70年代



アニメとかパソコンのようなモダンなものを除くと、70年代は文化花咲く時代だったように思う。

72年の初めには吉田拓郎「結婚しようよ」、半年遅れで井上陽水「傘がない」で新しい音楽がはじまった。ニューミュージックということばのできた75年には、中島みゆき「アザミ嬢のララバイ」、山崎ハコ「飛・び・ま・す」、森田童子「さよならぼくのともだち」と目白押し。

マンガもスタートが早かった。
71年 アラベスク(山岸涼子)
72年 ベルサイユのばら(池田理代子)、ポーの一族(荻尾望都)
 で助走をはじめ、
76年 ガラスの仮面(美内すずえ)、風と木の詩(竹宮恵子)
78年 綿の国星(大島弓子)
 と花開き、
80年 日出処の天子(山岸涼子)
 に到達した。
70年代の後半は、いしいひさいち、吾妻ひでお、諸星大二郎、大友克洋、高橋葉介、高野文子、吉田秋生など、それこそ雨後の筍状態。

テレビドラマだって負けてはいない。
74年「傷だらけの天使」(萩原健一、水谷豊)
75年「前略おふくろ様」(倉本聰)
77年「岸辺のアルバム」(山田太一)
79年「探偵物語」(松田優作)
と日本テレビが強かった。

おととし「焼け野が原」を歌って引退したCoccoが、黄金の2000年代の幕開けだったと振り返ることになるのか。「月光」の鬼束が、「時代」の中島に相当するのか。時間がその答えを教えてくれるだろう。今から時のたつのが楽しみだ。

(2003-06-06)