幕間芸人



「カーテンコール」は、幕間芸人というタイトルにすべきだった。下関の映画館で、幕間に素人芸を演じるのが昭和36入社の藤井隆。その人生を語るのが昭和33年入社の藤村志保。この年に映画入場者数が史上最高をマークし、国民一人当たり年に12本の映画を見ている。

それからわずか7年後の昭和40年の「東京オリンピック」が、この映画館を満席にした最後の映画だった。そんな日本映画史を語る映画かと思っていたら、後半一転して予想外の展開。

彼は日本人ではなく、済州島の出身で…。娘の父親探しの映画になってしまう。作品としては、やや退屈。けっして悪くはないのだが。

主役は、タウン誌の記者なのにノンフィクション大賞をねらってるのかと揶揄される香織。これを演じてるのが伊藤歩だ。どこかで見たようなと思ったら、「リリイ・シュシュのすべて」で丸坊主になった子だ。

細くて表情に乏しいので、熱演しているのかさりげない演技なのかよくわからない。このままだと木村多江の二番煎じになってしまう。

1970年生まれには、中山美穂、坂井真紀、永作博美、清水美砂と女優がたくさんいる。1985年生まれが次のピークとなりそうだ。1980年生まれの伊藤は、谷間の世代かもしれない。今後の活躍に注目。

(2006-10-01)