ブライトからサンデー3頭流しで勝負!がずばり的中した師匠の天皇賞。しょせんシルクのような
零細小口馬主集団の馬が格式高い天皇賞を勝とうなんて100年早いと意気揚々であったが
もう財布のなかにはマイルカップのタネ銭しか残っていない。しかし、マイルカップには「神
様でも逆らえねぇエルコンドル様がいらぁ」と気に留めることもない。
そこで師匠の買い目は
◎Hエルコンドルパサー
○Jマイネルラヴ
▲Fスギノキューティー
「あれ、エルコンドルと同じ無傷の4連勝馬トキオパーフェクトは抜けですか」。弟子Fの問いに、
師匠の弁。
「あったりめぇよ。確かにトキオは強い馬だ。前走もマウントアラタのハイペースを2番手につけながら
直線で5馬身ちぎるなんぞ並みの馬ではできねえもんだ。だがな、その完璧な勝ち方が気にいらねぇ。
中山の1200Mで完璧な競馬をしてしまったてこたぁ、スプリント戦のラップが体に染みついちまって
いるってことだ。中山の1200と東京の1600は天と地ほどの違いがあるもんで、
いくらトキオが強い馬でも、体に染みついちまったことを急にかえるこたぁ出来ねだろう。
だからトキオにスタミナのいる東京のマイルはもたねぇ。ラスト1ハロンでばてるのは目に見えてるぜ。
そこで、対抗は重賞で常に好走しているマイネルラヴだ。屋根が武豊に替わるのも買い材料だな。あとは
フラワーカップ→NZTと去年の勝ち馬シーキングザパールと同じローテーションで臨む
スギノキューティーを押さえときゃ心配いらねよ」
「よーく、わかりました。もうマイルカップは取ったようなもんですね」と弟子たちは師匠の作戦
にうなずき家路についた。
帰りの電車のなか弟子たちはつぶやいた。
「トキオは、はずせないな」。