上品な人



ネットを見ていると、いろんな意見がよくわいてくるものだと感心する。思いつきなら、私も負けないとは思うけど。

「主張のない人は考える人だ」と語る池田晶子は、価値相対主義者だ。
なんじゃら主義、かんじゃらイズム、なんであれ、そんなものを標榜するような人は、私は自ら考えることを知りませんと、わざわざ公言しているように私には見える。そんなものに自分の行動を左右させているような馬鹿なのですと。(中略)
この世間では、自ら考えることをしない人ほど、声がでかい。
 池田晶子『考える日々V』(毎日新聞社)(p203)
言論活動とは、
互いの主張のどこが悪く、どこが善いのか、どう正しく、どう正しくないのか、論じ合うことにより最も正しいと思われる考えを全員で手に入れる。このような一連を言論活動と呼ぶのであって、自身の主張を我で張り通すことではない。(p204)
言論の活動は理性の活動なんだから、ソクラテスの問答でも読んで、主義によらず自ら考えることを体験してみなさいと。

そんな彼女にだって、持論というものがある。「品性の下劣な人が言論にかかわるのを禁止すべきだ」(p90)

(2005-05-16)