症状別漢方についての説明
霍乱篇partⅡ 嘔吐してしかも下痢するような方は必見!
張仲景という人が書いた、傷寒論という漢方の古典の中からの 一節です。
お時間の許すかぎりごゆるりと御観覧ください
ここからは、子供の風邪によく見られる症状と似ています。
最近、ちょくちょくこのような症状を現す方がいるようですが、
皆様のところではいかがでしょうか?
吐き下し
なのに、水を飲みたがり、水を飲んだと思えば、
また、パ~っと吐く。
こんなときには。五苓散が良いですよ~!
また、水を飲みたがらない人は、
理中湯あるいは理中丸がよろしいようで!
というコーナーです。
>霍乱,頭痛,発熱,身疼痛,熱多欲飲水者, 五苓散主之。寒多不用水者,理中丸主之。
吐き下しをして、頭痛や発熱があり、また身疼痛があり、
熱が多くて水を飲みたがる者には五苓散を与えなさい。
寒が多くて水を飲みたがらない人は、理中丸を与えなさい。
ということです。
内藤希哲という先生の註釈を見てみましょう。
ここでは,再び霍乱の症を挙げて、その人の虚実寒熱により、
治方が異なることを挙げている。
まず、裏熱の者とは、口が渇き、
あるいはおしっこが赤くなったりするような者の事をさす。
水を飲みたがるというのは、裏熱があるからで、邪が膀胱を侵すからであり、こんなときには五苓散を用いる。
寒多き者とは、腹痛して下痢し、手足が冷えるなどの症状がある。
水を飲みたがらない人は、内に寒があるためで、これは中焦が虚して冷えているためである。
こんなときには理中丸を用いるのだ。
嘔吐して下痢する霍乱のあとで、頭痛・発熱し、身体が痛む場合に二つの症状がある。
一つは、熱が多いために、口渇や小便が赤くなり出にくくなるといったような症状を示す。
そして、水を飲みたがる。
これは内熱(裏寒)があるからである。
そこで、五苓散を用いれば、病はきえるであろう。
もう一つは、寒が多いために、腹痛や下痢、手足が冷えるなどの症状を呈し、水を飲みたがらない。
これは、内寒(裏寒)によるものであるから、
こんなときには、理中丸を用いればよい。
吐き下しがあって、水を飲みたがり、水を飲んだと思えばすぐにまた吐く。
これは、子供に良くみられる症状なので、
「あるある、良くあるそんなこと!」
と、ピーンとくる方も多いかと思います。
でも、次の裏寒の場合。
ちょっと、分かりにくいかもしれませんね。
まあ、水を飲みたがらないのであれば、寒があるからで、
理中湯でよいということだと思います。
でも、ここにも、一つ、特徴的なことがあります。
口元に白い唾をためて喋っているような方を見かけたことは ございませんか?
理中丸といえば湯剤にすれば別名:人参湯。
漢方薬は病名により処方が決定するものではありません。
あなたの「証」にあった漢方処方さえ見つかれば、いかなる症状も改善されます。
あなたのための漢方です。