☆☆ヒラタクワガタを語る!HP再始動特別記念投稿☆☆

「里山の今を歩く(能勢・川西特集)」

第三部  台場クヌギ炸裂編 



本文、画像:ヒラタの鉄人


 
 おおっ、確かこのクヌギだよなぁ・・・まだあった!!良かったぁ・・・再会できて・・・
当時、初めて能勢方面に一人でポイント探索をしていてひょんな事から見つけたこのミニ台場クヌギでいきなりオオクワガタの♀を樹液採集したのが昨日の事であるかのように脳裏に浮かんできた。
 


<十数年前、オオクワガタが居たミニ台場クヌギ>

 
 このミニ台場クヌギのコブの下部に、当時樹液が出ており、薄暗くなった夕方に、ヒラタクワガタ♀と思ってつまんだ個体が何とオオクワガタだった訳である。
 
 季節がら、コブの上には笹の枯葉が溜まっていたが、コブの下部には何となくだが、樹液を出している痕跡が確認できる。って事は、このクヌギはまだまだ現役バイねー!とブツブツ言いながら、一通り外観のチェックを入念にして、また次回会う時まで元気でいてくれ!と、挨拶代わりに、クヌギの幹を手で叩くも、何も落ちて来なかった!(当たり前ですね!^^;)
 


<ついに姿を現した台場クヌギ・・・樹液痕がすごい>


 更に笹薮をかき分けながら進むと、いよいよ極太のクヌギが姿を現し始める。今もちゃんと健在しているようで、ひとまず安心である。さすがに太いなぁ・・・と樹肌を見ると、ほとんどの部分が黒光しているではないか・・・

 まぎれもなく樹液を噴出させている痕である。わおっ、流石能勢地方たいねー、現役バリバリ台場クヌギやねー・・・とつぶやきながら周囲の台場クヌギ群のチェックに入ります。
 


<芸術的な形をした現役バリバリであろう、台場クヌギ>


 見渡すと、そこは一帯が台場クヌギが群生している。わざと誰かが樹木がそのような形になるように手を加えているからこそ、このような形になっているのであろうが、まるで芸術品さながらである。
 


<台場の基礎の部分が穴ぼこだらけの典型的台場クヌギ>


  うほ〜、前回来た時と同様の台場クヌギが一面に広がっている。見た所、特に荒らされているようなクヌギは無さそうである。十数年前に初めてこちらを発見した時のままの状態が広がっている。
 


<芸術的台場クヌギ。能勢の象徴。Yの字になった姿が美しい>

 
 見渡す限りの台場クヌギの嵐。特に、能勢台場クヌギの象徴ともいえる、Yの字になった台場クヌギが小生にとっては一番美しい姿に映る。まるで、体操の選手が静止状態になる技、Y字バランスという状態があるが、まさしくそれに似ていると思う方もいるであろう。それほどまでに芸術的で美しい。
 
 しかも、Yの字の二股の所から決まって大量の樹液が噴き出す穴がばっくりと開いており、間違いなく多数のオオクワガタ達が台場クヌギの中で大量に潜んでいる事が伺える。
 
 おやっ、熊手(特製と思えるようなかなり大きな)が草薮に放ってある。・・・という事は、やはりここの地主の方がきちんと手入れをしているに違いない。熊手をクヌギにたてかけて・・・美しいクヌギ群の撮影に夢中になってしまった。
 


<美しい・・・台場クヌギの森美術館とでも言いたくなる光景>


 見渡す限りの台場クヌギの数々。しかも煙幕の痕はおろか、鉈等が入れられているような痕跡もなく昔のままの姿を維持していてくれていた。あまりの美しさに、関東にある、「箱根彫刻の森美術館」をなぞらえて、「能勢台場クヌギの森美術館」とでも命名したくなる程である。
 


<熊手をたてかけたクヌギに近寄って撮影。実際は超太い>

 
 実際の台場クヌギは写真で見る以上に太く、たくましい。こちらの台場クヌギのウロの部分は地上約1.8m程。真夏にでもなれば、こちらのウロの中で生息している無数のオオクワガタ達が外の空気を吸いに、ゾロゾロと穴から這い出して来る姿が勝手に想像されて、独りで思わずニヤついてしまった。
 


<とある台場クヌギのコブに近づいて撮影。オオクワが居そうだ>


 この台場クヌギのコブ状になった部分は、高さ約1.6m程度。こちらのクヌギの穴からも多量の樹液痕があり、真夏になるとオオクワガタの大群が穴から這い出てくる姿を勝手に想像してしまう。
 


<幼虫が育めるであろう立派なY字型の台場クヌギ>


 こちらは、超ぶっとい幹のY字に分かれた部分が朽ちており、オオクワガタが産卵、育成するにはもってこいの台場クヌギです。もしも、この地にオオクワガタがまだ生息しているとするならば、間違いなくこの樹には多量の幼虫がひしめきあっている事でしょう。
 


<十数年前、樹液採集できた完璧Y字型台場クヌギ>


 こちらの完璧Y字型台場クヌギでは、十数年前に最初発見した際に、Y字分岐の部分で確か5p程の♂の採集に成功しています。その時の雄姿がそのままの状態で残っており、思わず感動で、熱いものがこみ上げてきてしまい、藪をかき分けて近づいて台場クヌギの幹を思わず撫でてしまった。
 


<何度見ても美しい、芸術的かつ神秘的な台場クヌギ群>


 一通り台場クヌギ群を観察して、感嘆させられたのは、これだけの台場クヌギであるにも関わらず荒らされている形跡が見られないという点だ。確かに、このクヌギ群には地主様の手が入っているのはわかっているが、当方の地元の九州(佐賀・福岡)のかつてのオオクワガタポイントは、人の所有の山であろうとクヌギであろうと、もう滅茶苦茶にされていたのが事実である。挙句に地主さんがクヌギの樹木そのものを伐採してしまって、いくつものポイントが消滅してしまっている。
 
 そんな酷さがこの場所には見受けられない。地元の方々がきっちりと里山を守っているのだろうなぁ・・・良かったなぁ!台場クン達・・・と一人でクヌギに話かけたりしていてあっという間に時が経ってしまった。そろそろこの美しい台場クヌギの森美術館を離れる時が来てしまったようだ。
 

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