
03年08月シンガポール旅行
【はじめに】
今年の初めは、中学時代の友人たちと比較的やすくあがる海外旅行をしようと考えていまし
た。しかし、SARS騒動や友人たちがパスポートをまだとっていないことなどから、延期だか中
止だか分からない状態に突入していました。
ですので、ことしは旅行はなしにして、休みの間も精進に勤めようと考えていたのですが、と
ある筋(I滝氏)から働きかけがあり、一挙にシンガポール行きを決めました。
【03/08/22】
チケットは火曜日に確保しましたが、ホテルを決めてませんでした。向こうにつくのが夜中な
ので、ホテルは是非とらないといけないと思いましたが、日本で予約すると高めです。I滝氏の
アドバイスもあり、メールで直接現地とやり取りして予約しました。
【03/08/24】
旅行の準備をしました。予定表を作成しましたが、すこしタイトなスケジュールです。荷物は重
くなるのがいやなのと、預けた荷物の受取で時間をとられるのがいやなので、寝巻きと飛行機
の中で読む本だけもっていくことにしました。
夜、I滝氏と会いK市のJナサンでかるく喫茶しつつ、シンガポールドルを両替してもらいまし
た。
【03/08/25】
午前中は仕事です。午後半休で空港へ向かいます。昼ごはんを有楽町のSかたでとりまし
た。トイレの芳香剤のにおいが気になりましたが、味はまあまあです。電車で東京駅まで行き、
リムジンバスで空港へ。バスの方が安いと思っていたのは勘違いでした。時間に余裕もあった
ので電車でもよかったと思います。
空港についてもすることはあまりないので、ずっと本を読んでいました。読むのに飽きたら、
ウインドウショッピングです。ここでずっと探していた世界時計兼計算機を発見。値段が2,000円
弱とやや高めだったので、買わずにしまいました。
時間がきたので、ゲートを通り抜けて飛行機にむかいます。シンガポールの少年野球チーム
とおぼしき団体客のうちの一人の少年が金属探知機でひっかかっていました。他のメンバーが
大勢ゲートの外で待っているのに、なかなか原因がわからず、ちょっとかわいそうでした。
飛行機に入り、座席を探し当てると、まわりはT京交響楽団シンガポールツアー鑑賞ご一行
様のおばさまばかりです。横で、Gではじまるロシアの指揮者の名前を思い出せずにいたおば
さんに、それはゲルギエフだといいたかったのですが我慢しました。
読んでいた本が非常につまらないこともあり、フライトが非常に長く感じられましたが、時間通
りシンガポールに到着しました。入国審査はサクサクと終了し、タクシー乗り場をめざして建物
の外へでます。
タクシーにのって目的地の「the city bayview hotel」というのですが発音が悪いのか通じませ
ん。しかたないので、紙に書いてあるのを見せてようやく理解してもらいました。片側4車線の
高速道路とおぼしき道を100km/h以上でとばします。昔なつかしい、100km/hこえるとピ
ンコンピンコンなるタイプの車でした。ちょっと、タイヤの空気圧に偏りがあるのか、道が平坦で
ないのか、車が突然ぶれることがありちょっと怖かったです。市内に入っても片側4車線の道
ばかりで、交差点をまがってもまだ4車線です。どこまでいっても4車線とは非常に驚きでした。
一方通行の道が多いのか、道が広すぎてわからなかったのか、対向車線を認識することがで
きませんでした。
無事、ホテルまで到着し、運賃はガイドブックにあるとおりの水準(20$程度)でした。ホテル
の受付でチェックインしてその日はバタンキューで、寝てしまいました。
【03/08/26】
朝6:30ごろ起床して、シャワーをあびて朝食をとります。食堂の中でパンを置いてある場所
が最初分からず、どぎまぎしました。おかずの皿をとってテーブルに戻ると、欧米人と思しき人
物が部屋の隅でかがんでいる様子が目に入り、パンを置いている場所がようやくわかりまし
た。さて、サクサクと朝食を済まして、マーライオンのいるところへGOです。
歩いて向かいましたが、ちょっと遠かったです。片側4車線の交差点を2・3回渡りましたが、
歩行者信号が3秒くらいで点滅してしまうのはちょっとおどろきでした。現地の歩行者はあまり
信号を守っていないようで、赤信号でも平気で渡るのですが、時差式とおぼしきシンガポール
の信号のタイミングがまだよくわからないので、律儀に信号をまもって渡りました。
8:00ごろ、世界3大がっかりのひとついわれるマーライオンをこの目でみました。期待もして
いなかったため、落胆するということはありませんでした。むしろ名高い世界3大がっかりをみ
れてよかったとさえ感じました(うそ)。
そこからタクシーでマレー鉄道のシンガポール駅へ向かいます。タクシーの運転手の英語が
よく聞き取れませんが、どうやら場所がちかいので歩いた方がはやいといっているようです。い
わいる乗車拒否のようです。1時間近くあるきどおしで、もうすこし歩きたくないとおもっていた
ので、「singapore station」を連呼して、発車してもらいました。駅周辺は大変な渋滞でしたが、
すぐに到着しました。5$程度だったと思います。
駅でマレーシアのジョホールバル行きのチケットを買うのですが、思っていた金額(17$)と
違うので聞き直したらいやな顔をされました。どうきいても2$ちょっととしかきこえないので、紙
に書いて説明すると、ようやく急行列車のチケットと認識してくれましたが、ファーストクラスのチ
ケットを買うつもりだったのに、セカンドクラスのチケットを買わされました。ファーストクラスに
相応しくないと判断されたのかもしれません。
駅舎からプラットホームへ行く通路は、改札で区切られています。この点は日本と同じです
が、改札のシステムが日本と違いました。シンガポール駅では、列車の発車に合わせてその
列車の乗客だけをホームへ入れるシステムのようです。改札が開く時間ちょどだったので、改
札前では待ちませんでした。チケットを手に入れるとさっそく、チケットを改札で提示してホーム
に入ります。改札をすぎるとマレーシアの入国審査がシンガポール駅内であります。これは、ガ
イドブックに書いてあったとおりですが、ガイドブックの当該箇所をよく読んでいなかったのであ
とで痛い目にあいました。とりあえず、何事もなく電車に乗り込みました。
しばらくすると列車が発進しまして、車掌が検札にやってきました。ここいらへんも日本とかわ
りません。ひとことも口をきかずにチケットを見せておしまいです。40分くらいすると国境付近
の駅に着きます。到着前にアナウンスが入りましたが、よく聞き取れません。どうやら出国手続
のため一旦、電車をおりろと言っているようです。駅につくとみんな列車をおりるので、同じ方
向へついてきます。駅舎の中に入ると出国審査の窓口があり、パスポートをみせて終了です。
このとき職員がまわりの人に何かいっていたのですが英語でないため分かりませんでした。周
りの人よりも早く通過できたこととパスポートを返却されるときは職員は微笑んでいたように思
ったのでとくに不審に思いませんでした。ただし、もし、このとき何かに気づいていても遅かった
わけですが。
出国審査窓口をぬけて、ガランドウの薄暗い駅舎をずんずん進んでいくとホームへの入口が
見えてきます。ガラスの自動ドアですが、これもシンガポール駅の改札同様時間がこないとホ
ームに入れない仕組みのようです。時間がきて扉が開きホームへ出ると、めがねがくもりま
す。駅舎の中は快適な温度でしたが、外はだいぶ蒸し暑い状態です。列車へ乗り込むとすぐ
出発しました。国境を通過してすぐにジョホールバル駅に到着です。
駅に到着したら、すぐに王宮に向かって歩きます。駅前で両替をしてタクシーにのればよかっ
たのですが、歩いていくという無謀な試みをしてしまいました。いつまで歩いても両替屋が見つ
かりませんし、市街をはなれると歩道がなくなり、どぶの横を車をよけながら歩く状態です。ど
ぶは相当なにおいを発していました。生活排水などが直接流れ込んでいるようです。
王宮のそばまで着きましたが、入口がわからず、すごすご退散です。時間がないので、両替
屋をさがして、タクシーで駅に向かおうとおもいますが、両替屋はみつかりません。郵便局でき
いても「money exchanger」はあっち方にありここではできないといわれます。それらしい店がな
いので、そばのイスラム銀行にはいってきくとここではできないというわれます。どこでできるの
かをきくとやはり「money exchanger」と答えが返ってきます。うまくみつけられない話をすると小
さい店だという返答です。しかたなくまた、町に繰り出します。駅に向かって歩くとさっき歩いて
いた通りに行き当たりました。なんとそこにはたくさんの両替屋がひしめいていました。両替屋
街に突入する直前で曲がってしまったので、行きにはみつけられなかったのでした。
さっそく両替をしましたが、何も考えずに20$両替しました。せっかく両替しましたが、時間が
なく博物館はもう見れない状況下で必要以上に両替したことにすぐ気がつき、落胆しました。シ
ンガポールへ戻るバスのチケットを買い、駅のそばのショッピングセンターで軽食&お土産タイ
ムとしました。もう、むりやり何かに使うしかないと考えました。
ツミレ団子のようなものとレモネードをかい、軽い食事をとりました。お土産を買うようなところ
がなく、日用品とか服ばかり売っています。服屋にはいりますが、どうも日本のIトーヨーカ堂よ
り高めです。手持ちのMRで買うことのできる、めぼしいものがありません。ここはすこし賭けに
出て、曲も聴いたことがないのにジャケットだけで判断してCDを少し買いました。
13:00過ぎにバス乗り場に向かいました。バス乗り場の建物は、チケットを売っている店が
集中しているメルリンタワーというビル(タワーという語から想像されるようなスマートさも高さも
ない普通のビルです)の前にありますが、信号がないため、ショッピングセンターを経由して駅
前を通過するという大回りをしないとたどりつけません。一部の人は無理やり車道を横切って
いましたが、現地でもこれをしている人は少数のようです。
両替 || ||
屋街 || ||
||メルリン || ショッピング
|| タワー || センタービル
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●シンガポール行 ●マレー鉄道ジョホールバル駅
バス乗り場
バス乗り場の建物に入るとすぐに出国審査があります。
このときはじめて気がついたのですが、なんとマレーシアの入国スタンプがパスポートに押さ
れていなかったのでした。最初スタンプがないといわれて、押すところをみていた気がしたの
で、ここにあるといおうとしてパスポートをみてみるとたしかにシンガポール出国の印鑑はある
のですが、マレーシア入国の印鑑がないのです。パスポート上は不法入国者のようになってし
まっており非常に緊張しました。審査窓口で別の職員に引き渡され、そのままフロアのすみの
税関長とおぼしき人物の部屋に通されます。
部屋には警察とおぼしき制服をきた人物が2人いましたが、職員はかまわず事情を税関長
に説明しています。マレー鉄道のチケットが残っていたのでこれをみせてこちらも事情を理解し
てもらうようつとめます。説明がおわると職員は、さっさと部屋を出て行きます。また、先客の制
服の2人も、職員の説明が終わった後に税関長と握手をすると部屋を出て行き、部屋には二
人きりになります。
2人きりなって、自分がまだ帽子をかぶっていることに気づきました。あわてて、帽子を脱い
で胸の前にもっていき、かしこまったポーズをとりました。税関長は制服2人が部屋から出て行
くのを見届けると、私に座るようすすめます。たったままの取調べになると覚悟していたので、
座らしてもらえることで自分の印象が悪くないということが感じ取れすこしほっとしました。いろ
いろ聞かれると思い、自分の英語力に対する不安などから会話に苦労するものと覚悟を決め
ていましたが、たいした質問をされませんでした。質問が終わると、立って私のうしろにある金
庫から小箱を取り出して、席にもどります。小箱をカギであけると、なかからスタンプをとりだし
税関長はおもむろに、私のパスポートに押印しました。どうやら入国スタンプをおしたようです。
小箱のカギをしめると、パスポートをつき返してきました。これで本当に終わりなのか信じられ
ず、すわったままでいると「アリガトウゴザイマシタ」と抑揚のない調子でいい、へやから出るよ
う促している様子です。この一言で、こうしたことがよくあることだったのではと、はっと気づきま
した。当初悲壮な覚悟でいたのが、すこし恥ずかしく感じられます。はたして、部屋をでてガイド
ブックをひらいてみると、入国スタンプの押し忘れで、出国時に問題がおきることがあるので鉄
道のチケットは捨てない方がよいと書いてありました。シンガポール駅でパスポートを確認する
ことだけで、この脱力感あふれる事態が回避できたのかと思うと、ふがいない思いになるわけ
です。
しかたないので、念のための確認というものをおろそかにしないという教訓を得たことにして
おきました(まあ、何かしでかしかと時にはいつも思うのですけれど、この教訓はなかなか身に
付かないです)。
さて、入国審査もおわり建物をでると、似たようなバスが止まっている光景を目の当たりにし
ます。少し迷いましたが、建物をでて右側の柱の影にシンガポール行きのバスを見つけました
(正しくは、教えてもらった)。バスもエアコン付とエアコンなしがありますが、私はエアコン付観
光バス型の星柔快車(シンガポール−ジョホールバルエキスプレス)にのりました。値段は3M
R程度でした(チケットは入国審査の前にかいます)。
さて、バスに乗り込むと、いきなり扉が閉まり、席に座っていないのに走り出しました。席に座
らせないつもりかとむっとしましたが、バス乗り場をでるとすぐ眼前にシンガポールの入国審査
用の巨大な建物が見えたので、私を座らせない(座らなくとも問題ない)理由がわかりました。
5分も走らないうちシンガポールに到着しました。すると乗客はわれさきにと走って建物に入っ
ていきます。バスの出口附近が、客にとってもっとも有利なポジションだったわけです。
疲れていて急ぐ気力もないので、ゆっくり建物に入ります。近代的な建物で空港の設備と変
わらないきれいさです。建物の中に入り、入国審査の列に並んでふと周りを見渡すと、パスポ
ートと一緒にみな入国審査カードをもっています。まわりを見ても入国審査カードを書いている
人の姿がありませんし、カード自体を置いている雰囲気がありません。あわてて、列を離れ建
物を出て、バスを降りた附近に行ってみましたが、そこにも用紙はありません。しかたないの
で、建物にとぼとぼ戻ります。
さっきはエスカレータで入国審査をしている階へあがりましたが、今後はエレベータであがる
ことにしました。扉の前には初老の女性がひとりエレベータがくるのをまっていました。1分もな
かったと思いますが、異国の地で2人他人同士でエレベータを沈黙して待つというのは、なかな
か乙な体験でした。さて、エレベータがきて乗り込むとボタンが3階と5階しかないないのです。
おばあさんもどぎまぎしている様子です。バス降り場はやや高い丘の上であったので、そこは
もう3階だったようです。エスカレータは長かったので1階とばして5階までいくのだという想像の
元、5階のボタンを押すのですが、初老の女性は3階のボタンをおします。はたして5階に着く
と入国審査のホールです。私はそこで降り、また初老の女性にも降りるようすすめましたが、な
んだか降りずに扉をしめてしまいました。初老の女性の行方はしりません。
ホールでは、さっきはいなかったように思うのですが、職員が列の整理をしています。この職
員にカードがない旨をはなすと、つかつかと何もない窓際に歩いていきます。ついていくと天窓
のヘリの部分の見えにくいところにカードがひっそりとおかれていました。職員は一枚とると、
わたしてくれました。ようやくこれで入国審査にのぞめます。
カードをかいて列をに並び入国審査をします。マレーシア人でもシンガポール人でもない人用
の列は3列ほどありましたが、真ん中に並ぶとどんどん周りの列が進んでいきます。隣の列
が、待ち人がいなくなったので、柵をくぐって並びなおしました。窓口での時間は1分ほどでし
た。その後、金属探知機の場所をサクサクと通過するだけで終了し、カードを書いてから5分
ほどで建物のシンガポール側へ出てきました。
のどが渇いたので自販機で水を買おうと思いましたが、ちょっと古ぼけた感じの機械だった
ので買うのをやめました。バスに乗り、座席を確保すると、すぐ出発です。うとうとしていたらあ
っとういう間に市内のバスターミナルに到着です。外へ出るとものすごい暑さです。のどが渇い
ているのですが、昼ごはんと一緒にと思い水をがまんします。
バスターミナルからちょっとあるいてアラブストリートへ向かいます。
−−−−−−−−−つづく
つづき。
バスターミナルからちょっと道にまよいつつ目的地へ。なにやら町のたたずまいは雰囲気が
でていますが、見たり買ったりする場所はそんなにないようです。ちょっと拍子抜けです。モスク
へはいって中をみます。建物自体はどうということもないですが、日本と違って生きた宗教施設
であることは感じ取れます。若い熱心な信者が、作法にのっとり礼拝していたり、年老いた男
性がアラビア語の本を前につぶやくように、一心に音読している姿は印象的でした。モスクの
中を一周してできました。
お昼を取っていない上に、喉がからからです。ふらふらになりならが西友をめざします。ま
ず、建物の中にはいると冷房の利き具合に感動です。1Fはファッションフロアのようです。買う
つもりがないけれどうろちょろします。バッグ屋さんでよいものがありましたが、値段がわから
ず、聞いたら買わないといけなくなるのではと思い、そのままでてきてしまいました。ブランド物
のようでしたし、実際かっても使わないことは明白だったので、ふらふらっと買わずによかった
です。
中庭みたいなところにでると噴水がありました。噴水とはちょっと違うものかもしれませんが、
水が下から吹き上がっている点に関しては噴水です。吹き上がった水に長さがある(終わりが
ある)こととその長さが制御されているらしい点に感心しました。水の動きだけでなく音も一連
の動きの中に組み込まれているようで、芸術作品として作られたのかもしれないとぼんやりな
がめてました。
さて、立っているのも歩くのももう疲れたので、ゆったりできるところをさがして行き着いたの
は、Mcです。ここでも拙い英語は通じず危うく販売拒否に会うかと思いました(うしろがつかえ
ていたのです)。売り子さんもなれているのか、適当にあしらいます。飲み物なんかきかずにコ
カコーラですし。お金をはらって外のテーブルでたべようとしたらストローがない。また、レジに
いってはなしをするとストローはセルフサービスで自分でとることをしりました。味はどこでも一
緒で安心です。かばんの中を少し整理して、次に行くところを確認です。次の予定地のリトルイ
ンディアへは地下鉄で行くことにしました。
駅へいくと日本とあまりかわりありません。自販機で案内に従い切符をかいますが、掲示され
ている運賃とは違う金額をいれろといってきます。なにかの間違いとも思いましたが、時間が
惜しいし、機械なんだから間違うわけないし、と思い要求されるまますこし高い額を払いまし
た。構内にはいりホームへ向かいますが、エスカレータがやけにはやいのに驚きです。ちょっと
反応の鈍い人には乗れないかもしれません。乗換駅では人が小走りで移動します。乗り換え
ホームへの行き方がわからないので、おたおたしていると蹴飛ばされそうな勢いです(うそ)。
まあ、何とか地下鉄を乗り継いで駅をでて、リトルインディアのムスタファセンタへ。それらし
いビルに入り物色します。まず下着とかの着替えを買おうと考えていました。いろいろ見てまわ
りますが、どうもガイドブックにのっている写真と様子が違います。店は長崎屋のような雰囲気
のスーパーです。いちおう目的のものはおいてありました。ちょっと他の店を見てみようと外へ
出ますと、その建物の裏手に当初の目的地のフスタファセンタがありました。さっきの店とはち
がいかなり活況です。買い物はここですることにしました。買うと、買い物袋をプラスチック製の
紐で縛ってくれます。これは買い物袋にレジ前の商品を入れられないようにする手段とみまし
た。買い物が済んだらタクシーを拾って美術館へ行きます。
タクシーを拾って行き先をいっても、やはり英語が通じません。art museumというのですがart
の発音が悪いのか、わかってくれません。そうしたら携帯電話でなにやら問い合わせをはじめ
てしまいました。おのぼり観光客だとわかるのがいやだったので、やりたくありませんでした
が、ガイドブックにある地図を取り出して指し示しました。それでようやく解決です。どうやら運
転手は、その場所にそんなものがあるのをしらないということをいったように思われます(英語
が聞き取れなかった自分に都合の良い解釈です。観光名所をしらないタクシ運転手はいない
ように思うので、本当は違うことを言ったのかも)。ようやく目的地とおもいきや、工事用フェン
スがはってあり駐車もできません。運転手も困っていますが、なにやら裏道にはいり、いい場
所があるから安心しろ、みたいなことをいいます。もしかして、あやしいところにつれてかれる
かとおもったら、美術館の裏手に到着です。museum shopくらいはやってるようだといって車が
とまります。道に迷ったからといって端数切捨ての金額しか請求されませんでした。切り捨てら
れた金額は微々たるものですが、好印象でした。
さて、ショップくらいだけでもみてかえるかとおもったら、矢印で順路が書いてあり、工事してい
るのは表の道だけで、美術館はやっているようでした。ムスタファセンタの買い物袋をかかえて
シンガポール美術館へ突入です。
−−−−−−−−−つづく
シンガポール美術館の目的は展示品よりも建物です。半楕円形の回廊はなかなか印象的で
した。入口でチケットを買い、大荷物を抱えて見学です。現代美術ばかりで、感想もなんともい
えません。個人的には、電子美術がよかったです。日本人の作品もありましたが、あまり感想
はありません。
閉館時間が迫っていたため、速足で見学終了し、併設の喫茶店へ。ここでケーキとお茶で一
息入れます。ケーキはなかなか美味しかったです。
その後、歩いてホテルにもどり、シャワーをあびて着替えます。買ったものを早速身に付けよ
うとしたら、値札が取れません。刃物は空港での扱いがめんどくさいので持ってきておらず、ひ
っぱたりこすったりしてようやく取れました。
もう夕食を食べるには遅い時間だったので、速足でお目当てのレストランへ。マンダリンホテ
ルの1階にあるチキンライスをだす店へGOです。ここは、I滝氏に紹介されて、ガイドブックでも
確認していたつもりでしたが、ついたホテルに、ちっともお店がみあたりません。おかしいと思っ
てガイドブックを見直すとなんとマンダリンホテルは2箇所あり、もう一つ別のホテルへきている
ではありませんか。本当は、夕食後は買い物してシンガポール動物園のナイトクルーズの予定
だったのに…。もう時間がありません。あわててタクシーを捜しますが、つかまりません。焦る
ばかりです。
やっとタクシーをみつけて、オチャード通りのマンダリンホテルへ向かいます。タクシでは英語
のラジオ番組がかかっていまして、日本人の曲をカバーしたものとおぼしき歌がながれてまし
た。だれのだったかちょっと思い出せませんが、たしか80年代後半くらいにはやった曲だった
ように思います。
さて、タクシーは高級住宅街のようところを抜けてマンダリンホテルの正面につけます。タクシ
代はちょっと高く感じましたがしかたありません。マンダリンホテルは超高級ホテルで、1階のレ
ストランといえどもカジュアルで入るのがためらわれました。入口附近をいったりきたりして気
持ちを落ち着けてから入店しました。周りを見渡すとわかいカップルが多いようです。こちらは
一人でちょっと所在なしです。はしっこの席に案内されまして、ちょこんとすわります。注文はす
でに決めてましたので、さくさく頼んであとは待つばかり。待っている間は、読書です。
しばらく待つと、チキンライスの到着です。チキンにつけるたれの3種類の説明をうけ、いざ食
事です。箸が重くて使いにくかったですが、味はまあまあです。チリソースと生姜ソースと醤油ソ
ースの3種だったと思います。醤油は日本のものになれているためか、好みではありませんで
したがあとのは良かったです。
後の予定が押しているので、さくさく食べて、買い物へ。マンダリンホテルと道をはさんだとな
りの高島屋へGOです。まずは紀伊国屋へいって本をみます。とくにほしいものがあるわけでも
ないのですが、本屋をみるのは楽しいことです。ほしいと思った本はどれも高めだったのでか
わずにしまいました。大学受験用の試験問題集が気になりました。シンガポールはどうやらバ
カロレアのような制度をとっているようでした。レジ附近は自動車の教則本が平積みされてお
り、ちょっと違和感がありました。
あした着る服を調達しないといけませんので、服屋をクルクルとまわります。これもI滝氏より
Gというお店を勧められていたのでいってみました。シンプルで素材もよく値段も手ごろだった
ので、即買いです。もう少し見たかったのですが、きりがないのでやめて高島屋をでました。伊
勢丹へもいこうと思いましたが、もうしまる時間だったのでおとなしく、地下鉄の駅に向かいま
す。
地下鉄の駅へいって切符を買おうとしたら、駅から出てきた人がとなりの券売機にやってきま
した。何をするのか見ていたら、カードを差し込んでなにやらボタンをおし、カードと引き換えに
コインを獲得していました。それをみてようやく、最初に地下鉄でチケットを買ったときに料金よ
り高い金を投入させられてことの理由がわかりました。何のことはなく、スイカと同じデポジット
だったのです。ためしにさっき使ったカードを差し込み液晶の案内通りに操作すると、デポジッ
トが獲得できました。さて、券売機で戯れているわけにもいかないので、切符をかって駅に入り
ます。夜の地下鉄はどうもけだるい雰囲気があります。
地下鉄をおりて、ホテルに向かいますが、どうも時間が中途半端なので、ファミレスのような
お店にはいりました。いろいろな地場料理が安く堪能できそうだったのですが、おなか一杯だっ
たのでコーラをかって夜がふけるまで読書です。
読書をしていると突然スコールがやってきました。夜だというのにスコールというのは驚きでし
た。そうこうしているうちに、お店は雨宿りの客で込んできました。あまり長居も良くないと思い、
区切りのよいところで退散です。スコールはやみそうもないので、軒先をはってホテルに戻りま
す。部屋に戻ると、さっそく帰りの準備です。明日は5時には空港につきたいので、準備して早
寝です。荷物は来る時の倍くらいに増えていますが、もともとちょっとしか荷物がないので倍と
いってもたかが知れていますけれど。
朝は時間通りに起きました。目覚ましのおかげです。サクサクとフロにはいり気合をいれ、準
備を整えます。フロントで精算して出発です。ロビーでタクシーの運転手が、待機していて空港
までいってくれるとのこと。ちょっと胡散臭い気がしましたが、タクシを早朝に捕まえるのは骨が
折れると思い、そのまま乗りこみました。
空港へ行く途中、事故しているタクシ2台を見かけます。あんなことになると時間通りに飛行
機に乗れないと漠然と外を眺めていました。なんだかドリアン臭いタクシはあっというまに空港
につきました。タクシ代を払おうと大きいお金を渡すと、おつりをくれません。だまってタクシをで
ないでいると、ようやくおつりをくれました。早朝料金でよいかなとも思いましたが、ちょっと接客
態度に問題があると思い、おつりは回収することにしました。タクシはりっぱなサービス業だと
いうことを、シンガポール美術館へ行くときにのったタクシと比較しながら、自分に言い聞かせ
ました。
チェックインカウンターは長い列です。自分はリュックだけなので並んでいるのがばからしい
のですが、順番ですからしかたありません。金属探知機のところで、預けるものがない旨申告
すると5・6人抜かすことができましたが、まだ列が続いています。前をみると制服の職員と面
接を一人づつしています。自分の番がきて、まず最初に英語がしゃべるか聞かれたので、ちょ
っとと答えると、日本語がしゃべる職員のところへいくよう言われ、年配の女性職員に引き合わ
されます。質問は、荷物を知らない人から預かっていないかとか、テロとか麻薬対策のようで
す。
若干シンガポールドルがあまったので何か買えないかと思ったのですが、ほしいものがなくそ
のまま飛行機に乗り込んでしまいました。窓側の席でちょっとトイレにいくの面倒そうでしたが、
仕方ありません。となりは高校生らしき3人組のうちの2人でもう一人は私のうしろの席に座っ
ていました。となりの2人は中国語のような言葉をしゃべりますが、3人でしゃべるときは英語を
使っています。多言語国家というのはなかなか難しいと、英語だけをしゃべっていたうしろの学
生に、ちょっと同情しました(なかまはずれ状態ですなわけで、2人が中国語を使っているとき
は、関心なさそうに飛行機の外などをみているわけです)。
朝が早かったので、少しねむく、うとうとしながら機中をすごしました。もっていた本は非常に
退屈だったので、結局読みませんでした。
成田につくと、となりの学生が、ここは東京かと、聞いてきます。彼らの行き先はアメリカだっ
た(聞き耳立てました)はずでが、おそらく、東京見物をしたい希望があるものと想像しました。
空港の名前が新東京国際空港なので、最初YESと答えたのですが、彼らの希望はビルの立
ち並ぶ東京(新宿とか秋葉原とか)を想定していると考え直し、ここは東京から遠く離れている
と答えます。新東京国際空港とか東京ディズニーランドとか東京でないところで東京の名称を
使うのは、やはりやめた方がよいとつくづく思いました。
となりに座っていた彼らはトランジットと出口の分岐附近で、立ち往生してましたが、小心者な
ので声をかけずに通り過ぎてしまいました。手荷物がなく、入国審査もたいしたことを聞かれ
ず、サクサク税関も終了です。
帰りは京成でお菓子をたべながら帰宅しました。めでたしめでたし(何が?)。
【後日談】
その週に、シンガポールでSARS患者再発生との記事はちょっとショックだった。
以上

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