いたら、特に予約も必要ないとのことで、
丁寧な説明を受けて、普通の予防接種を受けるような感じですぐ終わりました。

↑マイクロチップ注入直後のシャーリ。特に痛がることもありませんでした。
これで迷子になって鑑札が取れてしまっても安心だし(保健所にもマイクロチップリーダーがあるから個体識別可能)、海外旅行にだって一緒に行けるようになるのなら、どのわんちゃんにもお勧めしたいですね。
マイクロチップは、直径約2mm、長さ約10mmのガラス製の筒状のものだそうで、
注射器のようなもので皮下5-10mmのあたりに注入します。
↓真ん中がマイクロチップ注入セット。右の袋に入っていました。
左端のはマイクロチップの情報を読み取るリーダーです。最も小さいタイプだそうで、
獣医さんや検査機関によって様々な大きさのリーダーを使っているそうです。 
マイクロチップを入れる場所は肩甲骨のあたり。シャーリのエリマキから少し右背中側。
ただ、マイクロチップは注入後、左右にずれることがあるそうで、獣医の先生の犬の場合、
右肩に入れたのに、左肩の方へ移動していたとか。リーダーで読むときには「ピ!」という
音がしてマイクロチップの番号が表示される場所を探すのですが、右肩に入れたのに反応
がない場合は、他のところも探してみないといけないんですね!実際の注入はあっという間でした。

そしてリーダーがシャーリの肩の上を通過すると、「ピ!」と言ってリーダーに番号が。
ちゃんと機能してます!これで迷子になっても見つけてあげられるね!
マイクロチップの注入の費用は3,000円でした。思ってたより安いんですね。
今後ますます普及して、飼主さんと離れ離れになった、または無責任な飼主さんに放棄された犬が減ると良いのになぁと思いました。
【狂犬病抗体検査】
今日は、マイクロチップを注入できたので、これに続いて狂犬病の注射もしてもらいました。
30日後、再度注射を打ち、血液中の抗体価の検査をする機関へ血清を作り、検査機関に抗体価検査を依頼することになります。シャーリは6月18日に2回目の狂犬病注射をしに行くことにしました。
検査については,、厚生労働省が指定する機関での検査が必要です。これまでは外国にしかなかったので、
検査の手続きも大変だったようですが、日本(神奈川県)で検査を受けてくれる機関ができて、便利に。
詳細は(財)畜産生物科学安全研究所のホームページの「犬・猫の狂犬病抗体検査に関するご案内」へ。
6月18日に2回目の狂犬病注射をしてもらうことにして安心していたけど、狂犬病の抗体検査をしてもらうための血清は、2回目狂犬病注射後、すぐに作れるんだろうか?ふと思って、獣医さんに聞くと、血清は、頑張れば血液を採取した日のうちにも作れるけれど、検査機関に送るための血清は、狂犬病の注射を打ってから3〜4週間後作って検査機関に送るんですよ、と説明を受けました。3〜4週間後?
6月18日 2回目狂犬病注射
7月17日 4週間後に血清をつくり、検査機関へ送る
7月29日 検査結果がでる
シャーリのドイツ行きは当初7月17日と思っていました(その後7月19日に変更)。7月17日はやっと血清が作れる日ではないですか。間に合わない???
あきらめきれずに5月16日、直接(財)畜産生物化学安全研究所の企画調整室に問い合わせをしてみました。すると、意外なことが。実は、シャーリはマイクロチップを入れる前の4月に、例年通り、狂犬病の注射を受けているのです。つまり、6月18日に受ける予定の2回目の狂犬病注射の時点ですでに2回狂犬病の注射をしていて、この時点ですでに抗体価があがっているだろうということを教えて頂いたのです。マイクロチップを入れる前にしてしまった狂犬病の注射は無駄になってしまったなぁと思っていたけど、いやいや、こんなところで威力を発揮してくれたのでした。
6月18日 2回目狂犬病注射
6月20日 すぐに血清をつくり、検査機関に血清送付
7月1日 検査結果が出る
上のようなスケジュールで間に合うことが分かりました。ちなみに、抗体価が0.5IU/mlを下回る例は200例中2例だけで、これは狂犬病注射を前年度に1回のみ受けていた場合であったそうです。それから、ホームページで、血清を受領後12日以内に検査結果が出るとあるのは、連続した12日であって、12営業日ではないことも教えて頂きました。分からないことだらけで、ひとつひとつ聞いては前進の繰り返しです。
次は帰国の40日前までに提出しないといけない届出のために、フライトを確定しなければ。
5月18日に手配したところ、往路は取れましたが、復路の第1希望日はウェイティングリストになりました。
今回はマイレージを使ってANAで渡独予定ですが、ANAでは国際線では、縦50cm×横40cm×高さ25cm以内のケージに入れるペットは、機内持ち込みができます。(詳細は、ANAホームページの「ペットについて」で確認できます)ただ、注意すべきことは、機内持ち込みにできるペットは1飛行機につき1匹なので他に先約があるとその飛行機に乗ることができません。今は、まだまだペットと一緒に海外旅行する人が少ないですが、将来的には予約手配時にその飛行機にはもうペットの予約が!なんてことが起こるかもしれないですね。
ペットは超過手荷物料金を支払わなければなりません。これは飛行場でチェックイン時に払いますが、ドイツの場合、大体、1kgあたり6千円とのことでした。もちろん、ケージ込みの重さです。また、ケージは、ハードケージでなくても、ソフトキャリーバッグでもOKとのことでした。飛行機の中では食事を与えることは禁止、水を与えることはOK、ケージから出すことは禁止、とのことなので、安全に、長時間、入っていられるものであれば問題ないとのことでした。
ANAの飛行機を手配したときに、ドイツ入国時に必要な書類については、在日ドイツ大使館に問い合わせてくださいと言われたので、在日ドイツ大使館領事部(03-5791-7753)に5月19日に問い合わせてみました。
ドイツの入国時に必要なのは、
@大使館のHPから入手できるフォーマットによる獣医師の証明書⇒Einfuhr von Haustieren nach Deutschland
A日本出国時に成田空港で発行される証明書
ドイツを出るときに必要な手続きについては、直接フランクフルト空港の動物検疫所に問い合わせてくださいと言われました。次はこれを調べなくては。
【ドイツへの入国方法、そしてドイツからの出国方法】
5月23日にフランクフルトの動物検疫所に出したメールへの返事が返ってきたのが5月30日。それによれば、「日本はEUのリストに掲載された国ではないのでドイツへの入国は簡単です。あなたの愛犬はタトゥーまたは(より好ましいのは)マイクロチップで個体識別が可能であること、さらに、有効な狂犬病予防注射済みであること(30日以上12ヶ月以内)、そして獣医による証明書を取得済みであることです。サンプルを送りますので、官庁の権限のある獣医に発行してもらってください。」メールはさらに続きます。「それよりも心配なのは、日本に帰国する際のことです。ドイツは狂犬病の発生していない国ではないので、日本に着いてから検疫所での180日間の待機期間が適用になります。」さらに、アドバイスが続きます。「日本への帰国時の条件が整わないのなら、どうか、愛犬を連れて旅行に出ることはおやめになってください。」
180日の待機期間は私だって避けたい!
日本から出て短期間でまた戻る場合についての情報がドイツの検疫所にまだ届いてないようでした。
それはいいとして、メールには気になるこんなくだりが。「ドイツに滞在中に獣医のところで健康診断証を発行してもらうことはできますが、検疫用の証明書は誰も発行できないでしょう。」
なに?証明書が発行できない?シャーリの帰国に必要なんですが。
日本からドイツに旅行に行ってまた戻る場合は180日の待機期間が必要ないと説明するとともに、さらに問い合わせます。日本の検疫所推奨のフォームAとフォームCを送って、これが帰国時に必要なんですが、ドイツでこれを発行してもらえるのでしょうか?「フォームAは滞在先の獣医が発行できます。フォームCは空港でサインしてもらえると思いますが、Amttierarztにアポイントをとって確認してください。」
Amttierarztって日本語ではなんと言うのでしょう。Tierarztは獣医。Amtは官庁。普通の民間獣医ではない、公職の獣医さん。でも、どこにいるのかもよく分からない。でも、その獣医さんに会えないと証明書が入手できない!
というわけで、必死で助けを求めたのが、今回たずねていこうと思っているAschaffenburgの犬学校の代表、Petra。「証明書が手に入らないと言われたの。助けて!」Petra自身がAschaffenburgの検疫課と日本大使館とに連絡を取ってくれて確認できたことは、@180日の待機期間が必要(大使館へコンタクトして、誤解であったことを後日確認)、そしてAAmttierarztがAschaffenburgにいること。
よし、Amttierarztとアポをとるぞ!
【滞在場所の確保】
準備している間にふと気付いた。あれ、ホテルとってなかった。以前犬学校のPetraに紹介してもらっていた、AschaffenburgのホテルAltes
Suedhaus。シングル1泊38ユーロは激安。滞在予定は11泊。6月10 日に早速メールをして、「犬と一緒にとまりたいのですが、あきはありますか?11泊するので特別料金をご提供いただけると嬉しいです!」その日のうちに返事が返ってきた。「あなたと愛犬を歓迎します。犬は通常4ユーロですが、犬料金込みで1泊40ユーロでいかがですか?」犬もあっさりOKされた。それも4ユーロか実質1ユーロになった。シャーリ、130円でホテル一緒に泊まれるよ!と喜びつつ、御礼のメールを返信しました。これで滞在場所も確保できました。
【帰国40日前までの届出】
そろそろ帰国40日前までの検疫所への届出しなくちゃ。
40日前までに帰国便が決まらない状況(ウェイティングリスト)なので、検疫所に確認をして、可能性のある帰国日の中でもっとも早い日の40日前までに届け出ること、後から帰国日が変更になった場合は、変更届を出すことで変更を行うこと、ということを確認したので、とりあえず、もっとも早い帰国日7月31日で届け出ることにしました。6月15日、届出をFAXで送信。いつの間にかインターネットでも申し込めるようになっていましたが、わたしはせっかく準備したし、備考欄に2回目の狂犬病注射と抗体検査がこれからであることと、帰国便がまだ変更されるかもしれないことを記載したかったので、FAXにしました。念のため、メールで送りましたと連絡も入れました。
【Amttierarztz】
AschaffenburgのAmttierarztとやっとメールで連絡がつき、帰国時に必要なFormAとFormCの両様式の証明書を送り、アポ希望日を申し込みました。6月17日、これに対して返事が来て、アポはドイツに行ってからでも、直前の予約でOKとのこと。また、狂犬病の抗体価検査の結果を英語でもらうようにとの連絡がありました。ホームページを見ると、英語版もありました。これを使えばいいのね。
【2回目の狂犬病予防注射と血清】
6月13日、獣医さんのところで相談したように、6月18日の朝、シャーリと獣医さんに行き、2回目の狂犬病注射を打ち、それに続いて血液採取、それを血清にしてもらい、夕方4時半頃取りに行きました。その際に、検査申込書、ドイツ入国時に必要な書類にサインを頂きました。できあがった血清は黄色味を帯びた液体で、これを夕方クール宅急便で検査所へ発送しました。

出発までもう少しで1ヶ月。着々と準備は進んでいます!
【狂犬病抗体検査の結果】
7月1日、予定通り、抗体検査の結果が速達で届きました。0.5IU/mlを下回ってはいけません。おそるおそる検査結果を開くと、7.8IU/ml。高い数値なのかどうかの判断もつかないけど、とにかく0.5IU/mlは超えたからOK!
次は、AschaffenburgのAmttierazrtに検査結果の用紙と、6月18日に獣医さんにサインして頂いた書類をスキャナーで読み込んで送り、これで、大丈夫かどうかを聞いてみなくては!
そして、7月に入ったので、そろそろウェイティングリスト中のフライトをFIXしてしまわなくては。それによって成田の検疫所へ変更届、あとAschaffenburgでの滞在ホテルに変更が必要になるかもしれないし。
出発まであと20日切ってしまいました。
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