「トレオ様、いかがでしたか?」
「うん・・・言葉にならない・・・感動しました」
「そうですか、安心しました・・・それで・・・」
「それで?」
「先程は、何か私に・・・?」
そうだそうだ。
「あ、ごめん、聞きたい事があったんだけど見入ってたから」
「なんでしょうか?」
「その、あの英雄役と女王役は誰?」
拍手喝采の中、司会の声が響く。
「以上、トレオとハプニカの物語でした!
本日のトレオ役・ジュビライJr、ハプニカ役・ヴィッセーラに
今一度、大きな拍手をお願いいたします!!」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!
ワーワーワー!ワーワー!ワーワーワーワーワー!!ワーワーワー!ワーワー!
いつのまにか戻ってきた2人をまたもや大歓声で迎える観客!
俺もシャクナさんも、メイドさんたちまで手袋を脱いで拍手してる。
いつのまにか戻ってきた2人をまたもや大歓声で迎える観客!
俺もシャクナさんも、メイドさんたちまで手袋を脱いで拍手してる。
「あのお2人は、闘技トーナメントに出ていらした方です」
「そうなの?そうだっけ」
「はい、しかもこの役は3回戦以上進んだ方しか演じる事は出来ません」
「そこまで細かく決まってるんだ」
「ちなみに土日にこの劇をする場合、ハプニカ様役はマリーさんがやられるのですよ」
そんな事までやってるんだ・・・
それはそれで見てみたいな・・ん?メイド長が来た・・・
「本日のお土産でございます」
「ありがとう・・大きいなあ、しかも2つも・・・」
すごく大きな手さげにギッシリ詰まったお土産、
重くて持ち上げるとふらふらする・・何が入ってるんだ?
「大丈夫でございますか?のちほどシャクナ様のと一緒にお城へ届けさせていただきますですわ」
「ありがとう・・・すごく堪能させていただきました・・・シャクナさんもありがとう」
「いえ、その・・私も・・・トレオ様と御一緒に見られて・・・嬉しかったです」
顔を紅くしてる・・・
場内の方は慌ただしく観客が波のようにうごめいてる、
終わったからみんな帰ろうと・・司会もステージ上で終了を告げている。
「本日は誠にありがとうございました!
慌てず順番にゆっくりとチケットに書かれた出入り口よりお帰りください!
なおVIP席のお客様は専用出口にて送り用ペガサスが待機しておりますので・・・」
・・・・・俺たちも帰ろう。
「シャクナさん、行こう」
「あ、あの、トレオ様、よろしかったらこの後、パーティーを行いませんか?」
「パーティー?何の?」
「本日は予定はなかったのですが、毎週土曜の夜は貴賓客と劇の人気出演者を交えたパーティが・・」
「い、いいよ、そういうの・・そういうのってよくあるけど嫌いなんだ」
「そ、そうなのですか?」
「うん、疲れてる演者さんを終わってもパーティっていう名目で客が呼び付けるのって・・」
「・・・・・そうですか、本物のトレオ様でしたら演じてらっしゃる皆さんも大喜びなのですが・・」
「まあ、普段のパーティはある意味それも仕事だろうから仕方ないけど、俺のせいで仕事は増やしてあげたくない」
・・・今更、英雄顔したくないし。
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めくる |