☆18禁裏小説7☆
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・」
「トレオさーん!待ってくださーい!」
「ぜえっ・・・はぁっ・・・ぜぇっ・・・」
・・・・・ん?あれは道具屋・・・大きいな・・・そうだ!
「バニーさん!」
「・・・・・は、はいっ、待って・・・はぁ、はぁ・・・」
「あの、俺って治癒魔法は禁止だけど・・・治癒アイテムはいいの?」
「はい、はぁっ、あのっ、アイテムはっ、大丈夫ですがっ、はぁっ、はぁっ」
「じゃあここで回復アイテムを買って使うよ!」
そろそろ気が切れる、
アイテムでせめて傷口をちゃんと塞いで、
ほんのちょっとでも体力を回復させないと・・・
「いらっしゃーい」
中にはじじいが一人・・・あとはがらーんとしている。
「あのー、回復アイテムを・・・」
「もうほとんど売り切れだよ、残ってるのは高価なエリクサーだけだ」
「いくらですか?」
「交渉ってとこだな・・・ん?あんた、ひょっとしてトーナメントの・・・?」
「はい、そうなんです!だから回復しないと」
「お前・・・知ってるぞ、悪魔のトレオってな」
「あ・・・悪魔!?」
「ああ、我が国の英雄を次々と殺そうとする悪魔って有名だ」
ひどい・・・何て言われようだ。
「トレオ、あんたに売る物なんてないね」
「そんな!」
「どうしてもってんなら10倍の金は取るよ、嫌ならいいんだぜ、どうせ他所じゃ売ってくれないだろうよ」
うう・・・むごい・・・
「金は・・・あ!」
「どうした?」
そうだ、全財産、シャクナさんに渡したんだった・・・
「バニーさん、お金貸してもらえるかな・・・」
「えー、私、今3000Gぐらいしか持ってませーん」
「じゃあ駄目だ・・・そうだ!」
俺は腰にしまっていた小袋の中から金のメダルを取り出して渡す。
「これは・・・俺の命の次に大切なものだ」
そう、このメダル・・・
大戦に向けモアスを旅立つとき、
モアス国王様に直々さずかった、名誉の騎士メダル・・・
今は亡きモアスの形見、俺とモアスを繋げる最後の証・・・!!
「これでエリクサーを・・・」
「金のメダルか・・・モ・・・ア・・何だ?」
「モアスの純金製メダル、希少価値も高いはずだ」
「どうせ盗んだか奪ってきた物だろう・・・まあいい」
「じいさん、これでエリクサーいくつぐらいになるんだ!?」
「希少価値よりもうちは目方だ、本物かどうか溶かさせてもらう」
「う、それは・・・待ってもらえ・・・い、いや、急いでる!早く!」
「ふん、これ1個がせいぜいだな
ポンとエリクサーを1つ投げ渡すじじい。
「1個だけか!?」
「文句があるなら返せ!」
「い、いや・・・し、仕方ない!バニーさん行こう!」
「は、はいー」
「おいトレオ!このメダル、純金じゃなかったら後でひどいからなー!」
うう、命の次に大切なのに・・・
終わったらあとで買い取ろうと思ってたのに・・・
溶かされちゃうなんて・・・し、仕方ない・・・あきらめよう。
「う・・・うぐぐぐぐ・・・」
「トレオさん!大丈夫ですか?トレオさん!」
「き、傷が・・・そうか、もうリミットか・・・ぐぐぐ・・・」
やばい・・・
気で無理矢理止血してたのがきれた・・・
はやくこのエリクサーで・・・んっ!?こ、これは・・・
エリクサーは透明なはずなのに・・・白く濁ってる!?
あのじじい、不良品を・・・ちゃんとしたエリクサーだったら、
完治できたかもしれないが・・・ううう!もう耐えられない!使おう!
俺はエリクサーを使った!!
・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・ぐあっ!駄目だ!」
「トレオさん!」
「やっぱり完治しない!ましにはなったが・・・うぐう!」
「トレオさん!トレオさん!」
「それでも・・・傷口はなんとかくっついては・・・い、るみたい、だ・・・ぐふう!!」
痛さに悶える・・・ううう・・・
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めくる |