☆コスプレッ娘えっち☆

 

ぴんぽ〜ん

 

「は〜〜〜い」 

 

開かれた玄関、

そこに現れたメイド服の女の子、

ごく普通の1人暮らしアパートには似つかわしくない格好だ。

 

「あの・・・あしりんさん?」

「なーに?」

「もう・・・コスプレしてたんですか?」

 

少しあきれた口調で驚きを訴えた僕。

 

「だってー、つい着たくなっちゃったんだモン!」

「うーーーん・・・普段からそうなんですか?」

「今日は君が来るから特別!さ、入って入って」

 

促されて入ると、

あまりの中の様子に圧倒される。

 

「うわっ・・・すごい服の数・・・いったいいくつあるんだろ?」

「さあ?100は絶対あるよー」

「すごい・・・壁一面服だらけ・・・」

 

びっちりかけられた服はコスプレ用だけあって、

色は目に鮮やかなんだけど、ちかちかする・・・

床にも沢山積み重なって、大変なことになっている。

☆服だらけ☆

「あしりんさん、これ、服で泳げますよ」

「だ・か・ら〜、君を呼んだの!さあ、片付けましょ」

「あ、はい・・・でも、どこをどう手をつけていいか・・・」

 

う〜ん、コスプレーヤーの見てはいけない一面を見てしまった。

 

「えっと、まずは畳めばいいんですか?」

「そうねー、古いアニメやゲームのはもう処分するから」

「捨てちゃうんですか?」

「うん、ほら、夏コミを前にまた新しい服が届くから、この機会に減らさないと」

「もったいない・・・でも確かに減らさないと、これは・・・」

 

適当に服を拾う、セーラー服か・・・

 

「あ、それはセンチの服ね、センチメンタルグラフティ。古いからいらない」

「じゃ、じゃあ捨てますね、えっと・・・」

「このゴミ袋に入れて」

 

もったいないな、と思いながらも突っ込む。

 

「この服は何ですか?」

「それ?ピアキャロの服。あと2種類同じ所にない?」

「あ・・・あった、これは?」

「ん〜、まとめて捨てていいよ」

「はい・・・」

 

来て落ち着く暇もなく服の整理がはじまった、

だって落ち着く場所が無いから・・・とにかくがんばろう。

僕は一つ一つを確認しながら、コスプレイヤー・あしりんのコスプレ服を片付ける。

 

「あの、あしりんさん、セーラームーンですよねこれ?」

「うん、その色はマーキュリーね、私がはじめてコスプレした年に作ったやつ」

  「どのくらい前ですか?」

「6年前、14歳の時。ちょっと久々に出して着てみようと思ってたやつなの」

「へー・・・ほんとだ、サイズが結構、ちっちゃい・・・」

 

その時のあしりんさん、見てみたかったな。

 

「これも捨てるんですか?」

「そう・・・あ、待って!その前にちょっとそれ、着てみる」

「ええっ!?」

「・・・あ・と・で・ね」

「あ、はい・・・じゃあこれは畳んで別にしてこっちへ・・・」

 

こんなにちっちゃいの、今20歳のあしりんが着たらどうなるんだろう・・・

 

「あしりんさん・・・どれくらい捨てるんですか?」

「んっとね・・・全部捨ててもいいかも」

「え?な、なんで?」

「さすがにハタチになったから、もう引退しようと思って」

「だって、やっと有名になりはじめた所じゃないんですか?」

 

そんな、もったいない・・・

 

「んー、別にプロになる気ないし、キャラが好きでやってただけだし、それに・・・」

「それに?」

「こういうのは歳とってからやるもんじゃないから」

「だってまだハタチじゃないですか」

「もうハタチなの、だから今年の冬コミで引退」

 

そんな・・・

憧れのあしりんさんが引退だなんて・・・

 

「ふう、やっとベットの上が片付いた」

「ええ?じゃあ今まで服に埋もれて寝てたんですか?」

「ちょっとはね、でもほとんどは壁にかけてたのをさっき置いたの」

 

ベットに腰掛けて休むあしりん。

あのメイド服・・・まほろまてぃっく、とかいうアニメの・・・

って見とれてないで服の整理を・・・って、こ、これは、これはああああ!!

 

「あしりんさん!こ、これ・・・」

「あ、ごめん、下着落ちてた?」

「やっぱり・・・コスプレ用じゃなく、普通のブラですよね・・・」

 

そのスポーツブラをあしりんの足元へ置く。

 

「ねえ、もうゴミ袋いっぱいでしょ?こっち持ってきて」

「あ、はい・・・全部捨てるのもったいないですね、売ったりは?」

「やーよ、誰に何に使われるかわかんないから」

 

確かに・・・ネットオークションで「あしりん使用済みコスプレ衣装」として売ったら、

高くは売れるかも知れないけど、口では言えないような使い方する人もいるんだろうな・・・

 

「あ、チャイナドレス、これはサクラ大戦の・・・」

「そう、それに似合うのはこれ!!」

 

ベッドの下にはガチャガチャと山のように小物があり、

その中から丸眼鏡を取り出した・・・紅蘭用の眼鏡だ。

 

「そんなのまで・・・」

「紅蘭の服は高かったの〜、神戸行った時に見つけて買ったんだから」

「その・・・この服たち全部でいくらくらいなんですか?」

「さあ?ほとんど手作りだからそんなにはかかってないけど6年分だからね

「どうりでバイトの時間が多いはずだぁ」

 

シフト表を見ると僕の3倍は働いてたからなあ・・・

 

「あ、そっちのほう片付けてて」

「はい・・・あ、でじこのキャラ、これなんだっけ・・」

「それももういいかな、捨てて」

 

袋に入れる・・・

あ、また制服系だ、これはどのアニメ?

 

「あしり・・・ん!」

「へへへ〜〜」

 

ベットの上でチャイナドレスに着替えてる真っ最中!

こっちを見ながらいたずらっぽく微笑んでる・・・

黄緑色の下着が丸見えだ、あわって目を服の山へと逸らす。

 

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