四万ヒット記念企画『へぼんのお部屋』



 
ヘボントーク3


 萌えというのはキャラにだけおきる訳ではありません。そしてそれがへぼんの元となるのもキャラ萌えの時と大差ありません。
妙に熱い描写、描写に振り回されるストーリー。そしてどんどん大がかりになってゆく人物設定。
 言いたいことが伝わりにくいかとも思うので例を挙げましょう。
…って冷静っぽく書いてるけど実はかなり恥ずかしいんだよ!
 これから例に挙げるのは私が以前作ったネタなんですが、当時私はそれがへぼんだという自覚はなかったのです。しかもへぼんではなく単なるヘボ…。でも行きましょう!せっかくの企画だし(笑)
 攻めは日系アメリカ人(このあたりからすでに…)近代五種の金メダリストなのですが、とある趣味を持っていて、その世界で高名になってしまったため、連盟から嫌われています。近代五種は競技会が少ないので(←本当なのか調べていません(笑))それ以外の時間は趣味の世界で生きようと、自分が無名な日本にやってきました。
 ここで問題になっている趣味というのが…かなり書きたくないのですが、盗聴なのです。そりゃあ金メダリストがそんなもんで有名になったらやばいよ(笑)
 で、彼は日本で盗聴専門の闇の事務所を開きました。
 今日の仕事はコンサートワッチ。チャート初登場35位程度ですが熱狂的ファンのいる男性ボーカリスト(←受)のコンサートの盗聴です。場所は渋公。事前に楽屋などには盗聴器を仕込んであります。
 渋公の隣は道路なので、機材をつみこんだ車を横付けして、マイクの周波数をさぐる攻め。
 ところがその他の機材の周波数は拾えるのですが、ボーカルマイクの音が拾えません。すでにリハーサルの時間です。楽屋の盗聴ですでに受けが楽屋から出たことは確認しています。
 いらつく攻め。その時、車のガラスを叩く音がしました。攻めがガラスをおろすと、その男が勝手にドアを開けて隣に乗り込んできます。「日本に来てるって本当だったんだな」。そう言うとその男(当然受け本人)は勝手に攻めの機材のチェックを始めます…そう、受けもその業界を良く知る男だったのです(彼は盗聴マニアではなくメカフェチ)


 …さて。
 私は一体なにがしたかったんでしょう?(泣)
 ちなみにこれはシリーズ物で、ここまでは出会い編。本編は攻めが依頼された盗聴仕事中心のシリーズになる予定で、時々、銃とかアメリカにいる愛馬とかの近代五種ネタもからめる予定でした(笑)

 この当時、私が何に萌えていたのかは一目瞭然。盗聴と近代五種ですね(泣笑)
 このシリーズ、その名もすばり『ラジオライフ』だったのです。あ、もちろん私は『ラジオライフ』の愛読者だっただけで、実際に盗聴とかはしていません(笑)
しかし萌えっていうのは謎な話を生み出しますねぇ…いろんなことに必然性がないもんな、この話(笑)
 なんで金メダリストが盗聴なんでしょうねぇ。盗聴業界の有名人を知っているメカフェチなマニア受け歌手っていう設定の受けもどうよ?(しかも攻めをナンパしてるし(笑))

 この手の作者の知識萌えに振り回されるストーリーは読む分には大好きです。でも実は自分でそんなネタを作っているという意識はまったくなかった(笑)
 自分の経験もふまえて考えると、この手の話はどうも意識的に作るのではないようです。まさにその知識にはまっている最中だから、ごく普通の「ちょっと面白げな話」程度の思いつきでできるのです。そして熱に浮かされているのでまわりがそれをどう思っているかは考えないのです。

 盗聴話だって盗聴はかっこよくて面白いんだ!という熱意にあふれてるストーリー展開だもんなー。受けと攻めがDATの性能について語っていたりするんですよ(笑)それがラブを証明する会話だと思っていたらしい。>当時の私。
 今、ここでこのタイプの話を明稜ネタで作れっていわれても作れないもん。熱く萌えている趣味とか知識がないからなー。未だ盗聴で書くことはできますが、盗聴萌えが薄い分、まともな盗聴ネタ(←どんな…)になるのがオチでしょう。かっこよくて面白い!という視点の盗聴なんてとてもとても(笑)
 こういう『私の知らない知識萌え』な話から様々な知識を学んだので、どんどん読みたいんですけど、こう考えてみると結構難しい物ですね。きっと私が読んだあの作者さんたちも別に「この知識を読者さんに伝えよう!」と思っていたわけではなくて、怪しい萌えがきてそれに憑かれたかのように書いていたんだろうなーと思います。

 さて。萌えは憑き物というのが近頃の私の主張なのです。おなじ憑き物でもアラブ萌えとかならストーリーがアラブになるから自分でもわかるでしょうが、知識萌えはストーリーと融合しちゃうから自分でもわからないような気がします。
 今、急に気づいたんですが、私、明稜でもやってますね。なんであんなもん書きたくなったのかわからなかったのですが、そうか萌えが憑いていたのか(笑)
 あれです『ミユキの化粧』(←知らない方はどうぞそのままで(笑))。私はこういう妙な萌えがミユキにつくみたいです。石原裕次郎とか生チョコとかね(笑)
 やっぱ自分でもなかなかわからないなー>知識萌え。今あげた以外にもありそうです(笑)

 そういえばこういう『萌えが文章に影響した』というのとは逆に、もともと萌えではなかったのに萌えがつくと、ラッキーなことが起きるんですよ。その萌えの対象について深く知ることが苦じゃなくなるのです。知らなかったことや見過ごしてきたことを知りたくなったり。私なんか人よりは『畳の作り方』とか『着物の種類』とか詳しいもんなー。かつてそれらに萌えが来たから(笑)

 あとそういえば、同人を読んでるとなんか急に描写が厚くなったり、唐突に挿入されたエピソードっぽく感じることがありますよね?たぶんそれは知識萌えなんでしょうね。
 でもエピソード系知識萌えはちょっと危険です。萌え力が強い上に、それだけで1エピソードになるのが、あれらのネタの困ったところです。何が言いたいのか、同人が長い方はわかるとは思いますが、ああいうのを書く人が多いということからも、知識萌えはわーっと頭にとりついて、まわりが見えなくなるんだなということがわかりますよね。

 実は今、私にこのタイプの「エピソード系知識萌え」が降りてきているのです(笑) 普段だったら少し我慢をするのですが、せっかくの企画です。行ってしまいましょう!
 あ、いつもやらないことを色々解禁してはいますが、一応真剣です。その上でこの話の続きを。

ではどうぞ〜。

 『偽りの夜に流れ着く』

 さて。私についた萌えがなんだったのかはすぐにおわかりでしょう。もしかしたら出典がわかる人もいるかもしれない(笑)
 私はとある小説でこのエピソードを見かけたのですが(しかも今週発売の週刊誌)、出典もよくわからずに強い萌えが降りてきて。
 詳しいことはわからないので、もしかしたらその作家さんのオリジナルなのかもしれないし、近頃はやりのネタなのかもしれないし、本当に昔から伝わっている話なのかもしれませんが、あえて調べずに萌えのまま書いてみました。こういうエピソードは、それを使うだけである程度の重みがでちゃうし、しかもその重みの色が似ているから、うまく工夫をしないとちょっと危険なような気がします。
 でもやっぱ萌えが降りてくるんだよ!まわりが見えなくなるの! 八半でやりたかったんだもん!(←トークで書く内容ではないですね(笑))

 さて。実は知識萌えなへぼんは大好きだけどエピソード系はちょっといただけないかも、ということでこの話を終わらせる予定だったのですが自分でやってしまったので、何がなんだかわかんなくなってきました(笑) 

 話の整理をすると(というか、しとかないと訳がわからない(笑))
1.とある知識に萌えるとヘボンを生むことがある。(例・盗聴話)
2.知識萌えは他の萌えと比べ、自分が変なことをやっていることに気づかない事が多い。
3.知識萌えは読者に知識を与え(少なくとも私は本当に色々教わりました)、作者にはその知識に対するより深い興味を呼び起こす(盗聴にもより詳しくなりました(笑))
4.エピソード系知識萌えは萌えの力が強いので注意が必要。

 ということになります。まとめると言いながら話していない話も入っていますが、言いたかったことはこんな感じでした。

 個人的にはやっぱナイスな知識萌え話を明稜でも読みたいですねー。明稜はキャラが強いせいか、あんま知識萌えな話を見かけないのですが(というか元ジャンルがありすぎ…)、ナイスな知識萌えな話を読んだ後だと、読者側としてもその知識に対する興味が増すんですよ。現実系ジャンルは知識萌えな話ともなじみやすいと思いますので、なんかナイスな知識を持っている方はぜひよろしく♪



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