やおいがファンタジーだと言える一番の理由は、やっぱり「そもそも同性愛者ではない人が、自分の本能をねじ曲げてまでその人を愛してしまう」と言うところにあると思います。
そう考えてみると、近親相姦とかより乗り越えるものが大きいかもしれません。近親相姦で乗り越えるものは常識ですが、やおいが乗り越えるのは本能です。本能を乗り越える方がすごい気がしますよね(常識を乗り越えているという面もあるでしょうけどね)
で、どうせ乗り越えるなら大きなものを乗り越えた方がいいというか、大きなものを乗り越えるついでに本能も乗り越えるというか、その「乗り越える」ところに大きな萌えがのるよーな気がするのがいわゆる下克上というやつです。
あれですね「俺は梧桐君にはかなわない………でも梧桐君を………」みたいなやつです(笑)
この下克上こそ、やおいの華。キングオブやおいと言ってもいいでしょう。
なぜって、そもそも男女間ではこの下克上という関係は成り立たないんですよ。いやね、すっごい有能な女王様に恋する兵士とかいう関係はあるでしょうが、それは下克上ではないんです。
なぜって、女王様だって性別は女。恋人が欲しいなーと思ったときに選ぶのは男なわけですよ。恋する兵士は、女王様の恋人を目指せばいいわけで、というか恋人になれないのは、その男に男としての魅力が(女王様から見て)欠けているというだけの話なので、「のりこえる」という萌えがどーのという話ではない。
女王様の寂しい心を兵士が埋めたって、まぁありふれた話にすぎませんからね。
しかしやおいの下克上は違うんですよ。そもそも八樹には(←は?)皇太子の梧桐さん(←は?)の恋人になる資格なんてないわけです。男ですからね。ついでに能力的に、または身分的に梧桐さんを乗り越えることも出来ないんです。ついでに本能は梧桐さんを求めていないわけです(と書くと妙ですが、つまり八樹は元々ノーマルだということですね)この状況で展開する愛! ―――これはやっぱやおいならではのシチュエーションでしょう。
では少し考えてみましょう。このコーナーは半屋受が多いのですが、(へぼんの為には自分の萌えを乗せなくてはいけませんからね(笑))下克上というテーマは半屋ではどーにもならんので、さっきの続きで八梧で行きます。
梧桐勢十郎は皇太子。父王は行方不明中(表向きは病気中)で、梧桐さんが国務を代行しています。(王様より皇太子の方が萌え度は高いですね。さすがに王様にしちゃうとつけいるスキがなさすぎですし、未来の選択肢もないし)八樹は梧桐さんより年下(という方が下克上的な萌えは高いです。しかし、八樹に限って言うと個人的には梧桐さんより年上である方が卑屈さが増してナイスなような気もしますが、ここは卑屈要素は出来る限り排除した方がいいので、スタンダードに年下にしておきましょう)、とにかく年下で、大臣の息子です。 |
下克上なんだから、大臣の息子よりもっと身分に差がある方がいいような気もするでしょうが、そうじゃない。どうしてそうじゃないかというのは、これが八梧でなくて半梧だったらどうかと考えるとわかりやすいでしょう。
流しのチンピラ半屋が皇太子の梧桐さんに恋をしたとしましょう。さてこの半屋さんは梧桐さんを乗り越えたいと思っているでしょうか? いや、強さとしては乗り越えたいと思っているでしょうが、そうではなくて、人間としてとか、身分として乗り越えたいと思っているかどうかということです。
半屋の性格だとそもそも身分などを気にしないかもしれませんが、チンピラ半屋と皇太子梧桐さんではあまりに身分差がありすぎて、恋人と言うよりむしろヒモ(←おい)です。身分差のトキメキも、乗り越えるパワーもあったもんじゃありません(笑)
半屋さんの性格を考えると身分なんてむしろ邪魔というか、「禁じられているからこそ乗り越えたい」という萌えより単なるマイナス要因になりそうですが、別に半屋じゃなくても、チンピラと皇太子では乗り越えようとか思わないほどの身分差ですよね(笑)
などと一生懸命考えてみても、そもそも半屋さんは身分差があるときに手を出したりしなそうですが(笑)
身分差とかってめんどくさがりそうですよね。プライドが高いというのか、常識があるというのか何と言えばいいのかはよくわかりませんが、相手が自分より身分が高い場合、押し倒すより押し倒される方が楽そうだ(笑)―――とか思うのは自分のカップリング観のせいかもしれません(笑)
さて、話が大幅にそれましたが、何が言いたかったのかというと、「同じ価値観の中に生きている上での身分差じゃないと、そもそも乗り越えようという話にならない」ということです。
特に「身分差はあるけれど、その身分を乗り越える可能性がまったくないわけではない」というぐらいがちょうどいいですね。
なので、皇太子の梧桐さんと大臣の息子でかつ王位継承権12位くらい(ビミョー…)な八樹、という組み合わせが、下克上ロマンの為にはちょうどいい感じ♪です。
地方で神童と呼ばれていた八樹は、王政の補佐をするため、都にやってきました。現在は王が病気の為、皇太子が王政を仕切っていますが、この皇太子の評判があまり良くありません。王位継承権8位(ちょっとランクアップ)で、地方の神童の八樹は万が一の可能性を少し考えながら、お城へ入りました。
しかしお城の中で王位に座っている人を見てみると、なんと皇太子梧桐勢十郎は、幼い頃ほのかに憧れていたあの人だったのです。
「おお、貴様は家の隣にいた薄気味悪い(って…)子供ではないか!」
その人は八樹の事を憶えていました。そして相変わらず、とても美しい人でした。そのときから八樹は恋に落ちたのです。 |
何というか、八梧の八樹が幼い頃2〜3歳年上の梧桐さんを見たとしたら「美しい人」だと思うような気がするんですけど、どうでしょう(笑)
あんまりしゃべったこともなく、遠くから見るだけって感じですね。これが八樹ではなくて半屋だと、梧桐さんの方から積極的にからかいに行きそうですが、八樹の場合はそれもなさそうですから、見ているだけ。見ているだけだからよけい憧れ(とは八樹本人は気づいていなそうですが)が募り………って感じっぽいですね。
そんな八樹少年が、あこがれの梧桐さんの補佐を初めて早数ヶ月。その間も梧桐さんはどうしようもありませんでした(笑)
八樹には梧桐さんが国のためを思って色々していることがわかるのですが、他人から見たら、梧桐さんが国を気まぐれに破壊しているようにしか見えません。
「梧桐君…(年下で身分が低いのにこの呼び方はどうよ、というのはおいといて)。そんなことをしたら、また変な評判が立つよ」
しかし梧桐さんは八樹の制止のかいもなく、へんてこな行動(しかし八樹にはその理由がわかる行動)をとり続けます。
俺が梧桐君を支えなくては、と張り切る八樹。孤独な支配者、梧桐勢十郎のことを理解できるのは俺だけ―――しかし梧桐君は俺を頼ってはくれない。
その煮詰まった想いはやがて……… |
………ってな感じでしょうか(笑)
ここでポイントなのは、「乗り越えたい」ということを全面に押し出したらいけないという事でしょう。
下克上で一番避けるべきことは「人間として乗り越えることができないから、肉体で(…って)乗り越えようっていうのアンタ」みたいな攻めでしょう(笑) いや、これはこれで萌えですが(笑)
乗り越える可能性や乗り越えたい気持ちというのは(さっきは延々とこれで語っていましたが)、あくまで隠し調味料です。これがないと下克上ではありませんが、これを全面に押し出しすぎると、下品な感じになります。
パラレルネタではなくて、本物の八梧で考えた方がわかりやすいですが、体格の差にものを言わせて、無理矢理梧桐さんを手込めにした八樹がいたとしましょう(その梧桐さんはどうよ、と思いますが)。煮詰まっているのはわかるのですが、「強さで梧桐さんに勝てないからって、そういう方面で勝とうとしているアンタってどうよ」みたいな感じですね(笑)
いえ、これは作家さんの書き方によっては、うまく処理できると思うんですけど(実際そういうシチュも萌えではある)下手に書くと、その攻めって人間的に下品?って感じになってしまいそうです。
特に八樹にはそういう人になって欲しくないよな〜 梧桐君の事は好きだけれど、強さの面で勝っていないのに、そういう行動にでるのは卑怯なのではないかと悩んで、まったく手を出せないくらいの八樹でいて欲しいものです(笑)
さてさて、ここはへぼんを書くコーナーなので、単なるトークをしていても仕方がありません。
というわけでここからは各論、「半屋受で下克上をしてみる」というテーマに突入してみましょう。
下克上ですから、受けが身分(または能力)が高くないといけません。半屋受けではなかなか茨な道です(笑)
梧半で半屋が身分が高い場合………ってどんなのでしょう(笑)
なかなか難しいですが、考えてみると新たな萌えが生まれてきそうですね(笑)
しかしこれ以上書いていたらまた更新が遅くなりそうなので、今回はこの辺で。続きはまた今度。
といっても、続きって、このままだと延々謎の半屋受トークになりそうですが、それはどうにか考えるとして、とにかくまた近いうちにということにしましょう(笑)
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