「トレオさ〜ん」 バニーさんご戻ってきた・・・あれ?手ぶらだ? と思ったその後ろからいかつい男が・・・う、うわ、鎧だ、でかっ! ムキムキした男がどでかい鎧と兜をかついできた・・・俺がさっき着てたのの2倍はあるぞ! 「これしかないそうです〜」 「はは・・・頑丈そうだね」 ドスン、と鎧を置くと男はすたすたと去っていった、 バニーさんは心配した様子で僕の顔を伺っている。 「よいしょ・・」 「むっ、無理しない方が」 「もう行かないと・・・次は北闘技場だよね・・・」 「そうですが・・・」 「うう・・・重いけど・・・着れないことは・・・ない・・・」 >時間をかけて何とか鋼の鎧・兜を身につける、 もう時計は10時をすぎた、いざ次の戦場へ・・・!! 「あのー」 「バニーさん、いろいろとありがとう」 「移動用の天馬が表に用意されていますので」 「それは知らなかった、ずいぶん楽になるよ、次にここに来るのは・・・準々決勝か、あとでまた!」 「はいー、御武運をー」

まだ痛む体に気合いを入れて、 東闘技場を出ると天馬が俺を待ち構えていた、 俺は操縦役の細身の男に参加証を見せて乗ろうとしたが、しかし・・・ 「おいおい、ちょっとやめてくれ!俺の天馬がつぶれちまうだろ!」 「あ・・・申し訳ない・・・それじゃあ、えーっと」 「そのクソ重い装備を外してくれ!誰かやとって鎧だけ運ばせればいいだろ!!」 ・・・・・まずい、 鎧を外して移動したら、 正体がばれてしまうかもしれない・・・ ただでさえ全国民が注目している大会のはずだ、 どこで誰が見ているかわからない・・・体の古傷だけでもばれる可能性が・・・!! 「わかった、歩いて行くからいいよ」 「お、おい、歩くって、遠いし混んでるぞ」 「丁度良いトレーニングになるさ!」 僕はやけくそになってそう言い放ち、 逃げるようにして鎧をガチャガチャ鳴らしながら、 2回戦の会場である北闘技場へと向かった・・・うぅ、無理しちゃったなあ・・・

重い・・・ 苦しい・・・ 体が痛い・・・ でも、でも・・・ これを乗り切らないと・・・ 人ごみをかき分け、 次の闘いの場へ急ぐ、 はぁ、はぁ・・・ぜぇぜぇ・・・ 時間は・・・思った以上にかかる・・・ 

間に合うかな・・・間に合わせなきゃ・・・ひぃ、ひぃ・・・ ・・・・・つ、ついたぞ、やっとだぁ・・・ 時間は・・・やばい!10分前だ!早く手続きを・・・ 受け付けに入って・・・・・よし、控え室はあっちだ!! え?もうステージへ?息つく暇もないとはまさにこの事だ、 俺はそのままの格好で剣をぎゅっと握り締めながらステージへと進む。

「ルックス選手、トレオ選手、ステージへ!」 汗をだらだら流しながらステージへ上がる、 目の前の敵・・・ルックスという奴・・・こいつ・・・ またかっこいい顔をしているが・・・さっきのダバダの仲間かもしれない、 ハプニカ様を暗殺しようとする・・・だとしたら、かなり手強いはずだ・・・ こんな状態で俺、勝てるのか?いや、勝つしかない、全てはこのダルトギアとハプニカ様のために!!

第2回戦・・・スタジアムの大時計が11時を指した瞬間、 大きな銅鑼が会場に鳴り響いた、俺はその場で身構える!!! ルックスもその場に立ってこちらを睨んでいる・・・互いに動けない!! 「う・・・鎧が重過ぎて・・・動けないのかも・・・」 「・・・・・そっちが来ないならこちらから行くぞ!」 「わっ、来た!!!」 飛び掛かってきたルックスを、 体が勝手に反応してかわし、条件反射で剣を切り付ける、 そしてそのままの流れで攻撃を繰り返す、重い鎧ながらいざ戦闘モードに入ると、 やはり今までの経験と真剣な状態で身の重さなど忘れでしまう・・・そしてそのまま・・・ 気がつくとあっという間にルックスが横たわっており、僕は勝ち名乗りを受けていた・・・やった! 「・・・・・ふぅ、相手が弱くてよかった・・・こいつは違うな」 そう思うと気が抜けたためか、 一気に体を疲労感が襲う・・・とりあえず控え室に行こう。

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