緊張の前夜

大会前夜の夕食は、鍋焼きうどんを食べた。一応、カーボローディングのつもり。。。
ビールを我慢するのも今夜が最後。明日の夜にはおいしいビールが味わえる筈だ。そう言
えば、1年前も同じ事を考えていたような気がする。明日、ゴールすれば夜の完走パーティ
ーでは美味しいビールが飲める。それを楽しみに頑張ろう。そう思っていた。そしてフラ
フラになりながら途中歩いて完走(完歩?)を果たして飲んだビールは美味しかった。
でも何か物足りないような気がした。あの時点では、自分の力を全て出しきっていたと思
うのだが、もっとやれたような気がする。もっと自分を追いこめたという気持ちが心のど
こかに残っていたから、何かスッキリとしないところがあったのだと思う。自分にとって、
2000年のホノルルマラソンは1999年のホノルルマラソンの延長戦だと思っている。
今年、満足のいく走りができれば、1999年のホノルルマラソンも自分にとっては意味のあ
る最高のレースだったと言えるような気がしている。だからこそ、いいレースがしたい。
理想をいえば、最初から最後までイーブンペース(テン良し、中良し、しまい良し)でゴー
ルを駈けぬけて、記録として5時間を切りたい。

K枝
昨年、イタリアンのお店のほとんどが、日本人のランナーで列ができていた。みんな
カーボローディングでパスタが食べたいからって、ほんとにばかの一つ覚えなんだから。。。
と思いながらもパスタのお店をさがしてちゃっかり食べたっけ。今年は、作戦を変更して
鍋焼きうどん!高橋尚子も前夜はうどんとおもちを食べてたもんね。軽いお散歩のあと、
早々と和食のお店に入った。わたしたちが席に着いた頃から、そのお店が激しく混み出した。
どうやら、日本から来た年配のランナーがはやめの夕食をとろうと次から次にやってくる
らしかった。お店のひとたちもてんてこまいって感じだった。注文した鍋焼きうどんが出て
くるまで異常に時間がかかったが、カウンターの中にいる板さんがすごくおもしろかったし、
出てきた鍋焼きうどんがけっこうおいしかったので、満足してホテルに帰った。

10kmロードレースやハーフマラソンの前夜は、それほど緊張する事は無い。しかしながら
フルマラソンとなるとそうはいかない。2週間前、河口湖マラソンに出場するメンバーを
応援する為に同行したが、自分が出場するわけではないのに緊張して夜、寝付けなかった
ことを思い出す。まだ経験が浅いからかもしれないが、中間地点を過ぎてからのことを考
えると気持ちが高ぶってきて、頭の中はマラソン一色になる。これは、国内のマラソンで
しかも、自分が走るわけではないのに寝れないのだから、自分が走るレースでしかもホノ
ルルマラソンともなれば、寝つけるわけは無いが、少しでも身体を休めようと20時には
ベッドの中に入った。

K枝
ホテルに戻りシャワーをあびたら、ものすごく眠くなってきた。でも、T.Kが明日の準備を
着々としているのを見て、わたしも眠い体にむちうつように準備をした。ベットの横について
いる時計でアラームをセットした。ツアー会社からの送迎バスが午前3時にホテルに来るから、
午前1時頃に起きれば大丈夫かな。なんだかぼろい時計でちゃんと起こしてくれるのか不安
だけど、T.Kの時計でもセットしていたみたいだから、大丈夫だよね、なんて考えながらベットに
入ったが、すぐに爆睡してしまったようだ。途中、外がとてもにぎやかで目がさめたりしたけど、
まだ22時だった。夜中だと錯覚してしまうほどぐっすり眠った気がした。どう計算しても昨年
よりは睡眠時間が多くとれそうなので、いいぞいいぞと思いながら、ふたたび爆睡。


ベッドに入ってからも考える事は、明日の天気はどうだろうか?とかペース配分はどうし
よう?、どこか痛むところはないだろうか?、トイレは? など明日のマラソンの事だら
け。一年前、好奇心だけで始めたマラソンに何でこんなにハマっているのだろう? 
去年はマラソンの前日にゴルフやったり、マラソン翌日に何をしようかといろいろ考えて
いたが、今年は何も考えていない。レースが終わった後の事など全く関知せずという感じ。
終わってしまえば怪我したって、体調崩したって関係ない。まさに後は野となれ山となれ!だ。
眠れない事を承知でベッドの上で横になり身体だけでも休めようとしていたら、スーッと意識が
無くなった。ん、前日入りで寝不足だった事がここでいい方に出たのか? 翌朝までに何回か
目覚めたがトータルすると結構寝れたようだ。天気も良さそうだし、いいぞ。いい調子だ。


戻る