大石作品について
- ファンになった経緯
小説を読むようになったのは中学生のころかな。当時は、仲間内で流行していたSF小説(眉村卓など)を読んでいました。
高校生になってからは、もともと軍事マニアだったこともあり某@山氏などの小説を読んだりしたこともあるのですが、あまり触手は動かず、基本的には壮大なスケールのSF小説がメインでした。光瀬龍などですな。
その後、某荒@氏の”@@要塞”などが巷では話題になったものの、ちらっと見た程度でした。だって面白いと思わなかったんだもん。
数年後、世の中では”IF戦記ブーム(数年後、何故か”仮想戦記ブーム”と言うようになっていた)”などがありました。一応、火付け役となったと思われる某@巻氏の”@@の艦隊”なども読んだんですけどね。最初は面白かったものの、5巻辺りからなんだか「?」と思い始め、それでも頑張って読んだものの、結局、10巻くらいで投げ出しました。
その頃ですね。「?」と思い始めた頃ですね。大石英司の小説と出会ったのは。
戦争小説に面白い作品が無いと嘆いていた時、先輩に勧められたのが「核物質護衛艦隊出撃す」でした。借りて読んだら面白かった。特に特殊部隊”サイレント・コア”が最高だった。急いで本屋へ行って買ってきたのが「カナリアが囁く街」や「制圧攻撃機出撃す」でした。
以後、大ファンとなり、何件もの本屋を渡り歩きながら過去作品をあさり、新刊を初版でGETするなど、大石作品を読み始めたというわけです。
- 作品の特徴
かつての、第2次大戦を弄くった”仮想戦記ブーム(いまでも残ってはいるが)”はなやかし頃から、現代を題材にした戦争物を数多く手がけていたのには驚かされます。今でこそ、大石氏の二番煎じではないかと思われるような作品が数多くありますが、あの頃は皆無に等しかった。今でこそ平積みされているけれど、当時は「角っこに数冊置かれている」という状況だったのだ。それでも「仮想戦記は書かかない」というポリシーを曲げず、時代に流されず御自身のスタンスを貫いた姿勢が逆に多くのファンに支持されている理由なのかもしれない。
大石作品の特徴として、スピード感のある展開・緻密な設定・痛烈な社会批判・強い自衛隊・優秀だが呑気な登場人物などがあるでしょう。
《スピード感のある展開》
とにかく間が空くことがない。だからといって、ついていけなくなるような展開の連続ではなく、あくまでも飽きさせない構成なんです。そして、軍事小説にありがちな延々と続く兵器の”うんちく”やページ増やしとも思える意味不明な性能諸元の羅列。そういう記述はほとんど無い。あっても必要最小限。
《緻密な設定・痛烈な社会批判》
現在社会をモチーフとした緻密な社会設定が凄い。
また、登場人物の口を借りた社会批判なども散りばめ、読者の共感を上手く取り込んだりしています。
《強い自衛隊・優秀だが呑気な登場人物》
氏の作品に登場する自衛隊は強いです。自衛隊に限らず、メインキャラで登場する政治家や官僚は、とにかく優秀です。「実際はそこまで…」と思えるようなことも多々ありますが、これは恐らく氏の自衛隊や政治に対する理想像ではないかと思います。ひょっとしたら暗にプレッシャーを与えているのかもしれません。
また、登場する自衛官にしても政治家にしても、呑気な登場人物が多いですね。なんだかんだと愚痴をこぼしながらも与えられた仕事をこなしていく、優秀だが鼻につかず憎めない、そんなキャラクターに気が付くと感情移入してしまったりするのです。
- 最近の傾向
軍事衝突を主題材にしたものはもちろん、最近は超常現象系やバイオハザード系も多くなってきました。また、少年(”オタク”が多い)が活躍する傾向がありますね。