新潮メソッド



内田樹、名越康文『14歳の子を持つ親たちへ』は、タイトルが良くない。これでは教育のコーナーに置かれ、買う人が限定される。

おまけに名越の話の腰を内田が折ってしまう場面が多発。司会者がもっと前面に出て話をコントロールすべきだ。この程度の対談なら、雑誌の連載で十分ではないか。何も新書で出す必要もないと思うのだが。

編集者にはかなり文句を言いたくなる本ではあっても、そこは新潮新書。しっかりと暴論をひろっている。「親の方が病気だ!」、「義務教育は十三歳までに」、「オバサンの真実」、「ほんとは危ない人、養老孟司」など。

というか新潮新書は、わざと危ない人を選んで暴言を吐かせ、それをぎりぎりまでアク抜きして読者に提供するのが得意なのだ。たしかに売れるのだろうけど、ちょっとあざとさを感じる。

(2006-04-02)