「私は・・そなたへの愛の証明の仕方がもうわからぬ・・こんな事になるのなら・・ 戦いだけではなく、もっともっと、恋について勉強しておくべきであった・・・もう後悔してもはじまらぬが・・せめて、せめてそなたへの想いの伝え方を・・・」 「・・ハプニカ様にはそんなの必要ないですよ、凛としたハプニカ様は、それだけで皆の心を引き付けます・・・」 「私には、そなたの心さえあれば、他にはいらぬ、他のものの心より、そなたの心だけが欲しいのだ・・ ここならば、そなたに守ってもらったり、そなたを守ったりする必要などない、完全に隔離された空の孤島だ、 あとはそなたの、今度は心を癒すのみ・・体がここまで治ったのだ、私が責任を持って、そなたの心を癒しきってみせる、 どうか、どうか私にもう1度だけ機会を与えてもらえぬか、我が侭で贅沢な願いである事はわかっておる、無礼な事も・・ だが、そなたのいない地獄に私はどうしても耐え切れぬのだ!どうか、どうか私に、哀れみを、与えてやって欲しい・・・・・」 ガクガクと震え、脅えている・・精神的に相当追いつめられてるようだ・・・ そ、そんなにも俺の事を!?これってもう、本当に、俺を愛しているとしか・・・ これが偽りであれば、相当な演技だ、いや、今までだってずっとそうだったかも、 ハプニカ様の反応があまりにも大戦の時のイメージとかけ離れ、感情を露にしすぎるぐらいだった、 俺の前で号泣したり、また俺に数々のHな事をしたり、あまりの事にこれは演技だと思わないと、 自分の中で説明がつかなかったが、今になってようやく、一連のハプニカ様の反応が、本気かもしれないと思えてきた・・・ だとすれば、俺の前だけで全てをさらけ感情を出していた事になるような・・・それも恐いほどの念だ。 ・・・や、やっぱり信じられない、でも、ハプニカ様は現にこうやって自ら国を捨て、安全な場所へ俺を・・・ 「ハプニカ様、もう泣かないでください・・ハプニカ様らしく、してください・・・」 「・・・そうか、わかったぞ、そなたは、そなたの思う私、が良いのであるな・・・」 「え?そ、それはどういう・・・」 「それがそなたの望みであったか・・・そういえばあの夜もそう言っておったしな・・・ようやく、今になってやっとわかった」 「その、あの、えっと・・・」 涙を腕で切ると、 きりっ、とした表情になり、 服を手にすると裸でべとべとの体のまま館へと向かう。 「そなたもいつまでもそこにいても仕方あるまい、来るのだ」 「は・・・・・は、はい」 「体を洗い流そう、きちんと風呂も完備されておるからな」 「すごいですね・・そうですね、全部洗い流さないと」 「ああ・・だが、もし子供ができても安心しろ、私がここで立派に育ててみせるからな」 こ、子供だなんて・・・ そうだよな、中で出しちゃったから・・・ 犯され・・ちゃったんだから・・俺が・・・・・

日が暮れて夜になると、 スバランの木は静寂に包まれる・・・ 白竜の声もほとんど聞こえなくなり、風による葉音が聞こえてくるだけ・・・ そんな木の上の別荘では暖かな食卓が広がっていた、俺の前に並べられたサラダや木の実、果物・・・ 全てスバランの木から取れる物だという、そしてこの魚は・・・!? 「ん?それか、この木の中の川にも独特の魚が泳いでおってな、網で簡単に掬えるのだ」 「はぁい、おにぃちゃん、卵が焼けたよぉ」 「おいしそうだね、これもこの木にしかいない鳥の?」 「これはぁ、白竜の卵なのぉ」 「ええっ!?」 「安心しろ、無精卵だ、白竜も文句は言わん」 「そ、そうですか・・白竜の卵・・・」 確かに動物性蛋白源としては貴重だな・・・ それにこの木の実の量、本当に1つの木から成っているのが信じられない種類の多さ・・・ 味はどうだろう・・全て美味ってハプニカ様は言っていたけれども・・・・・ 「いただきます・・・んぐ・・・お、おいしいっ!!」 「でしょ?ミルもここの木の実は食べるの楽しみだったのぉ」 「ここの食事に慣れると下での食べ物が物足りなくなるほどだ、濃厚な味わいであろう?」 「はい、どれもこれも地上にない味でとても美味・・いくらでも食べられそうです」 「そうか、実はいくらでもあるぞ・・どれ私もいただくとしよう、ミルも落ち着いて食べるがよい」 大きな食卓での、3人だけの食事・・・ でもこれがなんというか、とても暖かいものに感じる・・・ いや、ずっとこうだったはずだ、地上で、お城のみんなに世話してもらっていた時・・・ 本当に暖かな「家庭」だったような気がする、それもただの家庭ではなく「新婚家庭」だったような気が・・・ それを素直に感じられなかったのは俺がずっと疑心を持っていたからだ、みんなに対して。  じゃあ、信じていたら・・・もっと素直になっていたらどうだろう・・・ そうしたら、みんなを悲しませずにすんでいた・・・のか?いや、でも・・・ う、ここに来てからどうも変だ、なんていうか、ずっと夢心地な空気とでも言おうか、 心のモヤモヤが晴らされるというか、癒されるというか・・スバランの木が出す空気の影響かもしれない、 自然と俺は身も心もほぐされていっているようだ、ハプニカ様やミルちゃんのおかげもあるんだろうけど・・・

「ここが寝室だ」 「わぁ・・・これって、ベットだけの部屋ですか!?」 「そうだ、6つあった大きいベットを組み合わせたらこうなった」 「おにぃちゃん、なんだか雪の上みたいだねぇ、楽しそう!」 「こらこらミル、あまりはしゃぐでない」 バフバフとシーツの海を泳ぐミルちゃん、 それを微笑ましくもやれやれという感じで見るハプニカ様。 「はしゃぎすぎてシーツが破れたらどうする!」 「でもお姉様ぁ、楽しいよぉ」 ・・・確かに飛び込んでみたいぐらい綺麗なシーツの海だ。 「じゃあ俺も・・そらっ!」 ばふっ!! 「本当だ!すごくふかふかしてて、気持ちいい!」 「でしょぉ?おにぃちゃん!一緒に泳ごぉよ!」 「楽しいですよ、ハプニカ様!」 「・・・・・そ、そうか?そなたが言うなら・・・」 「お姉様もはやくぅ!」 ハプニカ様も遠慮がちにシーツの海へと潜り込む。 「ん・・・確かに広々として良いな、我ながら良い考えであった」 「しかしなぜこんな部屋を!?」 「どうしても一緒に寝たくてな、ミルもそうせがむので、3人一緒に寝るにはベットを集めた方がと思い・・気がつけばこうなった」 「そうなのぉ、1つのベットに3人は狭いからぁ、いっぱいあればいいなぁって」 「ミルはともかく、そなたに喜んでもらえて嬉しいぞ、運んだ甲斐があった」 まさか、この大きいベットを全てハプニカ様1人で!? 大変だっただろう・・・そこまでして俺と一緒に寝たかったのか・・・ ハプニカ様に申し訳が無い気持ちが出てくる・・俺も手伝いたかった・・・ 「その、言ってくだされば、一緒に運んでもよかったのですが」 「・・・・・」 「ど、どうしたのですか?ハプニカ様・・・」 「おにぃちゃん運べないよぉ、その体じゃ・・・」 「ミル!!・・・そうであったな、すまぬ、そなたに一声かければよかったな」 そ、そうか、俺はもう力を出せない体だった・・・ ベットも重くてとても一緒に運べやしなかっただろう・・・ まずい事を言ってしまったかもしれない、嫌味のように聞かれたかも・・・!? 「ハプニカ様、すみません、俺・・・」 「・・・・・なぜそなたが謝るのだ」 「え!?」 「・・ふふ、そなたはやはり、やさしいのだな、やさしすぎる」 「あ、あの・・・」 俺の体に腕を絡ませるハプニカ様・・・ 「そなたのやさしさに・・甘えさせてもらうとしよう・・・」 「あ・・んっ・・・・・」 唇を重ねてくるハプニカ様・・・ 情熱的なキス・・とろける・・肉食獣のようなむさぼる舌・・・ ぽたっ、ぽたっ、と唾液が零れ落ちてシーツを汚す・・・あぁ、意識が白く・・なる・・・ やさしく手で頬や首筋、うなじをなでながら・・力が抜ける・・腕がぶらーんと・・・はぁぁ・・・ カクン、と首の力が抜ける俺・・なおも上になりむしゃぶるハプニカ様、唾液がどくどくと注がれる・・・ 「あー、お姉様ずるぅい!ミルもするぅ!」 近づいて俺の胸に潜り込むミルちゃん、 甘えながら胸をまさぐってくる・・ますます力が抜ける・・・ 気持ちいい・・・心地よい快感・・このまま・・もう・・どうにでもして・・・・・ 「ふふ・・愛しているぞ・・ふふふ・・・」  「おにいさまぁ・・好きぃ、だぁい好きぃ・・・うふふふふぅ・・・」 そのまま俺は夢心地で二人の体に溺れた・・・・・

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