「はい、では仰向けになってくださいね・・・あら、目がトロ〜〜ンってなってますわね」 「ひっくり返してー、よいしょー・・・あ、眩しいですねー、はい、タオルで目隠しをー」 「それにしても体中、こりすぎだよ、こんなになるまで何やってたの?」 「もっともっともっともっともっとほぐしてあげますねぇ」 仰向けにひっくり返された俺はさらに全身を揉みほぐされる、 体中の関節を・・・丁寧に・・・丁寧に・・・ものすごく丁寧に・・・・・ ああっ、ララさんが左肩の関節をぐりぐり回して・・・ リリさんが右肩の関節・・・ルルちゃんが左股関節、レンちゃんが右股関節をマッサージぃ・・・ うぅぅ・・・・・ぁぁ・・・こんどは肘、膝をぐるぐると・・・女性ならではの繊細なテクニックで・・・ひぃぃぃ・・・ 「次は手のひらと足の裏のつぼを押しますね」 「よーく念入りにしませんとねー」 「まだまだほぐす場所はいっくらでもあるからな」 「血の巡りをすっごぉくよくするですぅ」 あ、あへ、も、もう駄目・・・ このマッサージ攻めに・・・もうなすすべなく・・・眠く・・・ まるで筋肉をほぐすより・・・気持ちよくして眠らせるのが・・も・・くて・き・の・・・ ・・・・・ん・・・ぐぅ・・・ぐー・・ぐー・・・ぐー・・・ ・・・ぐーぐー・・・ぐーぐー・・・ぐーぐーぐー・・・ 「・・・あら?寝てしまわれましたか?」 「気持ち良さそうに眠ってますねー」 「まだ油断しちゃ駄目だよ、もっと深く眠らせないと・・・」 「そのためにぃ、もっともぉっと気持ちよくさせるですぅ」 「・・・・・zzz・・・」 力を失い眠ってしまった俺を、 なおも執拗にマッサージし続ける4姉妹・・・ やがて俺は・・・・・ 「ぐがあーー、すぴーー、ぐがごごごーーー」 「す、すっごいいびきですわね」 「それだけ気持ちよく寝てるんですよー」 「良い夢見てるんだろうな・・・起きた時はもっといい夢心地になるけど」 「さぁ、運びましょぉ」 マッサージの追い討ちで深く深く熟睡している俺を、 4姉妹はゆっくりと慎重に4方向から支えて持ち上げ、 俺を部屋の外へと連れ出した・・・俺はそんな事にはまったく気付かなかったのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・ ん?・・・・・・・・・・・・・・・・・・ あ、朝か・・・ん・・・なんだ?このいい匂い・・・ ふっかふかの布団・・・甘い匂い・・・暖かい肌の感触・・・ 俺は・・・今・・・暖かい肌に囲まれて・・・抱きすくめられている・・・ 俺の顔も・・・ふかふか・・・というよりはぷにぷにとした弾力の・・・・・あれ? まてよ・・・冷静に・・・目を開けよう・・・こ、ここは・・・これは・・・・・!? 「起きたか・・・おはよう」 この声は・・・ハプニカ様!? 俺の顔が・・・これは・・・ハプニカ様の胸にうずめられていて・・・ 体も・・・ハプニカ様のベッドの中で横になって抱きかかえられている!!! 「ハプニカ様・・・ですか!?」 うもれている顔を上げ、眠い目を擦ると・・・ そこには間違いなくハプニカ様の美しくもやさしい顔が・・・ 「よく眠っていたぞ、そなたの寝顔・・・ずっと見つめてしまったではないか」 「こっ、ここは・・・!?」 「見つめて・・・そなたの顔があまりにも愛しいので、つい、抱きしめて、そのまま私も寝てしまった」 「あ・・・そんな、ここは・・・ハプニカさまの、ベッド!?」 「どうしても我慢できなくて・・・大丈夫だ、添い寝させてもらっただけだ」 広く大きなベッド・・・ 綺麗でやわらかいシーツ・・・ そして・・・あたたかくてやさしいハプニカ様の肌・・・ 全身の力が抜ける・・・ああ・・・体が・・・ハプニカ様に甘える・・・ このまま・・・このままずっとハプニカ様に抱かれていたい・・・あぁ・・・ぁぁぁ・・・ 「ハプニカ様・・・」 「ん・・・まどろむが良い・・・いつまでもこうしていていいのだぞ・・・」 「は・・・ハプニカ様・・・そんな、俺・・・・・」 動けない・・・ 抱きしめられたまま・・・動けない・・・ やさしい匂いとやわらかい温もりにとらわれて・・・ 「ずっとこうしたかった・・・そなたと・・・」 スッとハプニカ様の手が僕の後頭部をなでる・・・ ポン、ポンと子供をあやすようにやさしくたたきながら・・・ トローンと再びハプニカ様の胸の中で眠りについてしまいそうだぁ・・・ 「・・・昨日はどこへ行っていたのだ?心配していたぞ・・・」 昨日・・・昨日の闘いは大変だったなぁ・・・ ・・・・・・・・・・ん?朝日が刺し込んでる・・・ 太陽が結構高く・・・そ、そうだ、今の時間は?時計、時計・・・ 「どうしたのだ?きょろきょろと」 広い部屋を見回す・・・あった! えっと今は、7時をもう回っている! や、やばい!今日は決勝トーナメント、8時から試合だ! ハプニカ様の体から逃げるようにベットから跳び起きる、 こうしちゃいられない、早く闘技場へ行かないと・・・寝過ごしては元も子も無い! 「すいません、これから行かないと」 「どこへ行くというのだ?」 「実は・・・闘技トーナメントに参加してる騎士をコーチしてあげていて」 「ほう、それで昨日はあんなに疲れていたのか」 「はい、もうすぐ彼の試合なので行ってあげないと・・・ですから下で観戦していますから」 「その、そなたがコーチしている騎士の名は?」 「ひ、秘密です、絶対に!それでは失礼します!!」

パンツ1枚のまま廊下へ飛び出す俺、 自分の部屋に戻って・・・服を着てフードを被って・・・ 東闘技場だ、急ごう!また朝ご飯食べる暇ないけど仕方が無い!!

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