宮崎アニメのヒロインたち斎藤美奈子は、書評家かと思っていたら文芸評論家だった。『紅一点論』では、アニメ、特撮TVドラマ、伝記シリーズなどのヒロイン像について分析している。 「魔法使いサリー」や「ウルトラマン」はいいとしても、「ひみつのアッコちゃん」や「ウルトラセブン」あたりから記憶があやしくなり、時代が下るにつれて知らない作品ばかりが並ぶようになる。それを著者は見ているんだからたいしたもんだ。 古典的な頭をしている私は、「ガンダム」や「ヤマト」は見るに耐えなかった。「エヴァ」にいたっては、病的なものを感じてしまった。エヴァ・ブームのころ、「太宰以来、久しぶりにハマリました」なんていう30代の人の発言もあった。癒しということばが流行りだしたのも、このころからだったように思う。 もちろん宮崎アニメのヒロイン像も分析対象である。きっと多くのオタクの分析の恩恵を受けているのだろう。でもこれだけ総括的にまとめた人はいないと思う。彼女に博士号を出す大学はないものだろうか。女性学や社会学ではなく、文学博士号を。
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