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新たな学校改革へ「高槻市教育改革懇話会」が提言
2000/04/28掲載

4月5日、池田寛・大阪大学人間科学部教授を会長に議論されてきた「高槻市教育改革懇話会」の提言がまとめられました。「21世紀への新たな学校づくり − パートナーシップに基づく学校創造」と題するこの提言は、地域教育協議会や学校評議会の設置、民間校長登用の検討など改革への大胆な方向性を打ち出しており、その具体化が期待されます。



学校内改革だけでは限界 地域・保護者と改革論議を

提言は「現状を維持することは、学校と社会の間の乖離をますます大きくし、病巣を深刻にしていく」と指摘し、「学校改革が必要との外からの声がいかに大きくても自己改革への学校自体の姿勢が欠けていたら前にすすまない」。同時に「改革が学校内だけの声による独善的改革になってはならず、多くの時間とエネルギーを要するとしても、保護者、地域と議論を重ね地域に支えられる学校づくりが改革の基本」と指摘しています。以下に、その要点を紹介します。


提  言  要  点


1.教職員体制の活性化

1)教職員研修の充実と教職員カウンセリングの機会提供

・異業種研修、体験実習、グループワーク、参加型学習など研修形態の工夫改善。
・子どもの変化に対応できない教職員へのカウンセリング体制の整備。
 
2)学校支援ボランテイアの活用とNPOとの連携

・学校教育を教員だけで担うのではなく、保護者・地域住民が共に担う事による学校活性化。
・環境教育、安全教育、国際理解教育等NPOの協力を得て、専門性と実体験を通した学習の推進。

3)学級編成と教職員定数

・総合学習のコーデイネーター、小学校での英会話教育、情報教育、ボランテイア教育推進のための専門教員配置について、国・府施策との整合性を図りつつ検討。

4)教職員の年齢構成のゆがみ是正

・教職員年齢の高齢化が学校の人的活性化に影響。市独自制度として、若年非常勤講師、教育委員会所属のフリー教員制度検討。


2.基礎的な学力の重視と学習内容・方法の改善

・これまでの一斉授業にとどまらない新たな学習方法と内容の創造(選択学習、習熟度別学習等)。


3.総合的学習の創造

1)総合的学習の推進

・知識偏重から参加・体験を重視した子どもの意欲的、主体的学習への転換。
・各学校における特色的カリキュラム編成と保護者等への説明。
・学習展開の十分な研究と確かな実践。

2)総合的な学習を進めるための学校支援

・カリキュラムセンター事業、学校支援人材バンク事業等の支援事業を活用し、学校間格差をなくす。
・子どもの「なぜ」という疑問、調べ学習のための学校図書館司書等の人的配置、施設・設備の改善充実。
・学校外活動への支援策、体制の整備。

3)子どもの野外体験・自然体験施設の整備


4.子どもの声を反映するシステムづくり

1)学校づくりへの子どもの参加・参画

・子どもの意見発表、意見表明の機会と場が少なく、子どもの持っている力が十分に発揮できていない。
・児童会、生徒会という自治組織を活性化し、参加・参画意識が生まれる活動内容の考慮と子どもの声を学校諸活動に反映、実現を図る具体的手だてを示す。

2)子ども会議の組織化

・各学校や地域社会における子どもの活動を全市的な取り組みへと反映させるシステムづくり。

3)子どもによる情報発信

・インターネット、CATVを通じ、主体的な子どもの情報創造、発信機会の提供。


5.特色ある学校づくり

・校長の学校経営能力、教職員の学校経営参画意識の高揚、組織体制の確立、学校裁量権の拡大、学校財務システムの確立。
・樫田小学校を全区域から通学できる学校とする「特認校」の検討。


6.地域教育協議会、学校評議会の設置に向けて

1)地域教育協議会の設置

・学校を核とした地域社会の子育て機能の再構築を図るシステムとして、地域関係機関、団体、企業などによる学校及び地域社会における子どもの諸活動支援を行う「地域教育協議会」の早期実施。
・関係者をつなぐコーデイネーターの役割を重視して組織編成に取り組み、子どもの参加と声の反映の場としてもいちづける。

2)学校評議会(学校評議員制)の設置

・学校目標、活動の地域社会における検討・評価、地域住民の声を直接反映するシステムとして「学校評議会」(学校評議員制)の設置。

3)PTA活動の活性化


7.子育て支援、子育てネットワークの構築に向けて

1)子育て支援センターとしての幼稚園・保育所の機能強化

2)子育てグループの育成

3)子育てへの父親の参加促進


8.学校のアカウンタビリテイの確立

1)学校の教育目標の明確化と説明責任

・学校教育自己診断をすべての学校で実施し、教育内容・方法と評価を保護者や地域社会に説明する責任。

2)学校の施設改善等について保護者・地域住民の声の反映

3)学校改善に向けた新たな手法の導入

・民間校長の登用により学校経営に外部の経営能力・技術を導入し短期的に学校の全面的活性化を図ろうとする「スーパー校長制度」導入も視野に入れた検討。

高槻市教育改革懇話会委員名簿(50音順)

会 長  池田 寛   大阪大学教授
副会長  奥村 光雄  高槻市コミュニテイ市民会議議長
委 員  足立 聖   高槻市立松原小学校教諭
委 員  岩井 淑   のびてゆく幼稚園園長
委 員  大仲由香子  高槻市立阿武山小学校教諭
委 員  神原 文子  相愛大学教授
委 員  岸田 強   高槻市立柳川小学校校長
委 員  島崎 慶子  高槻市立三箇牧幼稚園園長
委 員  高崎 幸子  ピアノ教師
委 員  竹下 幸男  高槻市立城南中学校校長
委 員  田中 一男  高槻市PTA協議会会長
委 員  田中 博之  大阪教育大学助教授
委 員  前内 宏文  高槻商工会議所工業部会会長