発酵用ヒーターBOX

寒い季節や気温が不安定な時期は発酵温度を一定に保つのが難しいですね。
ビールつくりの温度管理で「ホットクッション」や「ソフトアンカ」を使った方法を紹介していますが、今回は熱帯魚用ヒーターを使っての発酵用BOXを紹介します。

ヒーターで暖めている水の中に発酵容器ごと入れるタイプで、温度ムラも少なく、実測値ではプラスマイナス1度という安定した温度を保っています。

  


容器サイズは15から25リットルに対応しています。
15・20リットルではオプションのエアーロックを取り付けたままでもOKです。

              

 

作成に必要なもの・準備するもの

 

コンパネ(ベニヤ板)の12mm厚を使用。180cm×90cm 1枚
サンドペーパー 接着面に使用しますが、切り口がきれいな場合は使わなくても可。
接着用品 シーラントとコーキングガン 仮止め用の梱包用セロハンテープ
くぎはスクリュークギ38ミリの物を44本使用。下穴用のドリルと刃直径2ミリ。
補強金具 糸50から60ミリ程度のL型金具を4つ。木ネジは13ミリを必要量使用。
底用クッション材 スポンジゴム 厚10ミリ 縦横20センチを2枚使用。
貼り付け用に両面テープを必要量。
塗料 無塗装の板を使った場合は内側には必ず使って下さい。油性のニスがいいですね。
保温ヒーターと
容器置き台
熱帯魚用の温度調節付100ワットを一つ。カメ用は温度のぶれが激しいので不向きです。
容器置き台は5センチ程度の高さで穴が開いているもの。
その他 エアーロックやコックキャップなどがあれば便利


1.まずは三面図

サイズは横400mm 奥行き426mm 高さ513mmの立方体です。



正面板を黄色、側面板を緑色、底板をグレーで表しています。

板厚は12mmですが、接着部分を1ミリとし、上で1ミリ 左右で2ミリ増やしています。

なお25リットル容器でエアーロックを使いたい場合には、高さを80mmアップすればいいでしょう。



2.板取図とカット図(右の画像は180度回転させて見てください)

ホームセンターで安く売っている3*6サイズ(180センチ*90センチ)をカットしてもらうのが楽です。
今回は、コンクリートの枠用で、片面に黄色の塗装がしてあるものを使いました。
これですと水漏れ防止用のニスを内側に塗らずに済むのでかなり楽です。
今回使うのは黄色の6枚のみとなります。

 

 

3.接着の準備

シーラントとコーキングガン それと仮止め用の梱包用セロハンテープを用意します。
木工ボンドは乾くと隙間ができ、水漏れの原因となるので今回は全てシリコーンシーラントを使います。

 

 



シーラントの色はクリアを使用しました。
材質はいろいろなタイプがあり、物によっては塗料面は接着しないものもあるので、事前にパッチテストをしておいたほうがよいでしょう。

接着する面に5センチほど出し、1−2日おいてくっついていればOKですね。

材質によってぷりっとはがれるものや、なかなか乾かないタイプもありますよ。


4.側板へのシーラントの貼付け

まず最初に側板4枚を接着します。
平らな所に板を立て接着する面を確認しましょう。
シーラントのノズルを回して取り、内部のシールをはがしてからノズルを再度取付け、

先端を5ミリほどカットしコーキングガンにシーラントを入れれば準備完了です。
接着したい両面にシーラントを貼付し、慎重に貼り合せます。
 
          

同様の手順で全ての側板を貼り合せます。



5.はみ出したシーラントの処理とセロハンテープでの仮止め

外側にはみ出しているシーラントはへらなどで取り去ります。
内部のはみ出しは指裏でなぞって、角部分を埋めていきます。
シーラントのはみ出し量が少ない場合はつけたして下さい。
処理が終わったら、接着部分を各辺につき4箇所梱包用セロテープで仮止めします。
上板を載せ、角が90度になっていなければ修正します。

   

 


セロハンテープを使っているのは、後でその上から直接クギ止めするからですがクラフトテープでもかまいません。

 

6.底板の貼付け

本体を180度回転させ、下になっていた部分を上側にします。
シーラントを側板と底板につけ、貼付けます。
はみ出したシーラントは5.と同様に外側は取り、内側は角部を埋めます。 
 
   

 

 
貼り終えた底部は、仮止めテープで接合部を覆う形で止めます。
その後上下をひっくりがえし、上板を載せて1−2時間そのままにし、ある程度接着させます。

 


7.クギで固定させます。


まず側から止めていきます。
側は上から4・10・20・30・40・46センチの位置をマークし、直径2ミリのドリル刃で下穴を深さ2センチ程度開けます。
板がずれていないかチェックし、ハンマーで打ち込みます。
側が終わったら底板を上にして、同じように4・10・20・36センチの位置にトリルで下穴をあけ、クギを打って下さい。

  




スクリュータイプは緩みにくいのでお勧めです。
今回使用したものは、頭が平らではなく台形状になっているため、ほとんど目立ちません。(長さは38ミリ程度のもの)

板厚は12ミリですので、中心にクギが入るように注意して打ってください。


8.補強します。

L金具を使って、上部の隅の外側を補強します。
これが完了しましたら、シーラントが乾くまで、約2日程度そのままにしておきます。

 
 

木ネジは13ミリを使用。
ネジ穴がつなぎ目にあたる場合は裂ける可能性がありますので、その部分はネジ止めしないようにして下さい。

底部分に補強金具を取り付けないのは、ネジ部分から水が漏れる可能性が考えられる為です。

 

 

9.底にクッション材を貼り付けます。

 

底の圧が均一に床に伝わるように一つのゴムスポンジは4等分にカットし、両面テープで4隅に取り付けます。
もう一枚はそのまま底の中心部に両面テープで止めます。

 

10.底にクッション材を貼り付けます。

 

底の圧が均一に床に伝わるように一つのゴムスポンジは4等分にカットし、両面テープで4隅に取り付けます。
もう一枚はそのまま底の中心部に両面テープで止めます。

 

両面テープは全面に貼る方が、剥がれる不安がないのでそのほうがよろしいでしょう。

ゴム足など、ネジを使って止めるものは水漏れの原因となりますので使わないで下さい。

 


 

11.塗装します。

 

内側に塗装とかされていない普通のベニヤ板を使った場合は、この時点で塗装します。
油性のニスがいいですね。
シーラントを貼付してから塗るのは、塗料による接着面の水漏れの可能性を出来るだけ少なくする為です。
外側に関しては、最初の板の段階から塗ってもかまいません。
塗装した場合は、しっかり乾かして下さい。



12.ヒーターと発酵容器用台の取付け。

 

底にヒーターを取付けます。
発酵容器に直接あたらないようでしたら、かっちりと固定させるまでもないでしょう。
ヒーターの上に発酵容器を乗せる台を置きます。
ヒーターに当たらない様に5センチ程度の高さが必要ですね。


 

置き台は鍋敷き状のものですが、高さは5センチ程度ないとヒーターに当たってしまうので注意して下さい。

今回使ったものは、当店で以前販売していた発酵容器用キャスター付の置き台です。

 

 


 

13.ヒーターのコード用の穴をカット。

 

このままではヒーターコードがあたって、上板がかっちりと閉められませんので、任意の場所をカットします。
ジグソーの円切り刃が使いやすいですね。

 

本体を壁にぴったりとつける場合は、上板をカットするのがいいでしょう。
ぴたっとつけないのであれば、側板の方に開けてもかまいません
。(最上部ですので、そこまでは水を入れませんから)

 



14.水を入れます。

 

水漏れがないかチェックします。
9割程度まで水を入れて、1日おいてみて水漏れがないかみてみましょう。

 

実際の水の量は、発酵容器の容量と仕込み量によって変わってきます。
要は発酵容器の水面より必ず下に位置するように水を入れることになります。
でないと発酵容器に浮力がついてしまって、傾いてしまいます。

なお水抜き用の穴は開けていませんので、水を抜く場合は、ハンドバケツを使うか、お風呂用ポンプを使うといいですね。



15.完成

 

水漏れ等がなければOKです。
発酵容器を設置し、容器の水面の下あたりまで水をはり、ヒーターをつければ完成。
上は20リットルの専用発酵容器にエアーロックを取り付けた状態のもの。
下は25リットルの専用発酵容器を入れた状態です。

 

 

 

 

中に入れる水の温度はヒーターに急な負担がかからないように20度程度の温度が理想ですね。
また専用発酵容器についているシール温度計は防水ではないので取り外しておきましょう。
コックの口にはコックキャップをつけると雑菌の被害も少なくて安心です。



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