☆18禁裏小説7☆
「・・・看病してくれた事、動けないのを世話してくれた事の感謝はしてる・・・
本当にありがとう・・・でも、それで俺がこの国を救ったことと相殺にしてほしい、
もう・・・俺を解放してくれ・・・自由にしてくれ・・・・・」
「そんなっ、自由に、と申されても・・・」
「真剣に愛してますー、本当ですー」
「この命に誓っても言うよ・・・好きだ・・・」
「いやぁ、いやぁ、いやぁぁぁ・・・・・」
4人は俺に泣きすがってくる、
本気としか思えないような真剣さで・・・
いや、これはせっぱ詰まっての行動だろう、
俺への愛情ですがっているのではなく、あくまでも、
この国を守るために、そして俺をハプニカ様と結婚させたいためにだけに、
一生懸命なんだろうな・・・本当にもうつきあってられないや、
人の心を弄んで・・・俺にも意志がある事を示すためにも、振り切らなきゃ。
「じゃ、俺のどこが好きなんだよ!?」
「そ、それは毎日、申し上げたではありませんか」
「全てですー、何もかもー、全てー」
「誰にも負けない、その、強い心だよっ!!」
「好きなのはぁ、好きですぅ、好きぃ・・・ひっく」
泣き叫びながら聞こえてくるのはやはり抽象的な言葉のみ・・・
「もういいよ、具体的に言えないだろ?」
「言い尽くせません、でも言わせていただけるなら、あの戦いで・・・」
「私たちもー、ハプニカ様と一緒に貴方を見ているうちにー・・・」
「確かに最初はハプニカ様に遠慮してたけどっ、もっ、もう関係ないよっ!!」
「かっこよくってぇ、やさしくってぇ、つよくってぇ・・・」
らちがあかない、ここでビシッと決めよう。
「・・・はっきり言うよ、強さを永久に失った俺に対して、
たとえそういう意図でなくても、強い強い言ってほしくないんだ、
はっきり言って不愉快だよ!俺をもういじめないでほしいんだ!!!
強さが、強いものだけが全てのこの国で、強い者を望むこの城に、ハプニカ様に、
もう強くない俺が強い強いともてはやされるのが、もう我慢できないんだよ!!!!!」
静かになる4姉妹・・・
「もう俺は、君たちを・・・守ってあげられないんだ・・・
民衆に対して一時凌ぎにはなるかもしれないけれど、またいつ、
強大な敵が襲ってくるかもしれない・・・その時に俺はこの国を、
なによりハプニカ様を守る事が、もうできないんだ・・・だから、だから、
へたに民衆に期待させるより、俺はもう、さっさと去った方がいい・・・
何よりも、俺がもう、そんなプレッシャーに耐えられない・・補う力がない・・・
ハプニカ様にはもう相応しくない、大切な国を失うのは、もう、2度とごめんだ・・・・・」
俺も涙が出てきた・・・
本音を、さらけだしてしまった・・・
でも、こう、本当のことを言わないとわかってくれないだろう・・・
「・・・私たちは、貴方様の心をひどく傷付けてしまっていたようですわね」
「体と心、両方癒していたつもりだったんですがー、とんだ思い違いでしたー」
「・・・わかった、言い訳はしないよ、私たちがどう考えても悪いんだから・・・」
「いやぁ、あきらめたくなぁい、いやぁ・・・いやぁ・・・」
「・・・・・わかったら、出てってくれないかな」
黙って出て行く4姉妹・・・
レンちゃんは半ば強制的に連れてかれてるけど・・・
「では、失礼いたします・・・」
「はい、みなさん、お元気で・・・ありがとう」
バタン、とドアが閉まり、
すすり泣く声が遠のいていく・・・・・
「さて、荷物の整理を続けなきゃ・・・」
ガチャ・・
荷物を再び手にしたと同時に、
またドアが開いた、今度入ってきたのは・・・
「おにぃちゃん・・・」
「ミルちゃん・・・」
「お姉様、ショックで寝込んじゃった・・・うなされてるのぉ・・・」
「そ、そう・・・」
「おにぃちゃんの名前、呼び続けてるの・・・来てぇ・・・」
悲壮な表情だ。
「ハプニカ様の体が・・・何か?」
「うん・・・おにぃちゃんしか治せない・・・」
「・・・・・ごめん、これ以上、もうつきあえないんだ」
「おにぃちゃん、毎日日記聞いてくれたよね?お姉様の気持ち、わからないのぉ?」
「・・・やっぱり信じられないんだ、ハプニカ様を・・・」
「私のつけた日記が、作り物だと思うのぉ?」
「そうかも・・・しれないね」
「ひどい・・・ひどい・・・」
ガクッ、と膝から崩れ落ちるミルちゃん・・・
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