同時進行!!ウィークリー馬券物語
止まらない木ブルース

第四回:東京優駿

天と地がひっくり返っても連をはずさないはずのファレノプシスが3着に沈んだオークス。赤坊は 今度こそ豊が決めるぞと息巻いた。そこで赤坊のダービーの予想は、
天候:晴れ、良馬場
◎Dスペシャルウィーク
○Aキングヘイロー
△Pディヴァインライト
「やっぱり、スペシャルウィークですか」と弟子F。
「あったりめぇよ。他に何があるってんだい。皐月賞のレースお前たちもゴンドラからみていただろ。 あの3頭が抜けているのは素人がみても分かるよな。そのなかでも、一番強いレースをしたのはスペ シャルだぞ。不利な大外枠から馬場の悪いところを回されたが、直線メンバー1の上がりを記録しての 3着は負けて強しだ。ダービーでは馬場もいい、直線の長い府中にかわるからな。今度は逆転できるぞ。 トライアル組を見たって、青葉賞じゃ皐月でずぶずぶだったタヤスが1着、プリンシパルは使い詰めの タイキが1着じゃ話にならないぜ」と絶対の自信を持って師匠が言う。
「皐月賞馬のセイウンスカイを消すんですか」と弟子Sが怪訝な表情で聞く。
「確かに皐月を勝ったのはセイウンだが、ダービーとなると話しは違ってくるぞ。あめぇたちよく聞けよ。 ダービーを勝つためには何をしなければならないのか。それはな、レースのローテーションの組み立てと、 調子のピークがダービー当日にくるように設定することだ。そうなると、皐月の結果など関係ない。血統と パワーとスピードで2頭の一騎打ちでほぼいける。まぁ、印の差は騎手の経験の差だけどな」
「そうですか、スペシャルにパワーがあるとは思えないけどなぁ。調教もやりすぎで、あれじゃ本番では スタミナがもたなかったりして。スピードだって意外にないですよ。5戦中あがり35秒台を切ったのは 一回。36秒台も2回。その35秒台を切った時だってスローで上がりの競馬。平均より早いペースだと しまいが甘くなっていますよ」と弟子Sが反論。
「なに、そういうお前だってスペシャルに◎を打っているじゃねぇか」
「確かにそうなんですが・・・。僕はダービー馬としてふさわしいのはキングヘイローかと思いますよ。 スタミナ、パワー、血統などスケールの大きさを感じますよ。でも師匠のおっしゃる通り騎手の差で ねらいを下げました。一方、セイウンは皐月の勝ち方が優秀ですからね。◎でもよかったですが、横典に 2冠のイメージが湧かなくて。となるとやっぱり豊ということでスペシャルに◎を打ちましたけど」
「そうだな、セイウンの皐月の勝ち方は強かった。ただこの馬、年明けのデビューなんだなぁ。ダービーを 取るために3歳から走るのが王道だ。普通の状態じゃダービーは取れるもんじゃない。一流の馬が順序を ふんで、ピークに持っていけた者だけがダービーの栄冠を掴めるんだぞ。セイウンにはちときついぞ。ま、 馬場が重にでもなれば押さえておくけどな」
「僕も今度こそスペシャルだと思います」と皐月でスペシャルとともにタイタニック状態になった孫弟子 Tが言う。
「心配するな。もう氷山にはぶつからねぇよ。さて、ダービーに備えて今日ははやく帰るとするか」 と夜の街に消えていった。

(弟子達の会話)
「師匠すごい自信だな。俺もスペシャルが連をはずすとは思ってないが、自信がなくなるなぁ。 先週見事にファレノを消しちまったからな。相変わらずだな師匠は」と一番弟子F。
「そうですよね。3頭以外にこれといった馬がいないし。しかしキングは内枠をひいて難しくなり ましたね。若い福永が包まれて出れないといった場面も有るかもしれませんね」と孫弟子T
「雨が降って馬場は重たくなっているみたいだし、前に行けるセイウンはやや有利かな。あとセンタ ーフレッシュは重のベンジャミンSを勝っているから、馬場が渋れば一発もあるかも」と弟子S。
「結局セイウンが抜けだから、スペシャル−セイウンで決まりかな」と一同納得。

(更新6/6)

スペシャルウィークは勝ったが!?番外編 (6/7更新)

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この物語はフィクションです。 実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。