マイルカップでは「神様でも逆らえねぇエルコンドル様」を軸にしたものの抜けの「第四の無敗馬」
シンコウエドワードが二着、三着に▲スギノキューティーが入り立て目をくらった赤坊。「まぁ、
この借りはきっちり返して頂くぜ。新潟遠征の資金も稼がなきゃならねぇしな」とさっそく高松宮記
念の予想に入った。
◎@ワシントンカラー
○Nスギノハヤカゼ
▲Pマサラッキ
注Dシーキングザパール
「抜けた存在がいないレースですがワシントカラーとは、師匠血迷いましたか」と弟子F。
「うるせぇ。確かに今年に入っての戦績はぱっとしねぇが、ここ目標に仕上げてきたんだ。
松山厩舎は本番ではきっちり答えをだすしな。なんてたって暮れのスプリンターズSのとき、まだ四歳で3
着はりっぱよ。今回人気が落ちるのもありがてぇ。ワシントンから幅広に流して好配当をゲットよ」
「でも、ダート路線にいったり、スプリント路線にいったりと二兎追うものは一兎も得ずのパターン
じゃないですか。そんな馬がスプリンターのためのGTに勝ったらレースの格が落ちますよ。少なくとも
スギノ、マサラッキがワシントンに負けるとは思えませんが」と弟子Sも反論する。
「おまえは甘い。このレースはまだ準GTの格よ。同じようなGTのフェブラリーステークスを思い出し
てみろ。並み居るダート馬を抑えて勝ったのは芝からきたグルメフロンティアじゃないか。
抜けた存在のいない今回、荒れる要素は十分あるぞ」
「僕はマサラッキからいきたいんですが」と孫弟子Tが会話に加わる。
「おう、おれもマサラッキはいいと思うぞ。調教はすごいタイムが出ていたしな。ひょとしたらこいつ
が一着になってもおかしくねぇな」
「ありがとうございます。師匠に言われると自信がつきます」と言いながらも内心不安になるT。
「それとな、おまえらにいいことを教えてやろう。このレース去年は高松宮”杯”だったが、今年から
”記念”に変わったよな。名称変わりは荒れるっていうジンクスがあるんだ。だからワシントンカラーの
一発があってもおかしかぁねぇだろう」と得意そうな赤坊。
「なんだ結局はジンクスだよりかよ。そう言えばシンコウフォレストが抜けだなぁ。これは押さえときゃ
なきゃ」と弟子達はつぶやいた。