第13話:うさ天使/スリーピング・ビューティ

作:佐倉くれあ
これはヘボン企画(4万ヒット記念)のリクです。
なぜこんなヘボヘボになったのか詳しくはこのページへ。


-From 1-


 結婚はしたものの、どうしたらいいのだろうかと八樹は悩み続けていた。
 何をしたらいいのだろう。結婚式?―――それも違うような気がする。
 いや、別にここまできたら、結婚式をしてもいいような、そもそも半屋はウエディングドレスを着ているのだから、このまま教会に駆け込んでもいいような気もするが、どうもそういう気配ではない。
「ええと………」
「おら、行くぞ」
「行くってどこに? 教会?」
 一応八樹は金メダリストの有名人だ。しかも今は疑惑の最中。人形と結婚式を挙げるのはまずいような気もするが、まあそれはそれでいいかもしれない、と八樹は思い始めていた。
 やってもいない疑惑で騒がれるより、半屋と結婚して騒がれた方がマシだし、そうすれば妙な女もよってこなくなる。
「教会ィ?」
「違うの?」
「誰が行くか」
「だって、俺たち結婚したんだよね? できればちゃんと結婚式をしたいなって」
「アァ? てめぇがヘンなことしなけりゃ、ンなことになんねーんだよ。とにかくあのバカんとこ行って、これは事故だって………」
 そこまでまくし立てて、半屋はぴたりと止まった。
「半屋君………?」
 なんだか落ち込んでいるようだ。
 これまでの言動からすると、たぶん半屋には契りを結んだ人間と契約するという特殊設定が組み込まれているのだろう。それを解除できるのが『あのバカ』という研究者(多分半屋の製造主だろう)で、その研究者に会い、そんな説明をするのは嫌だということらしい。
「いい。もう寝る」
 そう言うやいなや、半屋はぱたりと床に寝込んでしまった。

   そのまま(どのまま?…って自分でつっこみをい
   れなきゃばれないかもしれないとこですが)寝る
   のはよろしくないと思いますが。
   まーへぼんだから(笑)