ティックルキラー便乗犯〜最終話〜運命の瞬間


 

・・・・・ 

おそらく車で移動させられた・・・ 

また2人が俺の入った棺を運んでいる・・・ 

 

「玄関の鍵なら持ってるわ、上着から抜いておいたの、坊や、足元気をつけてね」

 

・・・・・・・ゴトッ、と床に置かれたようだ・・・ 

俺は自分の体がまわりのブラシにあたらないように必死だが、 

すでに背中は一面ブラシがあたっているのでくすぐったくってたまらないぃぃ・・・ 

これでスイッチが入ったら・・・中のブラシが一斉に襲ってきて・・・!! 

琴美!頼む!気付いてくれえ!俺を助けられるのは、お前しかいないんだああ!! 

 

「もし生き残ったとしても・・・もうアナタは普通の身体には戻れないわよ・・・

私と坊やで徹底的に変態SEXを刻み込んだから・・・

もうまともなSEXは一生できないわね、

奥さんとの子供も100%無理でしょうねえ・・・

ふふふふふ、これが私のアナタへの復讐よ、

じゃあね・・・アナタの子供は海外で立派に育てるわ・・・」 

 

その言葉を残し、俺をさんざんメチャクチャにした優美子と少年は、 

この場から去っていった・・・ああ、俺はどうなるんだあ・・・・・ 

 

・・・ 

・・・・・ 

・・・・・・・・ 

 

「・・・・・何これ?ティックルキラーより、って・・・」

 

琴美だ!琴美が来た! 

伝えなきゃ、俺が生きてるって事を! 

蓋を開けちゃ駄目だってことを!!! 

 

「ことみーーー!俺だーーー!開けるなーーー!警察を呼べーーー!!」 

 

・・・・・ 

 

「何かしら?中で何か声が・・・ひょっとして、あなた!?」 

 

!!! 

 

「開けるな!開けるな!開けるなあああーーー!!!」 

 

棺の蓋が・・・ 

まぶしい光が刺し込む・・・ 

そして、そこから最愛の妻の顔が・・・

と、同時に・・・・・ 

 

カチャッ!! 

 

ウィーーーーーーーン・・・・・ 

 

棺の内部の無数にあるブラシがゆっくり回転しはじめ、 

全裸の俺の皮膚にくまなくのびるううう!!!!!!! 

 

キュルキュルキュル・・・・・ 

 

不思議そうな妻の顔と、 

絶望に満ちた俺の顔、 

目と目が合った次の瞬間!! 

 

「あひゃひゃひゃひゃ!ひゃあ〜〜っはっはっひゃひゃあああ!!! 

ひゃひゃあっ、ひゃああっ、ひゃああひゃひゃあああひいいいいひぃぃぃぃぃ!! 

うひゃ、こ、ことみぃぃぃ、いひいいいいいいいいいいいいーーーーーー!!! 

ひゃひゃあ!うひゃあ!ひゃああっ!あひゃひゃあああ!いひやああああああ!!!

おひゃ、ひゃっ、あひゃひゃひゃああひゃあ、ひぎいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・」

 

このマシンの恐るべき性能と皮膚に塗りたくられた薬のせいで、 

人間が味わうことの出来る限界をはるかに越えたくすぐったさと快感に溺れながら、 

俺は1時間以上のくすぐり生き地獄をたっぷりと味あわされ続けた、 

手を血まみれにして棺を開けようとする妻の姿ももう見られない、 

くすぐったすぎて目が白目をむいているからだ・・・長い、長いくすぐり地獄・・・

俺が壊れるまでの時間・・・何も考える事などできず、ただ悶え射精し続けた・・・ 

ああ、俺は・・・俺は・・・このくすぐったさに・・・殺され・・・る・・・・・んだ・・・・・

 

 

 

のちにこの事件はティックルキラーのものか、 

そうではないかの議論がなされたものの、 

犯人はわからずじまいであった、そして地中海の小さな街では、 

1人の黒い服に身を包んだ日本人女性が、そばに色白の少年を寄り添わせ、 

生まれたばかりの赤ちゃんを胸に幸せそうに安楽椅子に座っていたのであった。 

 

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