インターネットと法律『よくわからん!?インターネット時代の法律入門』は、雑誌「インターネットマガジン」の連載をもとに作られた本である。読んでみると弁理士や弁護士という専門家でもインターネットにまつわる法律のことが「よくわからん!?」状態であることが分かる。インターネットという現実がどんどん先に進んでしまい、法律は遅れまいと悪戦苦闘しているようだ。 日常生活では、それほど法律などは気にしていない。しかしインターネットでは知らずに法律違反をしてしまう可能性があるので、気になるところだけでも読んでおきたい。 本書のおもな内容はつぎのとおり。 知的所有権自己責任に基づいた情報の流通を呼びかけている。 何も言わないでいながら気に入らないことがあると法律を盾にして周りの人を攻撃するのは、一種の不意打ちと言えないでしょうか?大切な注意書きをトップページの下のほうに書いたり、下の階層に入れている人がいる。そういった目立たない書き方では不十分だ。ホームページを見る人がスクロールするとは限らないし、注意して読んでも見落とすことがある。美観を損なってもタイトル近くにはっきりと書くべきだ。 また「ネットワーク上の表現の自由」の項では、次のように述べている。 公の場では、自分の道徳感に照らして恥ずかしくない表現を用いるべきだ。イントラネットという閉じられた環境で使うのならともかく、オープンなインターネットで使うメールソフトに、CCや転送機能がついているのは問題である。しかもパソコンを買うとおまけでついてくるメールソフトに。これでは何も知らずに、他人のメールアドレスをばらまいてしまいかねない。 そして「リンクと著作権」の項では、「リンクを張ること自体が著作権侵害になると考えるのは難しい」と述べている。でも一般のホームページ作成者が気にするのは、法律ではなくマナーの問題としてであろう。これまで態度を保留してきたが、私もそろそろはっきりさせようと思っている。 最後の座談会で、ルールの作り方について話し合っている。論旨は、 ルールを作るときは、問題をみんなで出し合い、議論する場が必要である。私もはじめてインターネットに触れたときに、マナー違反をしているのではないかと不安にかられた。日常空間と違い周りがよく見えないので、想像力が働かないのだ。でも今のように多くの人が参加してくると、あまりマナーをやかましく言わないほうがいいと思うようになった。個人が楽しみでやっているインターネット上でのふるまいで、悪意のないものに対してそれほど神経質になることもない。でも廉恥心という日本人が古くから持っている美徳をもう一度思い出してもらいたいこともある。もうすでに死語になっているだろうけど。
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