〈プランを立て、イメージを練る〉
全体のスタイルは、アフリカのプリミティブアート(原始美術=この訳語は好きではありまぜんが)を基本とし、それに少し南米風の宇宙的な色付けを加える事にしました。
アフリカの土俗的なスタイルだけでは、演出の「明るく、軽く」という意図に反して重くなってしまうからです。
それに、せっかくですからカリブ海の持つイメージを、何処かに反映させたいではありませんか。
人形の形式は、一本棒の棒杖人形、いわゆるロッドパペットです。
少人数で2体持ちをする必要がある事、立絵人形のような軽快さを出したい事、などからです。
〈イメ―ジ・スケッチ〉
(図)に、各登場人物のイメージスケッチを掲げます。
アナンシは、木偶のような感じで、顔も平たいお面のようです。
歩く時も顔は客席の方を向いて、横歩きしそうに思えたのです。何故だか、理由は自分でも分かりません。
横や後を向いたときに、後頭部が無いと、人形が生きているように見えないのですが、しっかりとボリュームを付けてしまうのはイヤです。
そこで、中空の後頭部を作ってみました。
性格は、主に顔で表すしかありませんが、「いたずら好き」にしては、少し弱かったでしょうか…?
首をバネにした事で、頭がヒョコヒョコしたり傾いたりして、人をバカにした感じが表現出来たと思います。
魔法つかいの5は、レゲエのミュ―ジシャンのイメ―ジをディフォルメした事だけ記して、他の人形についての説明は省略しますが、ひとつだけ、アヒルのおくさんの目について書きます。
この目には、からくりを付けました。ぶだんは瞼が下っていて、糸を引いたときに大きく開くように、したのです。
もちろんこれは、台本の
「おくさん!もっと目を開いて良く見て!」
のセリフに依ります。
〈製作図面〉
イメ―ジ・スケッチの段階で、重要な事柄はすべて決めておきます。
製作図面は、実作業の第一歩で、現寸大で正確に描きます。
構造や材質などもこの段階でしっかりと考えておきます。
参考までに、「5と言ったらサツマイモ」の人形の写真を載せておきましょう。この3造型篇は、2構造篇、1素材篇に比べて大変短くなりました。
追求すればキリが無い問題であり、また、結局は、文字を並べるより、私達自身が人形を創って行きながら、探るべき事柄なのです。前