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「ケット売り場」



 何を売っているところだかご存知だろうか。
 俺は D.I.Y.ショップで見た。
 小売店って誤用の宝庫なので「またか」と思ってみていたのだが、後からおじさんがやってきて「あぁ、ケットこさある (秋田弁『ケット、ここにある』)」と言うではないか。どうやらごく普通の単語らしい。
 これ「タオルケット」を売っているところである。

 早速、Internet の検索エンジンにぶち込んで調べてみる。「ケット」では「バスケット」やら「マーケット」やら「チケット」やらがひっかかって一苦労だが、
サブケット、ハーフケット、お昼寝ケット、おくるみケット、ボディケット、アンダーケット、掛けケット
ダウンケット、綿ケット、麻ケット、ガーゼケット、ニットケット
 こんなのが見つかった。思っているより使用範囲の広い単語のようだ。

 そもそも「タオルケット」とは何か。
 大辞林によれば、
〔和 towel+blanket の略〕厚手のタオル地で作った毛布風の寝具。
 そもそも和製英語なんである。

 上の例の後半 5 つは、材料+「ケット」である。
 とすると、「タオルケット」の「タオル」を落とした、というよりは、「タオルケット」と同じルールで単語を作り出した、と考えた方がいいのかもしれない。
 でも、俺が見た「ケット売り場」には「タオルケット」しかなかったぞ。単に品揃えが弱いだけか。
「サブケット」や「ハーフケット」は小さい「タオルケット」のことみたいだし。複数の造語方法が混在していると考えるべきか。

 これは余談だが、「チケット」のことを「チェケット」だと思っている人は少なくないようである。
 英語以外のヨーロッパ言語ではそういうのかな、と思ったが、スペルは“ticket”だからちょっとそれは考え難い。
 タイプしてみたが、「チ」を“chi”と入力しているのならともかく、タイポというのもちょっと無理があるような気がする。んー、でも意外に多いかな、“chi”の人。




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