６月定例議会が終わりました（2002年7月7日掲載）

６月定例議会が終わりました

2002年7月7日掲載

６月14日開会の定例市議会が28日に終わりました。

提案された議案は少ない上に、争点となるような議案もなく前半議会はあっけなく終了。提案された議案はすべて原案通り可決されましたが、終盤国会をひかえ「有事法制」「個人情報保護法案」「住民基本台帳ネットワーク稼働」等への意見書取り扱いが大きな争点となりました。

　有事法制についての意見書を賛成多数で可決・採択

会派間調整の結果、「有事法制」「個人情報保護法案」「住民基本台帳ネットワーク稼働」についてはいずれも「慎重審議」「慎重な対応」という文面で採択となりました。　　（内容ついてはこちらをクリックして下さい。）

私は、「非核三原則遵守と有事関連三法案の慎重審議を求める意見書」を提案したほか、「町づくり条例制定」「学童保育室へのエアコン設置」の二点について一般質問を行いました。　　（本会議での質問及び答弁内容の要旨はこちらをクリックして下さい。）

議員提出議案第17号（市民連合会派提出）　賛成33（市民連合・自民・公明・共産・無所属）：反対1（無所属）

政府に非核三原則の遵守を求めると共に、有事関連三法案の慎重審議を求める意見書

政府首脳の相次ぐ「非核三原則」見直し発言が大きな問題になっている。また、情報公開請求者個人リストが防衛庁のLANに掲示されていた事件も国民から大きな批判を浴びている。

おりしも、政府は、武力攻撃事態に対処するための有事関連三法案の成立を今国会中に成立させたいとしている。

緊急事態において、国及び地方公共団体は、国民・住民の生命・身体、財産を守るため最善を尽くす義務がある。同時に、日本国憲法は、国際紛争を武力によって解決しないという平和主義を掲げており、法案が想定する緊急事態が起こらないよう平和外交を積み重ねる努力も必要である。

有事関連三法案については、「有事」の定義、自治体に対する首相の指示権・代執行権の範囲、国民の私権制限を含む「国民の協力」規定と憲法の定める基本的人権との関わりについてさらに十分な論議が必要とされているところである。

よって政府においては、非核三原則見直し発言に対してその責任を明確にし、自ら毅然とした対応をとると共に非核三原則の遵守を改めて明確にすること。有事関連三法案については、広く自治体の意見もふまえながら拙速に走ることなく国民的な議論とあわせ慎重審議を行うよう要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成14年６月27日

高槻市議会

議員提出議案第18号（市民連合会派提出）　賛成33（市民連合・自民・公明・共産・無所属）：反対1（無所属）

国民が真に求める「個人情報保護法案」の制定を求める意見書

個人情報の保護は情報社会において緊急の課題である。

しかし、今国会に提出されている「個人情報保護法案」は、先進諸国では当然とされている収集制限の原則、目的明確化の原則、利用制限の原則、安全保護の原則等の「自己情報コントロール権」が盛り込まれておらず、また、情報取扱業者への主務大臣の権限が強大である事から、公権力による民間への不当介入を招く恐れがあると懸念されている。

あわせて、報道目的の個人情報について適用除外範囲が不十分であり、国民の「知る権利」と取材の自由を不当に制限するものではないかとの批判も出されている。

よって、政府においてはこれらの問題点を整理し、本来の目的にそった「個人情報保護法案」のあり方について再検討をも含め、慎重に審議されるよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成14年6月27日

高槻市議会

議員提出議案第22号（無所属議員提出）　賛成25（市民連合・公・無所属）：棄権９（自民）

住民基本台帳ネットワークシステムの稼働に慎重な対応を求める意見書

小渕元総理大臣は、住民基本台帳法改正に当たって個人情報保護法との同時施行を当時の国会答弁で約束した。改正住民基本台帳法の附則には、「この法律の施行にあたっては、政府は、個人情報の保護に万全を期すため、速やかに所用の措置を講ずるものとする」とされている。また、高槻市議会は、住民基本台帳ネットワークシステム実施について、「住民基本台帳法改正の慎重な対応・審議を求める意見書」を平成10年3月議会で可決した。慎重な審議を求めたのは、個人情報保護法との同時施行が求められているからである。

ところが、今国会の状況では個人情報保護法案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案は、継続審議の可能性も出てきている。

このたびの防衛庁における個人情報の目的外利用で明らかになったことは、個人情報に対する国の姿勢の甘さと、民に厳しい官に甘い保護法であることである。当然、目的外利用に対する罰則規定を含めて、個人情報保護法の見直しと慎重な審議が求められる。同時にネットワークシステム施行は法案成立まで延期されるべきである。

また、住民基本台帳法の拡大利用である「行政手続きオンライン化関連三法案」も今国会に提出されようとしている。99年国会審議では、「利用目的を厳格に審査し、システム利用の安易な拡大を図らない」と衆議院で附帯決議されている。改正住民基本台帳法がまだ施行されていない段階であるにも関わらず、かつ保護法もまだ成立していない段階での提案には慎重な対応すべきである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成14年6月27日

高槻市議会

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　本会議一般質問（要旨）

（本会議質問・答弁についてはわかりやすいように、各項目毎に順番を変え、編集し直しました。ちなみにこの

以降の言葉は私のひとりごとです。）

市民参画で「まちづくり条例」の制定をめざせ！
【第一問】	岡本	高槻市は2003(H15)年4月中核市移行をめざしている。市長は「仮称『まちづくり条例』を市民参加の下で検討していきたい」と表明。第４次総合計画実施計画でも「まちづくり参加システム構築とまちづくり条例のH14年度制定」をあげている。１．中核市移行とも関わって本市におけるまちづくり条例の位置づけは。　（まちづくり条例とは、まちづくりを進める上での共通ルールー自治体の憲法―です。条例の名前にある「まちづくり」とは、道路や上下水道の整備、市街景観形成などの目に見えるハードの側面だけではなく、情報共有や住民参加などの仕組みづくりといった目に見えないソフトの側面も含んでいます）
	市長公室長	地方分権が進む中、これからのまちづくりは、市民と行政が英知とエネルギーを結集して協働する市民参加システム構築が必要。まちづくり条例は、これからの高槻のまちづくり手法の規範となるものと捉えている。 2003(H15)年４月の中核市移行を控え、また地方分権の今後の進展のための一つの基盤的なものとして本条例の意義は大きいと考えている。　（中核市になってどんなまちをめざすのか。まちづくりビジョンを明確に示すことが何より重要です）
	岡本	２．まちづくり条例のこれまでの庁内での検討経過。３．今後の計画スケジュールと策定手法は。
	市長公室長	昨年度は、庁内若手職員による研究会を設置し、市民と行政との協働によるまちづくりの現状や課題と望ましい協働のあり方、協働に関するまちづくり条例の現状などについて、情報収集並びに調査・研究を行った。本年度は、さらに具体化を進めるため､庁内関係課長と公募に応じた職員からなる検討委員会を設置し、市としての方向性とまちづくり条例の検討に際しての市民参加手法について、年内を目途に検討していく。その後市民参加の組織による検討に入るが、策定過程が非常に重要なので、情報提供・市民意見の反映も取り入れ、検討を進めていく。　（政策推進室は本気で市民参加を検討しているようです）
【第二問】	岡本	次に、基本的な枠組みをふまえた上で、三点質問する。１．めざすべき条例の内容について。ニセコ町・多摩市は自治基本条例（自治体の憲法）として基本理念にはじまり行政と市民との関係、市民参画・協働手法まで明確に規定した条例。箕面市・宝塚市は「まちづくり条例」は理念にとどめ、別個に市民参加条例（箕面・宝塚市）やNPO条例（箕面市）を制定。高槻市としては、どのような条例パターンを検討していくのか。また、条例の大きな柱となる1)まちづくりの基本原則、2)市民の権利・義務､3)情報公開・共有とアクセス権、市民への説明責任原則、4)政策形成過程を含む市民参加原則と市民協働へ支援､5)まちづくり条例と他の条例との関係について基本的な考え方は。　（私も、質問に当たって各自治体の資料を取り寄せましたが、北海道ニセコ町、多摩市の条例が進んでいます。住民投票をまちづくり条例で制度化しているところも増えてきています）
	市長公室長	本市においては、市民が市政やまちづくりに参加する権利と義務、その方法を規定する内容を主な構成要素とする条例を想定。条例の名称には「参加条例」「まちづくり基本条例」など様々なパターンがあるが、実体的に市民参加が促進・保障されるとともに、今後のまちづくりの方法の規範となる条例を目指したい。条例に含まれる内容として指摘の項目は、条例の大きな部分を占めるものであり重要な課題。先行他市の審議内容等も参考にしながら、研究を進めていきたい。
	岡本	２．策定手法について。行政主導、行政と市民との協働、市民主導と形は様様だが、公募市民によって全く白紙から策定していくやりかたもある。多摩市は2000(H12)年11月にメンバー募集をし、27回のワークショップを開催して今年の３月に「多摩市民自治基本条例試案」をまとめ上げた。本市でも、環境基本条例や市民活動推進指針はこの手法を取り入れ、新しい試みとして市民からは高い評価を受けているが、今回の「まちづくり条例」は、どのような策定手法を考えているか。　（エコスタッフ会議や市民活動促進懇話会は全員市民公募。奥本市政になってからの大きい変化です。この流れを大切にしたい。）
	市長公室長	条例の性格から検討過程こそが重要と認識。市民参加制度が大きな部分を占める条例であるとの認識のもとに、庁内検討委員会で市の考え・論点を整理し、公募も含めた市民の参加と有識者のアドバイスを得ながら、行政も加わり良きパートナーとして、それぞれの役割を果たしつつ検討を進めたい。
	岡本	３．条例策定にかかる予算について。市民との協働と言いながら、結局は「市民の意見は聞き置くだけ」と言う不満や各部局の中には依然として従来の守旧的体質が残っている。行政と市民相互の不信感を取り除くためにも、その橋渡しを行うコーディネーターの役割が重要。環境基本条例策定の際のエコスタッフ会議や市民活動促進懇話会が成功した要因の一つは、行政と市民をつなぐコーディネーターにあった。「まちづくり条例」制定を行政と市民とが共に真のパートナーシップを構築する一歩とするためにも、策定作業の中で協働という質を高める条件整備（コーディネーター派遣と予算確保）は不可欠。市の見解は。
	市長公室長	「エコスタッフ会議」や「市民活動促進懇話会」におけるコーディネーターの役割は、非常に大きいと認識。市民参加の規模や内容・費用等も含め、今後十分検討｡　（市長公室長からは質問の趣旨をふまえ満足できる答弁。しかし、まだまだ市民参画が全庁的な意識になっていないのが残念！）
【第三問】	岡本	情報を知る権利、情報公開と応答責任、市の計画立案・策定・決定・実施・評価の各段階への参画が担保される仕組みづくりが盛り込まれなければ市民参加、市民との協働はかけ声だけに終わる。条例策定作業を通じて、「市民との協働」という意味をさらに高い段階へ。そのための行政職員の意識改革も不可欠。同時に、市民の側もレベルアップすることが必要。対立ではなく協働の関係をつくる橋渡し役を行うコーディネーターの重要性はそこにある。エコスタッフ会議や市民活動促進懇話会で得た成果を、今回の「まちづくり条例」策定作業に生かすためには、当初予算の250万円では余りにも少なすぎるのではないか。協働の質を高めるにも政策形成費も含めて弾力的な運用を。自立・分権型社会をめざす中核市にふさわしい新しい市民参加の形の追求と成果の上がる取り組みを重ねて要望する。　（パートナーシップとはお互いがそう呼べる関係のこと。協働がかけ声だけにならないようにしっかり監視していきたい！）
学童保育室にエアコンの設置を！
【第一問】	岡本	これからいよいよ夏場を迎えるが、施設によっては40度を超えることもある学童保育室へのエアコン設置は、保護者からの永年の切実な要望。教育委員会も実態把握に努め、1999(H11)年度には国の少子化対策特例交付金を活用してとりあえずプレハブ教室へのエアコン設置にふみきった。しかし、エアコン設置は39室中12室で、未設置の学童保育室についての今後の計画は未だ示されていない。そこで三点質問する。１．夏季の学童保育室の実態について。教育委員会は、1998(H10)年度より夏季の各学童保育室の温度測定を行っているが、昨年夏の各学童保育室の最高室温の実態について最も高かったところで何度、最も低かったところで何度であったのか。
	社会教育部長	未設置の学童保育室の室温は、昨年夏の計測時(11時・13時・15時)で最高室温は41度、平均室温は33．9度。最低室温は計測していない。　（学童保育室の夏の暑さは想像を絶します。部長が41度と答弁した時は、議場からもどよめきが。41度は南平台と芥川の学童保育室。堤・奥坂学童保育室が40度。エアコン未設置の全学童保育室の最高室温平均は37.7度です）
	岡本	２．学童保育室にエアコン設置する際に要する費用、機器本体、工事費を含めた額は。
	社会教育部長	電気のエアコンの場合、キュービクル(電気容量変圧器)の変更が必要となり、相当なコスト高。そのため、ガスヒートポンプでのエアコンとなり、工事費を含む本体価格は平均で１か所あたり約250～300万円。ランニングコストとして、1か所平均、年間で約10万円が必要。　（以前は、キュービクルの変更だけでも膨大な予算が必要と言ってましたが、ガスエアコンなら割安に。すると、今度は１室あたりは安いが全部につけると約６千万円も必要と。結論はつけたくない？）
	岡本	３．未設置の学童保育室へのエアコン設置の考え方と今後の計画は。
	社会教育部長	今年度、未設置の学童保育室27か所のうち、保育環境が他の余裕教室活用の学童保育室より条件の悪い４か所についてエアコン設置を予定。今後の計画については、児童の健康管理上の課題と認識しながらも、各学校長に視聴覚室や図書室等エアコンの設置されている涼しい場所の利用をお願いし、他の児童施設との関連や受益者負担のあり方等を含め、引き続き研究。　（保育所にもまだ全部ついていないと言いたい？　受益者負担のあり方含め研究とは、エアコン設置と引き替えに将来の保育料の値上げも想定？　二問目はやむなく要望に。）
【第二問】	岡本	残り23室については引き続き研究とのことだが、教育委員会も室温調査で最高気温が41度に達する学童保育室がある事は十分承知しているはず。40度を超えるという状態が保育室の環境として放置していて良いのか。ガスヒートポンプ方式で１室あたり250万～300万という設備費は決して予算化できない額ではない。他の児童施設との関連も言われたが、保育所は年次計画を立て整備が進行中。残り23室について、少なくとも今後の計画を明確にすべき。夏場、子どもたちを学童保育室に通わせている保護者、そして当事者である子どもの立場に立って、再度、早急な検討を強く要望をしておく。　（とりあえず、今年度４室整備は実現。「児童の健康管理上の課題と認識」という本会議答弁を下に引き続き声を大に！）

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