★化け猫、「腐゜嬢306号」を買う の巻★
其の壱 : 「とまどうペリカン」
「もう、2ドアの車はいやーっ!!」
・・・それは天高く馬が肥えちゃったりする、とある秋の日の午後のことであった。
私(化け猫)は当時、某T●Y●TAの「カレン(初期型)」なるクーペに乗っていた。
微妙なラインのダックテイル、「3S」のエンジンを積むセリカの姉妹車。
口の悪い友人をして「でっかいレビン」と呼ばれたこのXSは、しかし化け猫の大のお気に入りであった。ところが。そう、「ところが」である。
当時まだ運転免許を持っていなかったウチのカミさん。
それこそ昔は私とのデートに使用していた"CELICA GT-FOUR"(ST185)を気に入ってくれていたハズなのに、やがて結婚して子供を設け、その頃にはすっかり見てくれよりは実用性を選ぶオ○゛サンになりつつあった・・・・・・げしっ!! (注1)
はうっ!!(注2)・・・す、すいませんすいませんすいませんっっ!!(注3) −−−家庭を持った私は、いよいよ世間一般のパパが一度は迫られるであろう次期に到達していた。・・・曰く、
「クーペを諦めてファミリーカーを買うこと。」
・・・(-_-)。
・・・・・・(T_T)。
・・・・・・・・・(T^T)。
ファミリーカー。・・・ああっ、"FAMILY-CAR" !!
それは車やバイクにある意味での確固たるポリシー・又は漢(をとこ)の美学を持つ者に否応なく降りかかる天災と同じ。
すべからく「家族のため」という一義的な解釈のためにとんでもない選択をしてしまった御仁を何人か知っている化け猫としては、この
「ファミリーカーを買いなさいっ。」という言葉は、
「戦って、死ね!!」と言われるのと同義語なのである。・・・しかし、カミさんの言うこともごもっとも。
荷物がそれほど積める訳でもなく、無意味に3ナンバーへと肥大したこの"ST"シリーズのクーペは、今ではいわゆる「郊外型大店舗」のせせこまい駐車場で、四苦八苦する立派な元凶でもあるのだ。
それに、私には当時3才になる子供がいた。
前座席をいちいち倒してチャイルドシートにガキをくくりつける作業というのは、実は決して楽なものではない。しかし、元来が能天気でものごとを深く考えない頭の持ち主と化していた化け猫(注4)は、その翌日から、すかさず新しい車を購入すべく、クルマ屋巡りを開始したのである(笑)。
時は199×年。翌年の車検月まで、あと5ヶ月という日の出来事であった・・・。
其の弐 : 「アジアの純真」
選択の条件として、
・・・自分でもわがままだと思います、ええ。
そこで飛び込みましたのは「ローバージャパン正規ディーラー、(株)ファミリー、ローバー木更津店」でした。
・・・よりにもよってなんちゅー名前の店だよ。これは私に対する挑戦だなっ ?!! <<(をい)最初はローバーの「200」シリーズ(注5)を見に行きました。
ローバーは、そのつい前年までホンダと技術提携をしていたせいもあって、カタチがシビックとよく似ています。
・・・ミニももちろんあったんですが、小さいし、何より高速が辛そうだったので敢え無くパス。
しかも、当時はまだ200のラインナップにM/Tの設定が無く、私は店長さんに何度か相談してみました。「プジョーなんかどうです?」
店長がこう切り出した時、私はなんの冗談かと思いました。
中古で人気なのは往年の名車・205GTぐらいなもので、あとは日本では泣かず飛ばずの不人気(と、言うよりは「マイナー」)なメーカー。
そりゃWRCを知ってる私は、当然そんなことは無いと知っていましたが、・・・しかし、やはり現実問題としていきなり欧州車・しかも「おフランス」というのは・・・ちょっと・・・。まぁ、希望する選択肢にそれしか無かったのも事実。「ちょっとカタログ見せてもらっていいですか?」と、手に取ったのが運の尽き。
・・・挙げればまだまだ切りはありませんが、とにかくその「異国の文化てんこ盛り」とでも言うようなクルマづくりの姿勢が、
化け猫の琴線に触れまくりでした。価格は、・・・うっ、少々高い、か・・・? でも、払えない額じゃあないなぁ・・・。
其の参 : 「娘がねじれる時」
家に帰ってカタログを、それこそ「穴の空くほど」見ていた私に、カミさんが横から、「外車なんか買って大丈夫なの??」と、ツッコミを入れる。
「もとはと言えばオマエのせいだろーがっ、うんがーっ!!」
・・・もちろん、ココロの中での叫びです(笑)。
「モデルチェンジは少ないし、長いこと乗るんだったらこーゆーのの方が面白くて飽きないだろーしさ。なによりも実用性が高いというのには驚きだ。これで10年はクルマを買い換えることは無いね。」<<(ウソ度・800%)
確かに外車のフルモデルチェンジってのはなかなか実施されません。が。
「イヤーモデル」という名の仕様変更は、それこそその名の通り毎年ある訳です。
エアバッグが助手席にもついた、今度はサイドだ、いや今年はフォグランプが標準になった、etc.etc......そりゃもう細かいコトなんですがね。「まぁ、アタシの意見をちゃんと聞いてくれてるみたいだし、いいんじゃないの??」 ・・・(ニヤリ)
言ったな?? 言っちゃったなああああっ ?!!
オレは悪くないもんねーっとお !! (核爆)
其の四 : 「夏の終わりのハーモニー」
次の日。
カミさんとガキを連れて「ファミリー」にやってきた化け猫。
早速店長さんに面通しをし、カタログの中の写真を示して「これ下さい。」と、まるで近所のスーパーでネギでも買うかのよーな声を挙げてしまった(笑)。
カミさんをショールーム内の商談席 : 私の隣に座らせてから試算してもらう。
思った通りの60回払い。
子供は「何色のクルマにするの??」と、私の膝の上でゴキゲンである。
カレンの下取りについては、既に買ったディーラーで見積もってもらった金額を提示してあったので<<(結構重要ですよっ)、具体的な数字を元に商談はスムースに決まった。
・・・ハズだった(笑)。
其の五 : 「ワカンナイ」
・・・家に帰り着いてから、カミさんが突然驚いたよーに声を挙げた。
「あんなクルマが300万もするの ?!!」
「今の今までなに聞いてたんだオマエはっ ?!!」(注6)(終われっ!!)
★この後、私 : 化け猫は、通勤に不便を感じていた弟(城司)に対してプジョーの"106/S-16"を勧めることになる。
また、時を同じくしてやさまたしやみ先生のHPにあったBBSにて知り合った"mucchi氏"と徒党を組み、ここにめでたく『激突 ! 欧州車連合』が発足したのである。
以来、コミケと言わずあらゆるオフ会の開催時において、「名物 : 赤い仏車のジェットストリームアタック」 と呼ばれることになろうとは、その当時の私には到底考えも及ばなかったのである・・・。