本屋さんの仕事『本屋さんの仕事』は、本屋にかかわる人たちが、魅力ある書店について語っている本である。語り手は、マンションの一室で開業している人からブックチェーンの大型店で働く人まで、じつに幅が広い。古書店の人もいる。 「自分で本屋を開業するのはやめた方がいいですよ」と語るのは永江朗。ブックファーストの林香公子は、 総合書店とか新刊書店で働くことを目ざす人っていうのは、いるんでしょうか(笑)。いてほしいと思うんですけど、多方面に好奇心があって、いろんなことを知りたいという人には、本屋の店頭というのはおもしろい場所だと思います。お給料は安くてもいいから、毎日楽しくやりたいと思っている人に、本屋になってほしいと思います。(p31)といきなり本屋さんのススメ。書店に向く人は、 本についての知識が豊富で、素敵な棚をつくりたいと思っている以上に、売れる楽しさを感じてくれる人ですね。どういう本を仕入れて、どういうふうに並べるとお客さんが買ってくれるのかを考えて動けて、反応として返ってくることを面白いと思える人。あと、お客さんにいろいろいわれてもめげずに気持ちよく働ける人、ですね。(p32)本屋にかぎらず、小売業にぴったりの人物像だ。私が店長ならスカウトしたい。 古本というのは、今までに出た本すべてが対象なので、いろんな手を使って、体力を使って、探してきて並べることができる。さらに面白いのは、価値が今のところ定まっていないようなものも、自分たちで「この本がいい」と思ったら、価値を創造することができる。(p52)という意見もあった。ただし、ネット古書店については賛否両論あるようだ。 巻頭には各書店のカラー写真もあって、店内のようすがわかる。書店歩きが好きな人にとっては、垂涎の一冊だ。
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