講演会には、毎日新聞社会部記者で、全日本手をつなぐ育成会権利擁護委員会で委員長の野沢和弘さんをお迎えしています。この委員会では、97年秋、弁護士、学者、マスコミ関係者、知的障害福祉の専門家に親の立場の委員を加えて、組織され、相談活動を通して、知的障害のある人とその家族の権利擁護事業を行ってきました。
また、99年2月1日創刊の「イエローカード」には、知的障害のある人たちにふりかかる人権侵害の現状に警鐘を鳴らし、多くの人に現状を知っていただくために発行されています。こうした情報を得ることで、私たち親にも少しずつ、その問題点が見えてきたように思います。知的障害者が被害者になったときも、あるいは、社会的なトラブルで加害者になった時も、従来に法の下では、充分にその人権が守られることが少なく、充分なサポートのないまま、本人が理解もできない状態で処理されてきたことが、浮き上がってきました。
学校や職場でのいじめ、施設での人権侵害、訴えも届かない社会の壁、こうした無理解を打破することを恐れ黙認してしまう周囲。私たち親までもが、あきらめたり、泣き寝入りしたり、こうした人権侵害に知らず知らずに加担してしまってはいないか。
委員会に寄せられた沢山の情報をもとに、どのような法的体制が必要なのか私たちも勉強したいと、お忙しい中を時間をとって大阪まで来ていただけることになりました。比較的、障害者に理解があると思っていたこの高槻でも、知的障害者に関わる人権侵害の問題が耳に届いてきます。杞憂にすぎないと言うことだけならいいのですが、世の中が少し変わってきていると不安に感じるのは私だけでしょうか。
どうぞ、会員だけでなく、ひとりでも多くの仲間に呼びかけて、この講演会を聞いてほしいと願っています。 (河合)
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