
読感07年上半期
07/1/7読了『四季 春』
なかなか複雑なつくりでよかったです。
天才に対する描写が好きです。
「他人を理解させることが極めて面倒だということを、彼女は早い段階で気がつき、そしてす
っかり諦めてしまったのだ。」(p.109)
「いえ、ああいうわかりやすさこそが、大衆に受け入れられる。」(p.111)
「ロボットになりたい。
コンピュータになりたい。
そんな思いが、僕を急速に支配する。こんなふうに考えること自体が、面倒なことの一つ。
これだから、僕は駄目なんだ。無駄なことを考えすぎて、壊れそうになる。」(p.120)
「いろいろな立場の人間が、自分の役目を持っていて、その役目が遂行されることに意欲を
燃やしている。不思議な団結ではないか。人間の習性としかいいようがない。」(p.151)
07/1/8読了『富士山風雲禄』
大変きれいで気に入りました。
07/1/13読了『四季 夏』
なかなかよかったです。
我々の躰もまた、参加に対する重鈍性によって生かされているのだ(p.135)
無駄な話でも、話すという行為に意味がある。言葉を交わしている、つまり送信と受信が可能
な状況を確認する意味はある。(p.180)
(p.261)
「病気なんだからしかたがないよ」
「病気?」
「人間っていう病気にかかっているんだ、みんな」
07/1/22読了『飲酒運転追放マニュアル』
論点が整理されていて、なかなかよかったです。啓発用図書として有用だと思います。自転
車は保険制度が整っていない為、深刻な事態になりやすい(p.21)といった点や、お酒に飲まれ
てしまいがちな人を組織としてどう助けていくか(p.75)といった点など、提示されている課題に
どう取り組むかに迫られていくことになるでしょう。
(p.3)
誤:…あたなの飲酒運転に対する考え方
正:…あなたの飲酒運転に対する考え方
(p.19)
誤:…さらに運転者、同乗者全員に3年以下50万円以下の罰金の処分となったのである。
正:…さらに運転者、同乗者全員は3年以下の懲役もしくは禁固または50万円以下の罰金
の処分となったのである。
2007/2/1読了『阿弥陀経の話』
阿弥陀経はこの本によると大乗仏教系の経典ようです。極楽について述べられているようで
すが、極楽がどんなところかについては、どうでも良いように思います。
ここでの主眼は、最もすばらしい場所・すぐれた人々のいる場所にいくように発願するべきで
あるという点だと思います。すぐれた人々に会うことができるということは、すぐれた人々と会話
をするということであり、どんな会話をするのかを想像することであり、そうした会話をすること
のできる能力を身に付けることである。
そうした目標をたてて、そしてそれが叶うよう修行をしていこうということを、大乗仏教をベー
スにして論じたものが阿弥陀経であると、自分は受け取りました。
この「応当発願 願生彼国 所以者何 得与如是 諸上善人 倶会一処」という部分は、少し
気に入りました。
2007/2/1読了『般若心経の話』
般若心経については岩波文庫からも出ていますが、少し分厚くて読む気がしなかったので、
少し軽めの本を読みました。
仏教における修行についての自分の理解は、執着を捨てるということです。その認識に立つ
と、般若心経はそうした仏教の上座部仏教的な側面が強いと感じます。
「無無明亦無無明尽 乃至無老死 亦無老死尽」といった矛盾を、心の中で解決することが
できるのかはわかりませんが、こうしたことを一人の人間の中に抱え込むことのできることは、
天才の一種であろうと思います。
2007/2/1読了『恋愛白書』
文章が少し稚拙な感じがありますが、それでもいいと思える内容です。
2007/2/17読了『鏡の法則』
なかなか良かったです。但し、どうして問題が解決するかについての細かい理屈は述べられ
ていないように受け取りました。ショートストーリィとしては抜群だと思います。
2007/2/17読了『すぐわかる資格ガイド 税理士』
なんとなく気になって読んでみました。
2007/3/1読了『算数・数学が得意になる本』
よく整理してありすばらしいと思います。定義に忠実な心(p.65)の重要性は、数学だけの問
題ではないと感じました。
懐かしいことをいろいろ思い出しましたが、位置ベクトルと単にベクトルと書いた場合の違い
はわからないままです。
2007/3/7読了『あなたの町の生きているか死んでるかわからない店探訪します』
主語がぶれるので少し読みにくいですが、なかなか面白い内容です。この本の著者がお笑い
芸人でないというところがすごいです。
2007/3/9読了『後藤田正晴の遺訓』
よく整理してありますが、後藤田正晴の意見とは別に、自らの小泉政権や安倍政権に対する
意見を載せていますが、本書のタイトルからすると読者にとっては蛇足と受け取られる内容に
思います。
(p.181)
誤:…最後のところでは踏ん張りが聞いている。
正:…最後のところでは踏ん張りが利いている。
2007/3/10読了『危険感受性をみがく』
教訓満載です。この中の一つでも実行できれば、少しでも職場の安全管理体制に改善があ
るのではないかと思います。
2007/3/17読了『改訂 粉じんによる疾病の予防』
わかりやすく整理してあります。実作業者用テキストとして有用と思います。
2007/3/18読了『どきどきフェノメノン』
なかなかどんでん返しがよかったです。
「…そういうものを繰り返して、小さな誕生を味わう。つまりは、自分が生きていることを確か
めるのです」(p.177)
2007/3/24読了『魔的』
どうも自由な韻律の詩はなじめませんが、良かったものもあります。
2007/3/25読了『お坊さんが困る仏教の話』
仏教を思う著者の気持ちが表現されていて、なかなかよいと思います。仏教に対する認識
は、宗教というより哲学に近いものと思います。
2007/4/1読了『不健全な精神だって健全な肉体に宿りたいのだ』
なかなか面白おかしいエッセイです。
2007/4/8読了『今日からマ王!?』
やや主語がはっきりしなくて読みにくいですが、視点の迅速な展開が必要というのは、読者
の読む能力が求められているということでしょうか。
2007/4/11読了『賃貸住宅トラブル防止ガイドライン』
なかなか参考になりました。
2007/4/22読了『デザイン思考の道具箱』
この本で主張されていることはもっと少ないページ数で説得的に記述することができるように
感じました。創造性やデザインという可変な概念を扱うので饒舌になってしまうのだろうと思い
ます。
2007/4/26読了『幸福の王子』
前から読んでみたいと思っていましたところ、書評でも取り上げられたので読んでみました。
なかなかよかったです。
2007/4/26読了『逃亡日記』
なかなか興味深いです。今後の吾妻ひでお作品の方向性がどうなるか気になるところです。
2007/5/1読了『ひもとロープの結び方』
結ぶということは、案外、ちょっとした局面で必要になりますが、片結びと蝶々結び以外に自
分は知らないと思い買ってみました。取り上げられているバリエーションは思ったより少ないで
すが、参考になります。
2007/5/3読了『いつまでサラ金とつきあいますか −借金整理−』
最近、自己破産とか気になる事柄なので読んでみました。よく整理されてます。
2007/5/3読了『皆さんにお知らせします 私は自己破産しました』
最近、自己破産とか気になる事柄なので読んでみました。経験者の立場でよく整理されてま
す。
2007/5/3読了『海馬が耳から駆けてゆく 1』
なかなか笑わせてくれます。
2007/5/5読了『妄想爆裂』
文章が流れるようで読みやすく、また、なかなかエキセントリックな内容で面白いです。
2007/5/6読了『海馬が耳から駆けてゆく 2』
力があるエッセイです。前作同様なかなか笑わせてくれます。
2007/5/6読了『DAY & NIGHT −昼も夜も』
ちょっと淫靡な感じのする仕上がりです。子供の絵本ではないという強調でしょうか。自分は
あまり感心しませんでしたが、コレクター感覚で森博嗣だというだけで買ってしまいました。
2007/5/12読了『海馬が耳から駆けてゆく 3』
面白かったです。2回目なので特にコメントはありません。
2007/5/14読了『海馬が耳から駆けてゆく 4』
面白かったです。2回目なので特にコメントはありません。
2007/5/19読了『不健全な精神だって健全な肉体に宿りたいのだ 3』
面白かったです。2回目なので特にコメントはありません。
2007/5/26読了『ダメ社員の辞めさせ方』
労務関係の仕事をする上で、直面する内容がまとめられています。タイトルほど過激な内容
ではありません。
2007/5/31読了『偽装請負』
最近問題になっている偽装請負についてよくまとめられています。
2007/6/2読了『爆笑問題の清き一票を田中に!』
いつもどおりの名調子です。
2007/6/9読了『借金完全整理 自己破産マニュアル』
自己破産等の概略がわかります。

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