それから色んなアトラクションを夢中で乗り回ると、

いつのまにか夕日が沈もうとしていた、時間なんてあっという間だ。

 

雪絵「つぎはぁ〜・・・」

雪音「あっちまだかなぁ〜」

僕「あー、もうそろそろ時間かな」

雪菜「夕方のショー・・・です・・・か」

僕「ううん、家に帰らないと・・・」

 

〜〜♪〜〜〜♪♪

 

僕「あれ?携帯が鳴ってる・・・もしもし?」

雪巳「あー、お兄ちゃーん?」

僕「雪巳ちゃん?どうしたんだい?」

雪巳「晩御飯どうするんだっけー?今から作るけどー」

僕「あー、そういえば何て言ったっけ、言わなかったかも?」

 

ネズミーシーで食べるつもりではいたけど、

帰らなくちゃいけない時間を考えると、家で食べた方がいいかも。

 

僕「うーん・・8時には家に帰らないと雪絵ちゃんたちがまずいよね?」

雪巳「8時だと多分、もうこっちの家に泊めた方がいいと思うよー」

僕「そっか・・・じゃあ僕の家に泊めるんだったら、もうちょっと遅くなっても同じ事だよね?」

 

雪絵ちゃん雪音ちゃんも、まだもうちょっと遊びたいみたいだし。

 

僕「ごめん、雪巳ちゃん、じゃあ雛塚のお母さんに言っておいてもらえるかな」

雪巳「わかったー、パパでもいいー?酔ってないパパだったらすぐ話せるからー」

僕「うんお願い、そういう事だから夕食はそっちはそっちで済ませておいて」

雪沙「・・・・・おにぃちゃ〜〜〜〜ん♪♪」

僕「わ!雪沙ちゃんっ!!」

 

声が右耳から左耳に通り抜けるかと思ったよ。

 

雪沙「おにぃちゃん、ちゃんとなりゆきゆ〜ことき〜てるぅ〜?」

僕「うん、いい子にしてるよ」

 

と、いうことにしておこう。

 

僕「じゃあ也幸くんに変わるね、はい」

也幸「・・・?」

雪沙「なりゆきぃ〜〜〜〜!!」

 

あーあ、也幸くんに携帯渡しても、

普通に雪沙ちゃんの声が漏れてるよ、よく通る声だ。

 

雪沙「ちゃんと言うこときかないと、おしおきだよぉ〜〜〜」

也幸「!!!!!!(コクコクがくがくぶるぶる)」

 

怯えてる・・・雪沙ちゃんのお仕置き、どんなのだろうか。

 

也幸「!!!(さっ!!)」

僕「そんな押し付けるみたいに・・・もしもし雪沙ちゃん?」

雪巳「もう!雪沙とっちゃだめー・・お兄ちゃんごめんー」

僕「いいよいいよ雪巳ちゃん、じゃあ、帰りちょっと遅くなるから」

雪巳「寝ないで待ってるねー」

 

電話を切ると雪絵ちゃん雪音ちゃんはもう行き先を決めたみたいだ。

 

雪絵「このまわるのぉ〜」雪音「おにぃちゃんのせてぇ〜」

僕「わかった、じゃあそれに乗ったら夕食にして帰ろう」

雪菜「カメラの残りも全部・・・とる・・・です」

僕「うん、フラッシュついてる?あと、帰りにもう1度だけお土産やへ寄ろう」

也幸「!!!(コクコクコク)」

 

先月みたいに、花火をバックにして帰る感じかな・・・

 

 

 

 

 

夕食の海底中華バイキングを食べ終え、

みんなで最後のお土産を物色する。

さすがに混んでるから別行動できない、

特に也幸くんはしっかり捕まえておかなくちゃ。

人が多いうえに広いから、見失ったら大変なことになるから・・・

 

僕「最後にこれだけは買って欲しいっていうもの、ある?」

雪絵「ふくぅ〜」雪音「きるものぉ〜」也幸「!!(コクコク)」

僕「わかった、それが終わったら、僕は雛塚家用のも買わなくちゃ」

雪菜「雪絵と雪音は・・・私で見てあげる・・・です」

僕「うん、はぐれない程度に離れた所で見てるよ」

 

とはいえ也幸くんを捕まえている以上、

そんなに遠くへは逃げられないんだよなー

そして雪菜ちゃんを先頭に、子供用下着売り場へ・・・

シャツとかじゃなく、まず下着からか、そりゃそうだよな。

僕は也幸くんのを選んであげよう、何でもいいよな・・・サイズってどうなってるんだ?

 

也幸「!!!」

僕「あ、このサイズ?で合ってる?」

也幸「・・・(コクッ)」

僕「じゃあこれでいい?」

也幸「・・・・!(さっ!)」

 

指をさしたのは、

女児用パンツ!猫の柄のやつだ。

 

僕「駄目だよ!猫の絵がいいかも知れないけどこれ女の子用だよ」

也幸「!!!(ふるふるふる)」

僕「ほっぺたふくらませて首ふっても駄目!」

也幸「・・・・・(うるうる)」

僕「男の子用は・・・このかっこいいウサギのキャラクターのでガマンしなさい!」

 

籠に放り込む・・・

いくら欲しいの買ってあげるっていっても、

女の子用は駄目だ!まあ家で履かされたりはしてたけど、

一応、パンツの造りが違うんだし・・どう違うんだ?あ、そっか、出すとこか。

なんてくだらない事を考えてないで次はシャツだな、雪菜ちゃんはどうだろう?

 

雪菜「もう選んできた・・・です、はい」

僕「じゃあこの籠へ!次はシャツかな」

雪菜「スカートも買ってあげたい・・・です」

僕「うん、だったら也幸くんのズボンも・・・」

也幸「!!!」

 

何かを見つけたみたいだ、

僕に掴まれてるもんだから逆に僕の腕を引っ張る、

何を買いたいんだろう?連れて来られた場所は・・・

 

僕「クッションだね、丸い座布団、子供用か」

也幸「ーーーーー!!」

僕「家にある四角い座布団じゃ駄目なの?」

也幸「ー!ーー!!!」

僕「・・・800円か、いいよ1個だけね」

 

きっと「自分だけの」が欲しかったんだろう、

僕の家にある座布団は結局僕のだ、也幸くんのじゃないから・・・ 

下の家に帰ったら枕にも使えるだろう、取り上げられなきゃいいけど。

 

僕「じゃあ僕も自分用に1つ何か買おうかな・・・」

 

 

 

 

 

沢山のお土産を抱えてシーの出口へ向かう、

まずい、両手が塞がってるから也幸くんを捕まえていられない、

いま逃げられたら投げ出してでも捕まえなきゃ・・・と言いたいけど大丈夫そうだ。

 

也幸「・・・・・(うつらうつら)」

雪菜「也幸、半分寝てる・・・です」

雪絵「わたしもねむい〜」雪音「ねむぅ〜い」

僕「遊びすぎたからね、帰るとなると気も緩むし」

雪菜「也幸・・・引っ張ってあげるから・・・」

 

也幸君を半分引きずるみたいにして・・・

お姉さんしてるなー、小6と小1だからな、也幸くんも何とかついていく。

 

雪絵「かったおみやげみたいぃ〜」

僕「歩きながらは駄目!電車に乗ってから!」

雪音「きょ〜みんなでとったしゃしんはいつできるのぉ〜?」

僕「明日現像に出すから出来上がりは明日か明後日」

雪菜「あ・・・歩いて帰る人も多いみたい・・・です」

 

歩いてJRの駅へ行く方と、

シーの目の前にあるネズミートレイン・・・

残り1駅だからいちいち電車に乗らなくてもJRの駅は近いよな?

でもせっかくだから最後の最後までネズミーの世界を味あわせてあげたいな。

 

雪菜「あそこ・・・出口の横で・・・風船・・・」

僕「1個300円くらいだっけ?でも明日の朝にはしぼんじゃうよ」

雪絵「いまなんじぃ〜?」雪音「おうちつくのなんじぃ〜?」

僕「えっと・・・もうすぐ8時半だね、家には10時近くになっちゃう」

也幸「・・・・・(コクッ・・コクッ・・・)」

 

夜の海上ショーも見る暇無かったな、

それはこの子達がまた来た時のお楽しみって事で。

次はいつ、誰と来るんだろう?・・・案外、冬休みにまたこのメンバーだったりして。

 

雪菜「またみんなで来たい・・・です」

僕「・・・さ、ネズミートレインに乗るよ」

雪絵「またのれるぅ〜」雪音「これすきぃ〜」

 

階段を昇る足が重い重い・・・

雪絵ちゃん雪音ちゃんは眠いって言ってたくせにスイスイ。

雪菜ちゃんは也幸くんを引っ張ってるから慎重だ。切符は、っと・・・

 

ひゅーーーードーーーン!!

 

雪菜「あ・・・打ち上げ花火・・・」

僕「あ、そっか、これがあったんだ」

雪絵「きれぇ〜」雪音「すごい〜」也幸「・・・(ごしごし)」

 

ひゅーーーードーーーン!!

ひゅーーーードーーーン!!

ひゅーーーードーーーン!!

 

僕「そこで立って見てると流れの邪魔になるから、電車の中で見よう」

雪菜「じゃあ早く乗る・・・です」

僕「そうだね、はい切符、でも急ぎすぎても駄目だよ」

 

気をつけないと、土産とかの荷物を盗まれる可能性もあるからな。

 

雪絵「はやくのるぅ〜」雪音「こっちこっちぃ〜」

僕「先へ行き過ぎると、はぐれるから!」

雪菜「急いじゃ駄目って・・・お兄ちゃん言ったのに・・・」

也幸「・・・・(ZZZzz・・・)」

僕「あーあ、也幸くん、寝ながら歩いてるよ」

 

しょうがないか。

 

雪菜「こっち乗って・・・」

僕「人がいっぱい入るから詰めて」

雪絵「はなびすごぉ〜い」

雪音「ゆ〜えんちもきれぇ〜」

僕「うん、花火の光と遊園地の明かりと・・・幻想的だね」

 

夢の世界でたっぷり遊んでもらえて良かった。

也幸くんはもうすっかり夢の中だけど・・・音だけは覚えてるかも。

 

雪菜「あの・・・お兄ちゃん・・・お願い・・・」

僕「どうしたの?」

雪菜「帰りの電車の中・・・ずっと抱きついてて・・いいで・・すか」

 

顔を真っ赤にしてる。

・・・そうだよな、先月の帰りあんなことにあって、

トラウマが残ってないとは言い切れない。僕で良ければ力になろう。

 

僕「いいよ、じゃあ僕の胸で寝てるといいよ」

雪菜「嬉しい!!・・・です」

僕「あ、帰り、座れればね。立って帰ると寝られないから」

也幸「・・・・・(すやすや)」

僕「な、也幸くんは寝てるみたいだけど」

 

その間に、雪絵ちゃん雪音ちゃんは窓に顔くっつけて花火に夢中だ。

 

雪絵「はなびがうみにうつってるぅ〜」

雪音「こんなのはじめてぇ、すっごいきれぇ〜」

雪菜「今度は・・・ランドも連れて来てあげたい・・・です」

僕「ランド・・・今度って、いつになるのかな・・・」

也幸「・・・・・(むにゃむにゃ)」

 

例えば来年の今頃どうなってるかな・・・

そんな先じゃなくても、もう来週には結論が出ているはずだ。

ま、それも大事だけど帰りの電車を気をつけないとな、

雪菜ちゃんみたいな事に今度は雪絵雪音ちゃんがならないように。

也幸くんだって狙われかねない、誘拐だってあるんだから。

 

雪菜「もう・・・ついちゃうです・・・」

僕「JRへの乗り換え、はぐれないようにね」

 

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