司馬遼太郎、大いに語る「ノモンハン事件」が放送されてから、モンゴル関係の本を何冊か読んだ。 『対談集 東と西』では、『ノモンハン』の著者アルヴィン・D・クックスと対談している。司馬さんは、ノモンハンが今も続き、日本は世界で一番住みにくい国になっていると述べている。この発言を聞いただけで司馬さんの頭にあるもろもろのことを想像してしまう。 私は、司馬さんの小説は読めない。数ページ読むだけで拒絶されてしまうのだ。しかしエッセイや対談には興味を引かれる。とくに歴史的な知識は圧倒的にあるので学ぶことも多い。また日本人の土地に対する執着を異常だと認識している。土地投機のひどくなるバブル期以前からの主張なんだけど、あまり知られていないようだ。私がいちばん共感できる点なんだけど。 『草原の記』では、ツェベクマさんという女性通訳者を通して、モンゴルの歴史を語っている。いつものように脇道にそれては、チベットや清朝や満州のことを語っていく。話が錯綜しているのでついていくのが大変だけど、すっかり歴史の勉強をしてしまった。 一方『時代の風音』では、堀田善衛、司馬遼太郎、宮崎駿が鼎談している。宮崎さんの発言は少なく、聞き役に回っている時間が長い。途中まで読んで気がづいた。この本読んだことある。とくにまとまった話ではなく、おじさんたちのよもやま話なのだが、興味はつきず最後まで読んでしまった。
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