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一手間かける

料理は愛情と言いますがちょっとした一手間で、

美味しさが違います。ここで上げる事項は料理人では基本的なことですが、

一般家庭では面倒がられることかと思いますが、やってみるとさすが違いが出ます。

* 下茹でをする

下茹での効果は 素材を柔らかくすると同時に、灰汁を取り、

味が馴染み易くなります。従ってほっこりと口当たりのいい煮物ができる訳です。

下茹でする対象は大根・里芋・蓮・蒟蒻等の根菜類です。

里芋は米のとぎ汁 他は清水ですが、清水につけて温め始め 

余り煮立てずことこと5-10分目安にして下さい。

筍も使う前に茹でるのは下茹でです。

筍は糠汁(ないし米のとぎ汁)で皮に縦方向に沿って切れ込みを入れて茹でると

火の徹りが良くなるようです。

蓮も輪切りで茹でます。酢を少し使うときれいに茹でる事ができます。

茹でると蒸すの違い

茹でる場合、野菜のエッセンスが湯の中に消えていくような気がします。

しかし蒸す場合は、湯につかっていないのでエッセンスはとどまります。

どうも栄養面・効率面では蒸すほうが、溶けない・100度以上に晒され早いので

蒸すに軍配が上がります。

基本的に煮物にする場合は茹でることで、灰汁がとれ、味が通り安く

旨い煮物に仕上がると思います。

従って里芋・筍・大根などは下茹ですることで美味しくなります。

牛蒡や独活も下茹ですると口当たり良く仕上げられます。

しかし煮物にせず食べる場合は蒸すほうが良いのかも知れません。

蒸す場合湯に漬かるわけでなく、高温蒸気に晒されるので茹でる場合より

手早く、栄養分逃げず処理できます。

従ってじゃがいも・人参・ブロッコリ・インゲン等も蒸す方が良いと思います。

里芋も出だしの小さい時は蒸して 絹担ぎで塩で食べるのが良いでしょう。

* 煮物は初め薄く油引きさっと炒めてから煮込む

野菜の煮物は最初鍋に白ゴマ油を薄く引き、一通り軽く炒めてから、

出汁 味醂で煮込み、最後に醤油で味を調整して仕上げますと、炒めることで

旨味が引き出せるのか? 気持ちのせいか知れませんが比較的深みのある煮物

に仕上がります。油をわずかに使う事で、どうもコクが出るようです。

サツマイモやカボチャは新しい時、水洗いだけして、出汁と味醂一寸で煮て下さい。


最後に醤油を使わず一寸塩だけでも本来の美味しさがでます。

* 煮魚は事前に熱湯で湯通し 冷水に

青魚は生臭さを取るために熱湯で湯通し、再度冷水に戻すのですが、

大き目のボールに氷を入れた冷水を準備し、薬缶で湯を沸かし、

ザルに魚を置いてさっと湯を掛け、冷水に1回つけて引き上げます。

無論魚の煮汁は当然このとき沸いてます。

* 煮込みは丹念に灰汁をとる

カレーでもシチューでも煮込みは灰汁が出ます。

表面に浮いてくるので丹念に掬います。最初暫く納まるまでは付きっきりです。

仕上がりの色艶が違ってきます。

シチュー等牛肉の煮込みの場合、一回水洗いして、血を取っておくと

灰汁が少なく奇麗に仕上がります。