ブロロロロロロ・・・

 

夕日をバックにゴーカートを走らせる僕、隣には雪沙ちゃん。

 

雪沙「カーブだよ〜〜」

僕「はい、きききききーーー」

 

今度は夕日に向かって走る。

かわいいドライブだな、今年中に自動車の免許も取ろう。

 

僕「雪沙ちゃん、車でどこ行きたい?」

雪沙「ふたりっきりになれるとこ〜」

僕「じゃあ、海までだね」

雪沙「おにぃちゃんすてき〜」

僕「はは・・・あ、もうゴールだ」

雪沙「もういっしゅ〜〜」

僕「残念、それは無理みたい」

 

先についていた雪巳ちゃんたちが迎えてくれる、

結構広くて長いコースなのに走ってしまえばあっという間だ。

 

僕「もう夕日が沈んじゃったね」

雪巳「夜のパレードまでもうちょっとあるよー」

雪菜「そこの・・とび出す映画館・・見たいです」

雪沙「とびだすんだって〜〜」

僕「じゃあそこだな、涼しそうな館内だし、入ろう」

 

・・・・・・・・・

僕らは「とび出す3D映画館」を満喫した。

・・・・・・・・・

 

雪沙「ほんとにとびでた〜〜」

僕「雪菜ちゃん、ずっと3D眼鏡の先を手で触ろうとしてたね」

雪菜「ほんとに・・目の前に、きてた、です・・・」

雪巳「あー、夜のパレードの場所とろーよー」

僕「うん、昼のパレードは適当に見てたから、夜はしっかり見よう」

 

どこがいいかなー・・あ、確かあの橋の上がいいんだっけ、

間近で見るより広い視野で眺められるから・・・柵に3人を並べさせる。

 

僕「ここが穴場だったはずだよ」

雪巳「はやくこないかなー」

雪菜「後ろに・・あつまってきた、です・・・」

雪沙「おにぃちゃんは2列めでいいの〜?」

僕「うん、身長があるからね」

 

そして午後7時半、パレードの時間がやってきた。

 

アナウンス「それでは只今より、東京エキセントリックパレードを行います」

 

♪ちゃんちゃらら〜〜っ♪ちゃんちゃんらんらんちゃんちゃらら〜〜〜〜っ♪

 

雪巳「なかなかこないねー」

雪沙「まだかなまだかな〜〜」

雪菜「あ・・きた・・・きれい・・・」

僕「ほんとだ、ぞろぞろと・・・幻想的だね」

雪巳「うんー・・・」

 

目の前をきらびやかな妖精たちが通っていく・・・

ネズミーやミミーたちがどうしてこんなに人気あるのかがわかる、

そこには日常を忘れさせ、童心とでは言い表せない何かを僕の心へ響かせてくれる・・・

 

僕「あれ?雪巳ちゃん、どうしたの?」

雪巳「・・・ううん、なんでもー」

 

☆じーー・・・☆

 

ぼくをじーーーっと見て・・・

しばらく見つめ合ったのち、パレードに目を移した、

何だったんだろう、僕が一番前に並んでない事に気を使ってくれたのかな?

雪巳ちゃんだって今日はかなり雪沙ちゃん雪菜ちゃんの世話に、フォローに回ってくれていた、

1歩ひいた感じで・・・でも、ちゃんと楽しんでくれているようだし・・何より僕も物凄く楽しんでいる。

 

・・・・・

 

雪沙「もう行っちゃった〜」

僕「でも45分くらいは見てたよ」

雪菜「この後は・・・花火、です・・・」

僕「それはどこからでも見れるね」

雪巳「あれに乗ったらよく見れるかなー」

 

あれ、って・・・ロケットジェット、空中で回るロケットだ。

 

僕「面白い考えかも!並ぼう」

雪沙「うん〜、くるくる回ってる〜〜」

雪菜「2人乗り・・・私の番・・・です」

雪巳「ロケットに縦に並んで乗るみたいー、雪沙、私の前に座りなよー」

僕「じゃあ僕は雪菜ちゃんを後ろからしっかり支えてあげるよ」

 

ロケットに乗る、

まずは後ろになる僕が足を拡げ伸ばして乗って、

その足の間に雪菜ちゃんが座って足を伸ばす・・なんちゅう乗り物だ、

カップルにピッタリな乗り物その2、ってガイドブックにあった通りだな、

あ、浮上してきた、加速して・・回りはじめた!ネズミーランドの夜景が綺麗だな〜〜〜・・・

 

ひゅーーーーー・・・どーん!!

 

僕「わ、花火!」

雪菜「あわ・・あわわわわ・・・」

僕「雪菜ちゃん、花火見れる?」

雪菜「それ・・どころじゃ・・ない・・・です」

僕「ちょっとハードだったか・・・」

 

確かにこうグルグル回っていては、

落ち着いて花火を眺める事なんてできない!

作戦失敗か、たまにはこういうこともあるよ、うん・・・

 

・・・・・

 

僕「雪菜ちゃん?もう止まったよ?雪菜ちゃん?」

雪菜「はわ・はわわわわ・・・」

僕「目が回ってる・・・おぶってあげないと・・よいしょ、と」

 

ひゅーー・・どーん!どーん!どーん!

 

雪巳「花火まだあがってるー」

僕「やっぱり下で落ち着いて見るもんだよ」

雪沙「上もたのしかったよ〜?」

雪菜「・・・・・きれい・・・」

僕「あ、雪菜ちゃん、気がついた?もうホテル行こう」

 

閉園は午後10時までだけど、みんなあきらかに疲れてきてるもんな、

僕も足が痛くなってきた・・・コインロッカーで荷物を取って、シーのホテルへ向かおう。

 

 

 

沢山の帰り客と一緒にネズミートレインに乗る、

しかし僕らはJRの駅前ではなくネズミーシー駅で降りる、

逆のホームではシーを満喫したであろう帰り客が一斉に乗り込んでる・・・

 

僕「さあ、これからネズミーシーで遊ぶぞー!」

雪巳「えー、いまからー?」

僕「冗談だよ冗談!でもこの時間にシーに入るのは僕らくらいかも」

雪菜「他のお客さんも・・・泊まると思うです・・・」

雪沙「もうねむくなってきちゃった〜〜〜」

 

ネズミーシーの正面に来た、

みんなゾロゾロ帰っていってる・・・

僕らは横にあるホテル・パンナコッタ専用出入り口を通る。

ガードマンにホテルへの入場パスを見せて・・あ、係員が来て荷物を持ってくれた、

そのままフロントへ案内される・・・豪華だ、イギリスの宮殿みたいな内装だよ。

 

フロント「いらっしゃいませ」

僕「は、予約した・・・」

 

宿泊証明書とクレジットカード、それに秘密の封筒を渡す。

 

フロント「確認いたしました、それではお部屋のほうへご案内させていただきます、507号室となります」

 

さすがにもう三姉妹とも眠そう・・・かな?

雪沙ちゃん雪菜ちゃんは目がトロケはじめている。

案内された部屋を入ると・・・広い!そして窓の外は一面の!!

 

雪巳「ネズミーシーだぁーー!!」

雪菜「まだ・・やってる・・・みたい・・・」

雪沙「うみ〜うみ〜、あそこに明日いけるんだよね〜」

僕「正確にいうと、もう来てるんだけどね」

雪巳「夜9時半過ぎてもまだ遊べるんだー」

 

潮風が気持ちいい・・・

それよりこの部屋、ネズミーさんだらけだ。

 

雪巳「この部屋の鏡、ネズミーさんの形してるー」

雪菜「ゆかたも・・・ネズミーさんの模様・・・」

雪沙「電気もネズミーさんだよ〜?スリッパも〜〜」

僕「お風呂はどうかな・・・石鹸もタオルもネズミーさんだ!」

雪沙「ひろ〜い!おふろはいる〜〜〜」

 

早速お湯を入れる雪沙ちゃん!

今からお風呂・・・時間的に大丈夫かな?アレ・・・

 

・・・・・・・・

 

僕「雪菜ちゃん、ずっと外見てるね」

雪菜「人が・・へっていくの・・・見てるの・・・」

僕「もう10時だもんね、閉園の時間」

雪菜「でも・・・お土産売り場、混んでるみたい・・・」

雪沙「お風呂、お湯たまったよ〜」

雪巳「じゃあ入るー?」

 

ぴんぽ〜〜ん

 

来た!!!

 

僕「お客さんだからお風呂待ってね」

 

ドアを開けると、そこには・・・!!

 

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