第一回のテーマは、やはりこの時期ですから当然オリンピックです。 という訳でまずは縦蹴りの話から(???) 「この空手家を覚えておこう(第一回)」の中で余談として述べてますが、質問も受けましたのであらためて補足という事で。 まず「縦蹴りが駄目」という訳ではないです。 軸足から腰、膝、足先までの回転運動が一連ではなく、バラバラに膝下のみを前蹴りか、三日月蹴りのような膝の位置からチョコンと足先だけ反転させる。これを縦蹴りだと思って満足している事が嫌なのです。 あるいは試合において回し蹴りというとこのような感じの蹴りしかできない(体重を乗せた蹴りができない)というのが不満なのです。 この蹴りでも繋ぎや、フェイント、コンビネーションの一環と理解して使うのであればいいが、これを倒す技だと考えているとするとちょっとお粗末かなと。 体重差があればともかく、似たような体格であれば当たっても余程タイミングやポイントがよくなくては一発で倒れるという事は考えにくい。 ブラジル人などのように、膝下の長さが極めて長く、膝下のみで日本人の足7割くらいの長さではないか?と言うような場合は、遠心力がついてくるので効き目が違うでしょうが、私みたいに膝下が小学校で使う30cm物差しみたいなのだと絶対駄目ですね。これは効きません。 最近はスタイルがよくなったとは言え、通常の足の長さの日本人であるならば、大きく膝を持ち上げ、体の回転と一致して足先がダイナミックに走るような回しや縦蹴りが倒すためには必須となってくると思います。 大きな正しいフォームを稽古してできるだけ使えるようにし、そうでない縦蹴りは、応用・変則として運良く倒せるもの、繋ぎという意識を持って使用して欲しいという事です。 (この場合大きなフォームだと金蹴りをもらうというのは別次元の話。また応用・変則でも徹底的に磨けば倒せるものになる場合もありますが) 縦蹴りの本家的存在の極真グラウベ・フェイトーザも大きな回し蹴りと変則とを使ってると思います。稽古の映像でも縦蹴りの際、全身をうまくつかって大きく膝を持ち上げ、その頂点からたたきおろすように振ってたはずです。 それでもってようやくオリンピックの話です。 上記の話は、あながち無関係ではありません。 スピードスケートにおいてはコンマ数秒の記録を伸ばす為に、スタート時の体の高さを数センチ、数ミリで調整できるようにトレーニングするそうです。 フィギュアスケートにおいても、微妙な手、指先の動き、ジャンプのタイミング、細かなところまで徹底的に意識して稽古するとの事です。 (その為に別途バレーのレッスンを受ける人もいる) オリンピックレベルだからと一言で終わらせる事もできますが、我々空手を実践する者は、そこまで厳しく稽古してるだろうかと。 先の縦蹴りはその例であると言えます。正拳突きの引き手の位置、突くポイント、本当に意識してやってるのか? 前蹴上げでの膝はまがってないか等。 武道、武道と唱える人もそこまでやってるだろうか? オリンピック選手のトレーニング風景がよくテレビで紹介されますが、あれを見ていると自分たちのやっている事は本当に「厳しい稽古」と言えるのだろうか? 空手でいう「猛稽古」なんてあの人たちのレベルからするとお子様ランチに見えないか? 精神論だけでなく、まず自分たちの稽古が本当にレベルの高いものであるか、もう一度謙虚に見直し正してゆかなくてはならないのではないか。 などという偉そうなことを考えてしまいます。 ちなみに、私自身、これからも気をつけなくてはならないですが、空手でも、少林寺拳法、日本拳法でも「武道、武道」とか「すごい稽古した」といっている人で本当にすごい稽古をしてる人ってめったにお目にかからないですね。ほんと。 2、3年少し練習して、黒帯絞めてるけど、腕立て50回もろくにできず、スタミナも千本(いや五百本か?)に満たない蹴りの本数でヒイヒイ言うようなのが後輩にむかって「空手だから、空手てぇ〜のは、武道だから」などとよく寝言をのたもうているのであります。 そんなのに限ってすぐ喧嘩して中途半端な怪我をさせる(させられる?)。(たま〜に、そんなのじゃなくても喧嘩する人いるけど:まっこの場合しっかりした理由があると思うです。) |
もう少しオリンピックの話をしたかったのですが、またという事で本日はここまで。 (文責 横木) |