第14話:うさ天使とハネムーン

作:佐倉くれあ
これはヘボン企画(4万ヒット記念)のリクです。
なぜこんなヘボヘボになったのか詳しくはこのページへ。


-From 1-


 八樹はぐっすりと寝込んだ半屋の服をどうにか脱がせた。
 初めて見る半屋の裸は実に良くできていて、羽と体の継ぎ目が恐ろしく自然だった。
 触りたくなるようなウサギの耳も、非常に出来がいい。
 思わず見とれていると、半屋が寒そうに身を縮めた。
 あわてて服を探すが、羽がうまく出る服など持っていない。とりあえず汚れを払って、またウェディングドレスを着せることにした。
「R-328。再来週までの予定を教えてくれ」
 八樹がこの家のメインマシンにアクセスすると、R-328と呼ばれたそのマシンが、美しい声で八樹の予定を読み上げた。
「………以上です」
 ほとんどどうでもいいような用事ばかりだ。それに今八樹は疑惑の最中なのだから、わざわざパーティなどに出かけずともすむだろう。
「全部キャンセルしてくれないか」
「全部ですか?」
「ああ。しばらく旅行に出るから。風邪をひいたとでも言っておいてくれ」
「わかりました。メールがいくつか来ていますがどうしますか?」
「レベル1のものだけ見せてくれ。あと『世界の中心』についての情報を頼む」
「わかりました」
「『世界の中心』っていってもね………」
 今、八樹が半屋のために出来ることと言えば、半屋の探しているらしい『世界の中心』をさがす手伝いをすることぐらいだろう。
 半屋と二人でNNYや上海に行けば気分転換になるだろうし、新婚旅行気分も味わえるだろう。(というよりそれをしなければ半屋は逃げていきそうだ)
 八樹はR-328が調べてきた『世界の中心』の情報を自分の行きたい順に分類しながら、二週間の新婚予行のプランを立て始めた。





 八樹はメインマシンの名前や声を換えたりする
 のが面倒なのでしょう。
 ちなみに未来には「洗濯」というものはなく、
 すべての服はぱっぱと払えば汚れがおちるという
 設定です(笑)