☆☆ヒラタクワガタを語る!HP再始動特別記念投稿☆☆

「里山の今を歩く(能勢・川西特集)」

第四部  また会おう!能勢・川西編 



本文、画像:ヒラタの鉄人


 
 芸術的な台場クヌギ群に別れを告げようと、笹薮に目をやった所、おやまあ、こりゃまた良さそうな立ち枯れクヌギがあるではないか・・・
 


<見事な立ち枯れクヌギ。直径40p程はあるようだ>

 
 
 ニクウスバタケが付いたいかにも(幼虫が)潜んでいそうなクヌギ立ち枯れである。うひょーっ、こりゃ間違いなくおる(居る)バイねー! 早速、近くのホームセンターに出向いて鉈を購入して・・・・・とならないのが今回の探訪な訳で(^^;)
 
 実は、こちらで採集した(当時10数年前)オオクワガタは今も累代飼育で繋いでいるので小生にとっては全くもって不要な訳である。この台場の森にオオクワガタが今も生息しているとするならば、間違いなく幼虫の森になっているであろう立ち枯れクヌギである。「このまま、頑張って子孫繁栄の為、幼虫を沢山育ててくれよな!」と立ち枯れ君に別れを告げて、この場を後にした。
 
 台場クヌギの森を後にして、とある道路沿いを20分程歩くと、えっと確か・・・・コナラの木が・・・
 


<左手前がコナラで、右奥の紅葉が進んでいるのがミズナラ>


  やっぱりここだ!前回もこのコナラの根本近くの分かれ目付近の(当時、少し樹液を出していた)所で、ヒラタ君を見かけた事があった。さて、今回はどのようになっているのかな・・・・?と近寄ってみる・・・・
 


<コナラの根っこ付近に近寄り、ズームアップ撮影>


  おやおや、確かに過去に樹液を出したような痕跡が多少あるにせよ、現在の様子では夏の真っ盛りであってもこちらの樹(二股分け目部分)で取れるようには思えないようになっていた。
 
 さて、次へ移動だ!と思ってふと自身を見ると、うわっ、自分のお腹周辺からズボン、靴下までびっしりと草木の種(直径1o程の)がひっついている。先程、台場クヌギ群や竹藪に入ったせいもあるだろうが、中には蜘蛛の巣やら葉っぱ等も混じって、超とんでもない姿に・・・・卸したての新品のスーツがぁこれじゃ台無しになる・・・と大慌てで種子や汚れを必死で払い落としている自分を、通行人の方が変な顔をしてこちらを見ているようだ。いやはや何とも情けない限りである。
 
 20分程その場でバタバタとやったお陰でほとんど元に戻った所で、気を取り直して、これ以上藪には入らないようにしなければ・・・と、こうなりゃ、新規開拓じゃぁ・・・先程の、綺麗に紅葉したイロハモミジの後ろに見えていたクヌギを調べてみるか・・・と、止めていた歩を先へと進める事20分・・・とそこには
 


<樹液痕ブリブリの台場状態となっている見事なクヌギ>


  地面から3mくらいのあたりで二股化している台場クヌギである。しかも、すごいのは樹液を出して(真夏だと壮絶に出しているものと思われる)いる事で、かすかではあるが、あの甘酸っぱいような匂いが多少感じられる程である。ここも間違いなく居る(クワガタが)バイねー。新規開拓成功たいね。と独り言を言いながらも隣を見やると・・・おっつ、これまたクヌギたいねー。
 


<幹全体が樹液に覆われたような痕跡がある台場クヌギ>

 
  こちらは、地上4m程の高さで、大きく二股に(写真の上部で)分かれている、典型的な台場クヌギ。凄いのは、二股に分かれた所からの樹液の噴出によるものであろう・・・幹全体が蒼黒く変色する程かなり樹液を噴き出しているのであろう。幹の所どころに穴ぼこが開いており、オオクワガタやヒラタクワガタが好みそうなタイプのクヌギである。これで新規ポイント発見!という事で一人満足し、更に隣ののクヌギに目を移すと・・・・
 


<見つけるクヌギが全てこんな感じ・・・樹液痕が凄い>


 ありゃりゃ、このクヌギも台場クヌギばいねー。しかも樹液痕がすごかねー。オマケに穴ぼこだらけで、その穴ぼこに丁寧に落ち葉が挟まってしまっている程である。この木も間違いなくオオクワガタが生息するには十分な資格を持ったクヌギである事を確認し、新規開拓大成功!と自分で自分に言い聞かせた所でタイムアップ! いよいよ引き上げる時が来たようだ。
 


<のどかに広がる田園風景、水辺の存在も重要なファクター>

 
  ええーっと、恐らくこっちの方向だよなぁ・・・能勢電鉄沿線は・・・と大まかな予測の元に、重たい鞄を肩にかけたまま、のったりと歩いていくと、遠目にも美しい田園風景及びクヌギ・コナラと思われる紅葉樹林が私の足をしばし停めてしまいます。
 
 ううっ、あの樹を調べてみたい・・・あの地形だとあのあたりの広葉樹には、クワガタが生息してそうだなぁ・・・という誘惑があまりにも多く、なかなか駅の方に戻れないで居ましたが、いい加減足腰がもうクタクタで横になりたい・・・という怠惰な感情が重なって、ようなく猪名川が見える所まで戻って参りました。
 


<猪名川にかかる橋の上から。土手沿いの樹木が美しい>


  ようやく猪名川への戻ってきたついでに、猪名川にかかる橋脚の上から一枚写真を・・・と見るとやはり土手にはいくつかの樹種が土手を覆っているようだが、どうしてもクヌギ系に目が向いてしまう。
 
 写真中央に大きなクヌギが見えており、そこを調べてみたい気持ちが抑えきれない自分をなだめつつ、「次回は、Jimmy殿を連れてきて一緒に調べたらいいさ・・・」等と一人納得して、てくてくと駅方面へと足を運びます。やがて・・・
 


<再び戻って来た、餃子の王将多田店裏桜並木街道>


  多田駅前の餃子の王将店裏の抜け道街道まで戻って参りました。やっぱ、ここの桜並木はすごいなぁと、再度パチリと写真に収め、スタート地点の駐輪場と化したクヌギポイントにも再度別れの挨拶を済ませ、多田駅では、自動改札機に向かって、「どうもありがとう!また来るからね〜」と挨拶をしたかどうかまでは定かではない。但し、今回の能勢川西方面を探訪した事ではっきりとわかったが・・・
 
 いくら能勢・川西地区のオオクワポイントが荒らされている(いた?)とはいえ、小生が回ったかぎりにおいては、特に酷い仕打ちを受けているようには思えなかった。たとえば小生がレポートした立ち枯れクヌギ等、九州の筑後平野のポイントにあったら、まず消滅しているだろう。(朽木採集で鉈を入れるよりも、根こそぎ解体されて持ち去られてしまう恐れが高い)
 
 それと、今の時代・・・十数年前のオオクワガタブーム(80oオオクワが1000万円で取引された時代)が過ぎ去って、現時点において躍起となって採集する(プロ採集、アマ採集家を問わず)方々が激減したのも一因にあるのではないだろうか・・・・

 いづれにせよ、小生が昔見つけた台場クヌギの森がそのままの状態で残っていた事については本当に懐かしく、かつ有り難い気持ちにさせてもらった次第である。国内のオオクワガタは、今では絶滅危惧種として扱われるようになったと聞くが、私が今回案内したポイントを始めとして、他の地域の有名オオクワポイントもそっと大事に扱ってあげたら、また昔のようにオオクワガタ君達が安心して暮らせるような時代に戻ってきてくれるだろう・・・そう思い起こさせる今回の探訪であった。
 

【番外編】
 


<弁天町の高層ホテル最上階から大阪市内梅田方面を臨む>
※Jimmy殿の住処は、あの梅田高層ビル群の向こう側に
位置しているものと推測される


 私事ではあるが、小生は現在仕事上で大阪に来る事が多い。理由は、会社組織上
大阪(支店)管轄に下に身を置いているからに他ならない。まあ、15年くらい前からも
仕事で大阪にちょくちょく来ていたが、当時は大阪市内のごちゃっとした雰囲気に
なじめずに、大阪出張があるたびに若干憂鬱になったりしていた。

 しかし今では大阪に出向くと、ワクワクしてしまう。たこ焼き、お好み焼きを食べるのが楽しみ・・・まあ、それもあるが、やはり1時間程で能勢方面、京都方面、奈良方面等・・・オオクワガタの産地に手軽に足を運べる環境がうらやましい程である。

 大阪市へ行くなら・・・通天閣?USJ見学?難波花月?美味しいお好み焼き?日本橋に家電を見に行く?新地で遊ぶ?等等楽しみ方は色々ありますが・・・小生にとっては1時間余りでクワガタ/カブト虫のポイントにたどり着く事ができる環境が素晴らしい!

 今後も、大阪に出てくる時は、里山を巡る機会をビジネスに組み入れて行動して
いこうと固く心に誓っている次第である。

☆☆おしまい☆☆
 

 


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