行頭記号


■ 行頭記号記法

 行頭記号記法とは、この文章のように "■" や "●" 等の記号を行の先頭に記述することで、 その行の種別を指定する記法のことです。例えば、"■" は章を表し、"・" は列挙を表すといったように使います。 雑誌や書籍でもこの記法を使っているものが多く、皆さんもなじみがあると思います。 記号により行の種別が即座に認識できるので、構造をもった文書(構造化文書と言う)の記述に適しています。
 ViViはこの行頭記号記法を使用した文書の作成を容易にするための機能を持っています。
 また、同様のUIで連番入力や、ユーザが設定する文字列 (たとえば "<li>")も簡単に生成することが出来ます。

■ 行頭記号の生成

 ViViを立ち上げ、行の先頭にカーソルがある時に、Alt キーを押しながら [→] を押してみて下さい。 "・,○,●,◎,□,■,◇,◆,△,▲,▽,▼,※,☆,★" といった記号が次々に表示されます。 これがViViの行頭記号生成機能です。[→] を押した場合は、リストの左から右に記号が変化しますが、 [Alt]+[←] は逆に右から左の順に記号が変化します。つまり、行頭記号をとても簡単に入力できるのです。

【注意】 行頭記号はタブ、半角スペースを除いた行の先頭にあるので行頭記号と呼びます。よって、 行の途中にある記号は単なる記号で行頭記号ではありません。

 行頭記号は、タイプ別プロパティの "入力" タブの "行頭記号:" のところで編集可能です。 半角カンマ(,)で区切って入力すれば、どのような文字列でも設定できます。HTMLを書く場合は、 "<li>" 等を設定しておくと便利です。カンマは区切り記号なので、カンマ自体を使用したい場合は "\" を前に付けて "\," と指定します。

■ 行頭記号の変更

 既に入力してある行頭記号を簡単に変更出来ます。 行頭記号の直後または行頭記号に続く半角スペースの直後にカーソルがある状態で、[Alt]+[→] または、 [Alt]+[←] を押すと、現在の行頭記号が、その次、または前の行頭記号に置き換わります。
 たとえば、

    ◎ 気分は形而上

で、"気" のところにカーソルがある状態で、[Alt]+[→] を押すと、

    □ 気分は形而上

となり、逆に [Alt]+[←] を押すと、

    ● 気分は形而上

となります。

【注意】 行頭記号がどの順序で置き変わっていくかは、プロパティシートで設定された行頭記号文字の順序に依ります。 章、節、大小見出し等についてあなたなりの記号の使い方がある場合は、それに適したように行頭記号を変更してください。

 また、ToDoリスト(やんなきゃいけない仕事の項目の一覧)やプログラムのバグ、 要望(筆者はこれをSPRと呼んでいます)の管理をテキストで行う場合、各項目の先頭に記号をつけ、 それにより項目の状態を表すと、管理が楽になります。
 例えば、未処置のものは、"□" を、処置済みのものは "◎" を、暫定的に処理したものは "○" とする場合、 未処理が処置済みに変わった場合は、カーソルを記号の直後に移動し、[Alt]+[→] または、 [Alt]+[←] を押すことで、状態を簡単に変更できます。IMEを使って、記号を選択するよりもはるかに簡単です。 一度試してみてください。

    【ToDoリストの例】

        □ ViViのドキュメント第1版を作成する。
        ◎ ビルド#0059をリリースする。

    【SPRの例】

        ● 0392 [ToDo] '<', '>', '&' をHTML用に変換する機能を実装する。
        ◎ 0395 [バグ] 検索の中断を行うとデッドロックになる場合がある。
            原因:同期処理が不充分だった。
            対処:CTermGrepDlg::OnDestroy でビューに対する WM_OUTPUT メッセージを
                  削除するようにした。

■ リターンによる行頭記号の生成

 行頭記号がある行の最後にカーソルがある時に [Enter] を押すと、 その行の次にもとの行と同じ行頭記号を持った行が生成されます。
 例えば、

        ・ Windows 95の標準的なインタフェース_

の最後にカーソルがある状態で [Enter] を押すと、

        ・ Windows 95の標準的なインタフェース
        ・ _

となります("_" はカーソルを表します)。 これは項目を列挙する場合にとても便利です。HTMLでは "<li>" で項目を列挙しますから、 この文字列を行頭記号として登録しておけば、 [Enter] を押すだけで行頭に "<li>" を自動的に生成してくれて、とてもらくちんです。

 しかし、 [Enter] を押すたびにいつも行頭記号を生成されると困る場合もあります。 その時は、[Alt]+ [Enter] を押します。この場合は行頭記号を生成しません。また、 [Ctrl]+ [Enter] を押した場合は、行頭記号を生成せず、ぶらさげインデント(下の例を参照)となります。

        ■ なんたらかんたら_//  ここでCtrl+ Enter を押す。

        ■ なんたらかんたら
           _

■ 行頭記号の参照入力

 この文章のように、"■" で節を示し本文には何も付加しない場合、文章を順に書いていく時の手順は、

  • "■" を付けて節の見出しを書く。
  • 本文を書く。
  • "■" を付けて節の見出しを書く。
  • 本文を書く。
  • .....

となりますね。"■" を行頭記号一覧の最初の方に登録している場合は、[Alt]+[→] をちょんちょんと数回押すだけですが、真ん中の方にあるとキーを押す回数が増えます。 それでもIMEの記号一覧で入力するよりはずっと楽ですが、 「行頭記号の参照入力」機能を使うともっと簡単に行頭記号を入力できます。
 [Alt]+[↑] を入力すると、ドキュメントの先頭に向かってサーチを行い、 発見した行頭記号をカーソル位置に挿入します。再度 [Alt]+[↑] を押すと、 先に行頭記号を発見した位置からさらにドキュメントの先頭に向かってサーチを行います。
 例えば、

    ■ トンデモ本とは
     「トンデモ本」とは、、、、
    ◇ 筆者の意図とはちがうとこでおもしろくなくてはいけない。
        たとえおなかがよじれても、、、
    _

という状態で [Alt]+[↑] を押すと、最初に "◇" を生成し,さらに [Alt]+[↑] を押すと"■" が生成されます。 逆に、[Alt]+[↓] を押した場合はドキュメントの終わりの方向に向かってサーチを行います。キーを押しすぎて、 行き過ぎた場合にも有効です。 このようにドキュメント中にある行の行頭記号を参照し、それを簡単に入力できる機能、 それが「行頭記号の参照入力」機能です。
 参照入力では参照行のインデントも行頭記号といっしょに生成されます。これを使うと、 項目を列挙する場合にインデントを合わせてくれるので便利です。
 以下に使用例を上げますが、文章を読むだけでは理解しづらいと思うので、是非ViViを実行して試してみて下さい。 便利さが実感できると思います。

    ■ うにゃうにゃとは
        ・ ちょめちょめでちゅ
        ・ 組み紐クラブですか?_

この状態で [Enter] を押すと、

    ■ うにゃうにゃとは
        ・ ちょめちょめでちゅ
        ・ 組み紐クラブですか?
        ・ _

次に [Alt]+[↑] を押すと、

    ■ うにゃうにゃとは
        ・ ちょめちょめでちゅ
        ・ 組み紐クラブですか?
    ■ _

文章を適当に入力し、 [Enter] を押すと、

    ■ うにゃうにゃとは
        ・ ちょめちょめでちゅ
        ・ 組み紐クラブですか?
    ■ がんばれドラゴンズ
    ■ _

となり、[Alt]+[↑] を押すと、

    ■ うにゃうにゃとは
        ・ ちょめちょめでちゅ
        ・ 組み紐クラブですか?
    ■ がんばれドラゴンズ
        ・ _

となります。