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美容院いろいろ



 自転車でうろうろしていて、「カットスペース○○」という名前の美容院を見つけた。“cut space”って何? ということで疑問を持って、ちょっと電話帳で調べてみた。美容院につくタイトルにはこんなのがある(「タイトル」であって「店名」でないことに留意)。
 アートスタジオ
 アートビューティ
 アートヘアースタジオ
 おしゃれハウス
 おしゃれサロン
 カッティングサロン
 カットイン
 カットクラブ
 カットスタジオ
 カットスペース
 カットハウス
 カットプラザ
 カットポイント
 カットルーム
 クリエイションスペース
 サロンド
 シィンキングヘアー
 パーマハウス
 ビューティサロン
 ビューティスタジオ
 ビューティショップ
 ビューティコレクション
 ヘアークラブ
 ヘアーコレクション
 ヘアーサロン
 ヘアーショップ
 ヘアースタジオ
 ヘアースペース
 ヘアースポット
 ヘアータイム
 ヘアーデザインルーム
 ヘアーハウス
 ヘアーブティック
 ヘアーフレンド
 ヘアープロデュース
 ヘアーメイク
 ヘアーモード
 ヘアーワークス
 モードスタジオ
 モードヘアー

 「ヘアー」は「ヘア」であったり「ヘヤー」であったりするのだが統一した。「ビューティ/ビューティー」も同様。片仮名と平仮名も同一視した。

 なんともすさまじい量のバリエーションである。まぁ「カット」と「ヘア」と「モード」、「サロン」と「スタジオ」と「アトリエ」を組み合わせればこれくらいにはなるか。

 「床屋政談」なんて単語もあることだし、やはり「サロン」なのだろうなぁ。

 「カットイン」というのがある。「〜イン」というのは美容室に限らずよく見かけるが何なんだろう。この「中で」やりますよ、という意味なんだろうか。まさか“inn”ではあるまい。

 「モード」や「ビューティ」があるのは当然だろうが、「おしゃれ」が意外に少ない。やっぱり欧米崇拝の激しい分野なんだろうか。上には挙げていないが、日本語では、「チョッキンハウス」というのが秀逸。

 こうしてみると、美容師が芸術家であることが分かる。「アトリエ」「スタジオ」「デザイン」「ワークス」あたりがそれをうかがわせる。
 「クリエイションスペース」あたりになると何屋だかわからない。こんなイベント屋やデザイン事務所がありそうな気がする。
 「シィンキングヘアー」は、“thinking”であろうと思われる。熟慮して切るんだよ、ということであって、毛がものを考えるわけではあるまい。

 「ビューティスタジオ」というような、「ヘアー」でも「カット」でもない名称は、美顔術やエステティックサロンなど、他の職業でも通用するであろう。
 「モードスタジオ」の広告はよく見かけるが、これで調べるまで洋服屋だとばかり思っていた。

 やはり「パーマ」は死語のようだ。

 意外だったのは「サロンド」である。「サロンド○○」とか「サロン・ド・○○」とかなのだが、「美容室」「美容院」というのを除くと、特に都市部で、非常に多い。
 田舎にいくとこういうのは減って、「美容室」「美容院」が大勢を占めるようになるが、わずかながら「山田花子」というような個人名が出てくる。なお、医者でもこういうことがある。

 俺としては、「ショップ」は「ものを売る店」だからちょっと違うと思うし、「ヘアースペース」ってのは切った毛をためておくとこのような気がするし、「ワークス」は油のにおいがして嫌なのだが、考えてみれば、男の俺にアピールする必要は全くないのだった。

 野暮なので、英語ではそんなこと言わない、なんてのは書かないでおく。ただ、欧米の人が見たらどういう印象を持つかは聞いてみたいと思う。



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