市立小中学校の規模等の適正化について及び市立養護学校の今後のあり方について（答申）

市立小中学校の規模等の適正化について及び
　　　　　　　　市立養護学校の今後のあり方について（答申）

2001/05/13掲載

市立小中学校の規模等の適正化について

１．市立小中学校の現状と課題（略）

２．適正規模の基本的な考え方（略）

３．統廃合を含む適正規模化の検討（略）

４．具体的対応

１）統廃合の検討

① 当面の対応として、3小学校区以上からなる中学校区で、複数の小規模学校（注：１学年１学級が生じる12学級未満の小学校）が存在する場合は、当該小学校を統廃合するとの考え方にたって、柳川中学校区の牧田小学校と玉川小学校について、及び第十中学校区の堤小学校と竹ノ内小学校については、いずれかの小学校の統廃合を検討。

3小学校区以上からなる中学校区で、小規模小学校が存在する場合も、当該小学校の統廃合を検討するとの考え方にたって、第一中学校区の庄所小学校、川西中学校区の川西小学校についても統廃合を検討。

②長期的課題として、準小規模小学校（注：今後10年間にわたり12学級の状態が継続すると予測される小学校）の中で、特に児童数が360人以下になる小学校については、今後、児童数の推移を見極めながら検討（第三中校区、第六中校区）

市立養護学校の今後のあり方について

１．市立養護学校の現状と課題

１）市立養護学校の現状（略）

２）市立養護学校の課題

① 状況の変化

障害の重度重複化と在籍児童生徒数のピーク時の半数以下への減少など、集団教育の側面での教育効果が期待しにくくなっている。

居住地校との交流教育も完全週5日制実施を控え、機会の工夫などが教育上の課題。

地域の小中学校養護学級の充実で、障害のある児童生徒の約80%は居住地の小中学校養護学級に通学。

② 設置目的の解消

市立養護学校設置当時、散見した障害児童生徒の就学猶予・免除といった、実質的に教育保障を欠いた状態は今では解消。

養護学校という補完的役割としての市立養護学校の目的は一定達成された。

③ 障害児教育における役割分担

地方分権の時代において、各自治体が適切な役割分担と連携協力を行い、ノーマライゼーションからインクルージョンと言われる障害児教育の一層の充実が求められている。

２．今後のあり方について

１）審議の経過（略）

２）市立養護学校の今後のあり方

① 障害児教育の経過

② 意見の集約

各委員からは様々な意見が出されたが、敢えて養護学校の存続、廃止の視点から集約すれば、存続発展を主張される少数意見と、発展的な解消も含めて、然るべき条件整備により廃止するべきであるという大方の意見に大別された。

存続発展の意見としては、市立養護学校を必要とする子ども達や保護者の気持ちを受け止めるとともに、医療的ケアの保障やセンター校的機能など、市立養護学校の存続とともに、養護学級等の施設を含む障害児教育そのものの充実をも求めるものである。

なお、存続か廃止かというかたちで白黒を明確にすることは難しく、生活ケアとして、障害児教育の環境整備の充実が必然的に解消に導くであるとする意見も出された。

一方、条件整備による廃止の意見としては、市立養護学校設置以来の歴史的経過や現状及び設置義務施設としての府立養護学校の現状、ならびに現行法制度下での障害児教育の大きな流れ等からして、市が単独で養護学校を存続維持する事には無理があるとの認識に立ちながらも、障害のある子ども達を地域で受け入れていこうとする障害児教育の動向等にも考慮し、いわば発展的解消として、養護学級の充実をはじめ、障害児教育の充実に配慮し、廃止するべきと言う意見。

そして、重度重複障害のある児童生徒の教育保障を考慮しつつも、障害児教育の今後の方向性までの審議は困難でもあり、最大限度力するべきこととして、保護者の不安解消と現在市立養護学校に在籍する児童生徒の教育条件が低下しないことを第一義として捉え、通学保障や個々の事情に応じた就学指導等を含めた丁寧な対応を行って廃止するべきと言う意見などがあり、そのニュアンスには多少幅を持った意見が示された。

又、市立養護学校を廃止するべきではないという意見においても、そのような条件整備の内容如何によっては、必ずしも市立養護学校の恒久的な存続が不可欠でないという趣旨を示唆した部分があった。

さらに、本審議会で提言・指示すべき範囲のものではないが、今後の障害児教育の充実発展と、地域の小中学校における養護学校の一層の充実整備は、大阪府への働きかけも含めた検討課題として、非常に重要であるとする意見も展開された。

このような論議の中で、共通の要望として、今後、高槻市教育員会が大阪府教育員会等の関係機関や保護者をはじめとする関係者と十分時間をかけて協議し、市立養護学校に在籍する児童生徒への通学保障について、早急に課題整理を行わなければならないと、全委員から異口同音に表明された。

以上のような様々な議論と意見を集約し、本審議会の多数意見としては、市立養護学校の今後のあり方については、とりわけ在籍児童生徒への通学保障を行った上で廃止やむなしと考えるものである。