「ねえ、そこの剣士さん」

「ん?俺か?」

「今夜、パーティーがあるんだけどさあ・・・一緒に来ない?」

 

全身をローブでまとった女が街で声をかける、

男は不審に思いながらもその女に尋ね返す。

 

「パーティーって何のパーティーだ?」

「遊びよア・ソ・ビ・・・男とオンナの・・・」

 

ローブを男にだけ見えるように開く、中は全裸・・・

そのきらきらと光るような美しくも艶かしい肌に、

男は固唾を呑んで鼻の下を伸ばした。

 

「ま、まあ、酒が出るなら・・い、いいか、な、コホン」

「こっちよ・・・いらっしゃい」

「ああ・・・」

 

男の手を引くローブの女・・・

頭上には満月が煌々と照らしている。

 

「この馬車よ、乗って・・・」

「ああ、もう結構乗ってるな・・・お?どうしたんだ?空を見上げて」

「・・・今夜の月も綺麗ね、この月・・・今夜、急に欠けたりしないわよね?」

「お・・・おう、多分な・・・ずいぶん前に月食があったけど、もう当分は無いだろう」

「そう・・・・・良かった」

 

男の頬にそっとキスをするローブのオンナ・・・

鼻をくすぐる甘い匂いにすっかりニヤける男は声をかけた。

 

「あんた・・・名前は?」

「私の名前はカイーダ・・・さあ、10人集まったわ、行きましょう、パーティーへ」

 

紅い唇に赤い舌がペロリをなめずりをした。

今夜のパーティーも盛大なものになるだろう・・・・・

満月の下、サキュバスの城へ向けて馬車は走り出したのだった。

 

おわり

 

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